品質試験に関する専門用語は難しくて、いまさら聞けないと困ったことはありませんか?このブログでは、基礎用語を学ぶとともに、知っておくと便利な情報をお届けしています。
さて、マイコプラズマ否定試験のバリデーションにおいては、特異性、検出感度、頑健性が非常に重要になります。しかし、はじめての場合、どのような流れでバリデーションを実施していけば良いのか、イメージがわかない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、無事に規制当局に承認されるまで、どのように進めていく方法があるのか紹介したいと思います。
承認までの流れを理解することで、当社のバリデーション済みのキットが、いかに効率的なバリデーションに役立つかを知ることができます。
▼こんな方におすすめです!
・医薬品の品質試験でマイコプラズマ否定試験を実施する予定の方
・マイコプラズマ否定試験のバリデーションに興味のある方
バリデーションが必要な理由
医薬品の臨床試験および製造販売承認申請のためのマイコプラズマ否定試験の場合、日本薬局方では従来法(A法:培養法、B法:指標細胞を用いたDNA染色法)と、新たなソリューションとして加わったC法:核酸増幅法の3つの手法があります。
リアルタイムPCRを用いた手法はC法:核酸増幅法になりますが、従来法と同等の精度を示すためにバリデーションを実施することが要求されます。
第18改正日本薬局方 | |
試験法 | ・培養法(A法) ・指標細胞を用いたDNA染色法(B法) ・核酸増幅法(C法) |
試験法の選択 | ・A法、B法を実施する。 ・適切なバリデーションを実施することで、 C法をA法、B法の代替法として使用する。 |
バリデーションの 評価項目 |
・特異性 ・検出限界 ・A法の代替条件:感度10CFU/mL ・B法の代替条件:感度100CFU/mL ・頑健性 |
検出対象 | 7菌種 |
試験方法の最適化とプレバリデーション
まず、バリデーションの前段階として、試験方法の最適化とプレバリデーション・適格性評価を実施します。
【試験方法の最適化】
Step 1
お客さまのサンプルを使って、推奨のプロトコルで問題なく試験ができるか確認します。この時、日本薬局方に記載されている感度を満たせるか、サンプル+DPC(キットに付属のポジティブコントロール)スパイク試験で、10 GC/mLの感度を達成できるかを確認します。
Step 2
サンプリングポイントを決定します。細胞のハーベスト段階だけで試験するのではなく、培養途中の上清などを使って工程内試験を行うと、マイコプラズマ汚染のリスクをより軽減できます。
【プレバリデーション】
マイコプラズマゲノムDNAを用いて予備実験を行います。
Step 1と同様に、日本薬局法に記載されている感度を満たすことができるか、サンプル+マイコプラズマゲノムDNAスパイク試験で、10 GC/mLの感度を達成できるかを確認します。
バリデーション実施と承認申請
【バリデーション実施】
Step 1
プレバリデーションの結果をもとに、規制当局と事前面談し、実際のバリデーション内容を相談します。お客さまのサンプルを用いてバリデーションを実施する必要はありますが、当社のキットをご使用の場合、参考資料として当社が取得したバリデーションレポートを提供できますので、お客さま自身が1からバリデーションを実施する必要はありません。
Step.2
規制当局との面談結果を踏まえたプランに従い、バリデーションを実施します。
【規制当局への承認申請】
Step.1
バリデーション結果をもとに規制当局に医薬品の承認申請を行います。
Step.2
承認後、バリデーションをとったプロトコール(SOP)に従って、マイコプラズマ否定試験を実施していきます。
まとめ
いかがでしたか?
安全な医薬品を提供するためには、きちんとバリデートされた方法で試験を実施する必要がありますが、バリデーションは手間と時間のかかる大変な作業です。そこで、バリデーション済みのキットを使用すれば、規制当局との面談時に参考資料として、当社が取得したバリデーションレポートを提出することができ、お客さま自身で1からバリデーション試験をする必要がないため作業にかかる負担が軽減されます。
Applied Biosystems™ MycoSEQ™ Plus Mycoplasma Detection Kitは、細胞治療や複雑なバイオプロダクションサンプルにおけるマイコプラズマの検出に特化して開発されたTaqMan™ベースのキットで、規制で要求される10 CFU/mLかそれ以上の高い感度と特異性を持ち、製品のロットリリース試験に対応するのに必要な性能を備えています。ぜひ、ポスターをダウンロードして、この製品の詳しい性能をご覧ください。
研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。
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