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Accelerating ScienceLearning at the Bench / 細胞培養・イメージング / 低コストで浮遊細胞の大量培養を可能に!CO₂インキュベーター用新シェルフシステム

低コストで浮遊細胞の大量培養を可能に!CO₂インキュベーター用新シェルフシステム

Written by LatB Staff | Published: 04.05.2024

近年、CAR-T細胞療法をはじめとする遺伝子細胞治療分野の発展に伴い、免疫細胞を安全かつ大量に培養するニーズが増えています。このため、細胞の汚染リスクを低減しつつ大量培養を実現するための技術や製品が求められるようになり、多くのメーカーにより自動化培養装置やリアクターの開発が進められてきました。その一方で、最新の自動化装置やリアクターは、装置自体が大型で高額な場合も多く、導入が進まないなどの課題も残されていました。
本ブログでは、既存の大型CO2インキュベーターを使用して、低コストで免疫細胞をはじめとする非接着細胞の大量培養を実現できる新しいシェルフシステムをご紹介いたします。

▼もくじ

  • 拡大培養に適した大容量CO2インキュベーターとは
  • 閉鎖系で非接着細胞の拡大培養が可能なバイオリアクターの登場
  • 低コストで非接着細胞の生産性を2.5倍に増強する新しいシェルフシステム
  • まとめ
    • G-Rex™バイオリアクター向けのCultiMaxxシステム

拡大培養に適した大容量CO2インキュベーターとは

当社はライフサイエンスやヘルスケア分野のお客さまにCO₂インキュベーターを供給してきました。その中でも、Thermo Scientific™ Forma™ Steri-Cycle™ i250 CO2インキュベーターおよびi250 CR CO2インキュベーターCTS™ シリーズは、その信頼性、傑出した汚染防止機能、培養細胞に適した増殖条件、そしてクリーンルームへの適合性などが高く評価され、世界中の遺伝子細胞治療分野の細胞加工施設で多く採用されています。

Forma Steri-Cycle i250 CO2インキュベーター/i250 CR CO2インキュベーターCTSシリーズの特長

  • 255 Lの大容量チャンバーで細胞の拡大培養に適した大容量モデル
  • Forma Steri-Cycle i250 CR CO2インキュベーターCTSシリーズはISO Class 5、GMP Grade A/Bクリーンルームへの適合認証取得
  • Thermo Scientific™ THRIVE™ アクティブエアフローテクノロジーによる優れた環境復帰性能
  • チャンバー内HEPAフィルターによりISO Class 5レベルのクリーンエアーを維持し汚染を防止
  • Thermo Scientific™ Steri-Run™ 乾熱滅菌機能を装備し180 ℃で12時間以内に滅菌が完了
  • 酸素制御をオプションで追加可能
  • OPC-UA™ によるデータ通信が可能(オプション)
Forma Steri-Cycle i250 CR CO2インキュベーター

Forma Steri-Cycle i250 CR CO2インキュベーター

閉鎖系で非接着細胞の拡大培養が可能なバイオリアクターの登場

Wilson Wolf社が設計・開発したG-Rex™バイオリアクターは、T細胞、CHO細胞、そしてSF9細胞などの非接着性細胞に適した予測可能かつ効率的でスケーラブルな細胞増殖を可能にします。例えば、G-Rex™ 500M-CSバイオリアクターは1台で500 cm2のガス透過性膜表面積を有し、5,000 mLのフレッシュな培地を細胞に供給し続けることが可能です。約10日間の培地交換が不要なため、この期間中は閉鎖系で2.5 × 108個の細胞を1.0~2.0 × 1010個まで拡大培養できます。さらに、1台のCO2インキュベーターがあれば複数のドナー由来の細胞培養に対応でき、前臨床から商用規模の製造まで細胞ベースの治療に必要な多数の細胞を生産することができます。欧米ではCAR-T細胞療法の拡大培養工程におけるゴールドスタンダードとして採用されています。

G-Rexバイオリアクターの特長

  • 既存のCO2インキュベーターが使えるため、新規の設備投資が不要
  • 細胞に栄養分を無制限に供給でき、培地交換が不要または培地交換の回数を大幅に削減可能
  • 底面からガスを安定供給でき、高密度な培養が可能
  • セミオートや閉鎖系での操作も可能
  • T細胞などの免疫細胞、ナチュラルキラー細胞、造血細胞に理想的な生産プラットフォーム
Wilson Wolf社G-Rex 500M-CSバイオリアクター

Wilson Wolf社G-Rex 500M-CSバイオリアクター

低コストで非接着細胞の生産性を2.5倍に増強する新しいシェルフシステム

当社は、これらの細胞加工施設に従事するお客さまが直面する課題に対応するため、Forma Steri-Cycle i250/i250 CR CTSシリーズのCO2インキュベーター(以下、Forma Steri-Cycle i250/i250 CR CTS)の庫内空間をG-Rexバイオリアクター用に最適化したThermo Scientific™ CultiMaxx™ シェルフシステムを開発しました。現在お使いいただいているシェルフと入れ替えるだけで、G-Rexバイオリアクターの収容数を最大化し拡大培養の生産性を大幅に増強することができます。

CultiMaxxシェルフシステムの特長

  • Forma Steri-Cycle i250/i250 CR CTS 1ユニットあたり、G-Rex 500M-CSバイオリアクターの収容数を4個から10個に増強
  • G-Rex 100M-CSバイオリアクターであれば、最大45個、G-Rex 10M-CSバイオリアクターは最大123個収容可能
  • CO2インキュベーター1ユニットあたりの耐荷重は最大65 kg
  • 強化型シェルフのためたわみにくく、細胞の局在化を防止
  • Forma Steri-Cycle i250/i250 CR CTSは2段積み設置が可能なため、培養室の設置面積あたりのG-Rex 500M-CSバイオリアクターの収容数を2.5倍にアップ(2台分の収容数8個→20個)
  • 既存のForma Steri-Cycle i250/i250 CR CTSはそのままで、シェルフだけを入れ替えるため低コスト


Forma Steri-Cycle i250/i250 CR CTSの標準シェルフ(左)では、G-Rex 500M-CSバイオリアクターを最大4個(2個×2段)しか収納できなかったのに対し、CultiMaxxシェルフシステムでは (右)、最大10個(4個×2段+2個×1段)収容できます。



G-RexバイオリアクターはG-Rex 500M-CSバイオリアクター(500 cm2)だけでなく、ガス透過性膜表面積の異なるG-Rex™ 100M-CS (100 cm2)およびG-Rex™ 10M-CS (10 cm2)バイオリアクターが用意されています。CultiMaxxシェルフシステムはこれらのバイオリアクターのハイスループット培養にも適しています。
※( )内の値はガス透過性膜表面積

まとめ

当社Forma Steri-Cycle i250/i250 CR CTSのCO2インキュベーターに革新的なCultiMaxxシェルフシステムを導入することで、Wilson Wolf社のG-Rexバイオリアクターを使用した浮遊細胞の生産性を大幅に増強できます。既存のForma Steri-Cycle i250/i250 CR CTSをそのまま利用できるため、低コストでの導入が可能です。

G-Rex™バイオリアクター向けのCultiMaxxシステム

詳細はこちら

G-Rex is a trademark of Wilson Wolf Corporation.
OPC UA is a registered trademark of OPC Foundation.
 

研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。

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