ゲノミクス技術は、品種改良から当て推量を排除し、ヒトの研究で培われた手法を導入することで、植物の遺伝病との闘いという農業革命を起こす可能性を秘めています。多くのアグリゲノミクス研究が実験室で行われ、多くの栽培植物や家畜のゲノムが公開され、さまざまな有益または不利益な形質の遺伝的要因が特定されました。アイダホ大学の獣医学教授であるブレンダ・メイ・マードック博士はその情報を家畜を飼育し利用、販売する人々に役立つようにすることが遅れている点を改善したいとお考えです。
▼こんな方におすすめです!
・遺伝学的手法を畜産の現場で役立てようとする研究者
・遺伝学的手法に興味を持つ畜産生産者
遺伝学と生産者の橋渡し
マードック博士はマイクロサテライトマーカーに始まり最近では一塩基多型(SNP)にも拡大する動物遺伝学とtargeted genotyping-by-sequencing(GBS)に関する豊富な経験をお持ちです。彼女の現在の目標は、Applied Biosystems™ AgriSeq™ターゲットジェノタイピングのパネルを使用して、養羊家がジェノタイピング技術を利用しやすくすることです。彼女は次のように述べています。「ジェノタイピングが実際には非常に単純であることを知り、このテクノロジーを用いて科学者がすでに集積した情報を集めて、家畜業界が安価に利用できるツールにまとめることをやりたいと思いました」。これは、動物の遺伝学の力をもっとも必要としている人々に手渡すことになります。
生産者は、Superior Farms農業協同組合を通じてマードック博士のターゲットジェノタイピングツールを購入し、それを使用して疾患のマーカーをチェックしたり、親子関係情報を収集したり、ターゲット領域に含まれる新規SNPを調べることもできます。さらに生産者が、これらの新規SNPの出力をアイダホ大学に返送して、この情報を科学界と共有することもできます。このサイクルにより、科学的理解と次世代のアグリゲノミクスツールの両方が向上します。このように、マードック博士は生産者がより良い、より早い段階での生産選択を行うのを助けたいと望んでいます。
ターゲットGBSについて生産者と直接協力することは、科学者にどのように役立つか
農業生産者と直接協力することは、農業ゲノミクスの将来にとって重要です。生産者はすべてのアグリゲノミクス研究の主な受益者であり、この事実からアグリゲノミクス研究の優先順位は生産者に求めなければいけません。科学者は生産者と連絡を取り合うことで、彼らが対処する必要のある問題と、彼らがどのような技術を使う助けを求めているかを、よりよく認識できます。この関係により、科学者は彼らの研究の研究室外での成果に接することになり、科学がもたらすメリットを一般の人々に認識してもらい、科学研究をスピードアップできる貴重な現場でのデータを得ることができます。
マードック博士の場合、羊の生産者と緊密に協力することで、彼女と彼女のチームはツールをニーズに合わせて最適化しておくことができ、結果のデータと識別可能なマーカーの両方が着実に改善されます。同様に生産者と連絡を取り合うことで、科学者は他のより密度の高い研究、特にヒトやマウスのデータを使った研究からの情報を、現場ですぐに実用的に使えるものに変換することができます。
なぜAgriSeqなのか
ゲノミクスのアプローチはたくさんあります。マードック博士も「代用品はたくさんあり、良いものもある」と言っています。AgriSeqは、他の同様に効果的なツールと比較して「非常に安価」であるという点で、マードック博士にとって際立っています。生産者が使用できるシステムを探すとコストの合計額はかさんでしまい、安価なソリューションは非常に魅力的です。彼女自身の言葉では「このテクノロジーは非常に柔軟性があり、費用対効果が高い」と述べています。この低コストと高い柔軟性の組み合わせにより、AgriSeqターゲットジェノタイピングのパネルは、羊の繁殖プロセスの近代化など、農家が先端性と収益性を保つのを助ける多様で拡大する分野で妥当なソリューションとなっています。
マードック博士はまた、自分たちの農業ニーズのためにゲノミクスプロジェクトに取り組むことに関心のある人々に「宿題」をするようアドバイスをしています。この強力なテクノロジーを効果的に利用するには、努力を適切に方向付けることができるように、先見の明と選択が必要です。時間をかけて予備的なバイオインフォマティクス解析を行い、ターゲット配列を特定し、既存のゲノム情報を確認することは、アグリゲノミクスへの最初のステップがスムーズに進み、役に立つ効果的な結果につながることを確かなものにするのに大いに役立ちます。サーモフィッシャーサイエンティフィックのアグリゲノミクスチームは、「そのようなことを支援するのに非常に優れており」他の人がシーケンスによるジェノタイピングを開始できるようにしています。
マードック博士は、農業分野のGBSツールには明るい未来があると考えています。既存のパネルに追加できる他の特徴やマーカーを追加できます。特に、DNAメチル化をはじめとするエピジェネティックな痕跡は、使いやすいゲノミクスプラットフォームに組み込まれると、有用な情報をもたらします。いくつかの種類のマーカーや情報を1つのアッセイに組み合わせると、単独で達成できるよりもさらに深いデータが得られ、生産者が飼育上の判断をする基礎となる最良の情報を入手できるようになります。
マードック博士の研究の詳細については、彼女のISAG2019プレゼンテーションをご覧ください。
まとめ
・マードック博士は家畜の遺伝学研究の成果を生産現場で役立てる活動をしています
・生産現場と直接協力することは研究者にとっても多くのメリットがあります
・AgriSeqは、遺伝学的手法を生産現場で役立てるために最適なソリューションです。詳細はアグリゲノミクス関連製品のページをご覧ください。
Thermo FisherのAgriSeqジェノタイピングバイシーケンスツールの詳細、シーケンシングによる AgriSeq ターゲットジェノタイピングの詳細、家畜動物向けのアグリゲノミクスソリューションの詳細をご覧ください。
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