はじめに
目的サンプルからDNAを抽出した際やPCRの増幅確認に欠かせないアガロースゲル電気泳動。操作は簡単ですが、失敗することも簡単です!今回は、アガロースゲル電気泳動に必ず失敗する3つの方法をまとめてみました。
1. 泳動バッファーの代わりに水を使用する
アガロースゲル電気泳動では、泳動の際にTAEバッファーまたはTBEバッファーを使用します。もし泳動バッファーの代わりに水を使った場合、泳動槽が高温になりゲルが溶けてしまいます。
TAEバッファー、TBEバッファーや水は全て透明な溶液です。そのため、セットアップ時には必ずバッファー容器のラベルを確認しましょう。
2. 間違ったアガロース濃度のゲルを使用する
アガロースゲル電気泳動を行う際に使用されるアガロースの濃度は通常1.0%です。アガロース濃度が高くなると、小さいバンドの分離能が向上します。逆にアガロース濃度が低くなると、バンドがより鮮明になり、大きい分子量のバンドの分離能が向上します。
目的のバンドに適していない間違ったアガロース濃度を使用すると、DNAバンドを可視化することが困難です。また、アガロース濃度が低いゲルを使用する場合は、ゲルが脆く、割れやすくなりますので注意が必要です!
3. 電極を付け間違える
とても簡単なミスですが、電気泳動装置の電極の+とーを間違えると、とってもイライラすることになるでしょう。ウェルはゲルの端に非常に近い位置にあるため、アプライしたDNAサンプルは目的の方向とは逆に泳動され、おそらくすべてのサンプルを失うことになります。
電気泳動を開始したら、サンプルが正しい方向へ泳動されていることを確認しましょう。もし間違った方向へ泳動されている場合、慌てずに電源をオフにしてから電極を入れ替えましょう。
最後に
今回は、アガロースゲル電気泳動に必ず失敗する3つの方法をまとめてみました。これらの失敗をしないように必ずチェックをして実験に挑みましょう!
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