Ion Reporter™ ソフトウエアは、当社が提供する次世代シーケンサ(NGS)データ解析用ソフトウエアです。ヒト遺伝子変異解析機能が充実し、ゲノム上の変異や融合遺伝子の検出、検出した変異へのさまざまなアノテーション情報の付加が可能です。Webブラウザの操作のみで解析を実行でき、特別なバイオインフォマティクスの知識がなくても簡単に遺伝子変異解析が行えます。
本ブログでは、Ion Reporterソフトウエアによる解析結果の見方について、以下の内容を簡単にご紹介します。
- Ion Reporterソフトウエアによる解析結果の概要
- Filter Chains機能を使った変異の絞り込み
- 解析結果のダウンロード
解析の実行方法や解析結果の詳細については「Ion Reporterソフトウエア 基本操作方法」資料をご覧ください。
▼こんな方におすすめです!
- Ion Torrent™次世代シーケンサでヒトの遺伝子変異解析を実施している、もしくは実施したい
- Ion Reporterソフトウエアを使用してデータ解析を実施している
- Ion Reporterソフトウエアの機能を知りたい
Ion Reporterソフトウエアによる解析結果の概要
Ion Reporterソフトウエアの解析結果の画面で、検出された変異の一覧が表示されます。変異に紐づくアノテーション情報は、SummaryやFunctionalといったカテゴリごとにまとめられた形で表示されます。変異の一覧のダウンロードやレポート作成などの機能が画面右上にまとめられています。
Filter Chains機能を使った変異の絞り込み
変異の一覧の中から、見たい変異や特定のアノテーション情報を持つ変異を見つけたいときは、Filter Chainsという機能が有効です。この機能を利用して、さまざまなアノテーション情報をもとに、興味のある変異だけを絞り込んで表示させることができます。例えば、変異の種類(Variant Type)に基づいてSNV(Single Nucleotide Variation, 一塩基多型)だけを表示したり、ClinVar というヒトゲノムの多様性と関連する疾患についてのデータベースの情報をもとに、疾患に関連する(pathogenic)と登録された変異に絞り込んだり、といったことが可能です。
実施する解析の種類やパネルに合わせて適切なFilter Chainsがあらかじめソフトウエアに登録されていますが、新しく作成することも可能です。新規作成のアイコンをクリックし、絞り込みの条件に加えたい項目を順次追加します。
絞り込みを行う項目として主に以下のようなものがあります。
解析結果のダウンロード
変異リストを確認し、Filter Chainsによる絞り込みを行った後、最終的な変異リストをダウンロードします。変異リスト一覧の画面にあるDownloadボタンをクリックすることで全ての変異一覧、または絞り込んだ変異の一覧を含むファイルをダウンロードできます。ファイル形式はVCFまたはTSVで、VCFはNGSデータ解析において変異情報の記述によく用いられるファイル形式です。TSVはタブ区切り形式のテキストファイルです。いずれのファイルもExcel™ファイルなどにコピー&ペーストして閲覧することができます。
まとめ
本ブログではIon Reporterソフトウエアの解析結果の見方についてご紹介しました。このソフトウエアは今回ご紹介した変異解析結果の取得や絞り込みのほかに、データのクオリティチェックや解析結果の比較など、さまざまな機能がございます。機能の詳細についてご不明な点がございましたら当社テクニカルサポートまでお問い合わせください。
また、次世代シーケンス(NGS)データ解析コンサルティングサービスでは、Ion Reporterソフトウエア以外にも、カスタムアノテーションの作成から解析結果の評価などについてご相談を受け付けております。ご興味がありましたら、ぜひテクニカルサポートまでお気軽にご連絡ください。
次世代シーケンサ(NGS)入門
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