マスターミックスとは何でしょうか?答えはリアルタイムPCRに必要なDNAポリメラーゼ、塩、マグネシウム、dNTPが最適化された反応バッファーの混合液です。この反応バッファーにテンプレートDNAとプライマーを追加しPCR反応を行います。マスターミックスは遺伝子発現、ジェノタイピング、マイクロRNA定量、ウイルス検出など、さまざまな状況やアプリケーションに適した製品があります。そのため、実験系に合わせて適切なマスターミックスを選択することは、実験を成功させるために重要なステップです。
▼こんな方におすすめです!
・マスターミックスの種類と特長を知りたい方
・ご自身の研究に合ったマスターミックスを知りたい方
リアルタイムPCRにはSYBR™ Green法とTaqMan™法の2種類の蛍光ケミストリを利用できますので、それぞれの方法に合わせたマスターミックスを選択する必要があります。SYBR Green法は2本鎖DNAの結合色素を使用します。この方法はフォワードプライマーとリバースプライマーの2つのオリゴDNAを使用して増幅した産物にSYBR Greenが結合することで生じる蛍光を検出します。TaqMan法はDNAポリメラーゼの5 ’ヌクレアーゼ活性に基づいて検出を行います。2つのプライマーと1つのTaqManプローブの3つのオリゴDNAを使用してDNAを増幅し、プライマーの伸長中にプローブが加水分解されることで生じる蛍光を検出します。TaqMan法は高い特異性を確保できますので、目的の遺伝子と相同性の高い配列がゲノム上に多数ある実験系の場合はおすすめの方法です。SYBR Green法とTaqMan法について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
使用しているアプリケーション のタイプに合わせてマスターミックスを選択することも重要です。例えば、遺伝子発現解析ではTaqManとSYBR Greenの両方のケミストリが利用できます。SYBR Greenはプライマー設計が必要ですが、TaqManは、数百万種類以上の設計済みアッセイ(プライマーとTaqManプローブの混合液)から選ぶことができるという高い利便性があり、さらにそれを使用することで高い特異性を比較的容易に 実現できます。
他に考慮すべき点としては、「逆転写とリアルタイムPCRが連続の1ステップ法またはそれぞれ独立の2ステップ法にするか?」、「StandardモードとFastモードのどちらでランするか?」などです。1ステップ法と2ステップ法の違いについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。 また、FastモードとStandardモードについてはこちらで紹介しています。
まとめ
弊社ではリアルタイムPCR向けのマスターミックス選択ガイドをご用意しています。
実験系に適切なマスターミックスを容易に見つけることができますので、ぜひご利用ください。
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研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。