カビは、ぜん息の増悪因子、アレルギー性鼻炎の原因のひとつであることが報告されています1),2)。
カビは湿気の多い浴室や台所、結露した壁などに発生するクラドスポリウム(クロカビ)やアルテルナリア(ススカビ)があり、靴箱や押し入れなど比較的乾燥した場所に発生するアスペルギルス(コウジカビ)やペニシリウム(アオカビ)など、生活環境にみるカビは湿度状態により異なります2)。
カビアレルゲンは梅雨時期と秋に増加します2)。
写真提供:NPO法人カビ相談センター
クラドスポリウム(クロカビ)
空中では屋内外ともにもっとも多く検出されます。
ペニシリウム(アオカビ)
ハウスダスト、空中(特に屋内)に広く分布します。
アルテルナリア(ススカビ)
アレルギー性鼻炎、ぜん息のアレルゲンとして需要です。
アスペルギルス(コウジカビ)
乾燥や高温に強くエアコンや皮革製品などに生息します。ぜん息やABPAに関与しています3)。
アスペルギルスはABPA(アレルギー性気管支肺アスペルギルス症)の原因となる真菌です。
ABPAは基礎疾患としてぜん息を持つ患者さんが多い疾患で、アスペルギルス属の真菌が気道に腐生(持続的に生息)することで炎症を引き起こします。
病状が進行すると肺組織が破壊され、もと通りに治ることが難しいため、早期に診断して原因となるアレルゲンを回避することが大切です。
植生および時期は地域により若干異なります
一年中、特に梅雨時期と秋2)に注意が必要です
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1)一般社団法人日本アレルギー学会喘息ガイドライン専門部会監修.喘息予防・管理ガイドライン2018.協和企画. 2018;47.
2)高鳥浩介.生活環境中の真菌とその生態.アレルギー.2005;54:531-535.
3)日本アレルギー学会/日本呼吸器学会監修.アレルギー性気管支肺真菌症の診療の手引き.医学書院.2019;3.
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