
さて、こちらはどこでしょうか?
オフィス?カフェ? いいえ。再生・細胞医療、遺伝子治療に特化した
サーモフィッシャーサイエンティフィックの最先端トータルソリューションラボ、T-CELです!
革新的な医療技術として注目されている再生医療や細胞医療、遺伝子治療は、大学の研究機関から製薬企業、医療施設、官公庁などの幅広いプレイヤーが連携し、研究・開発・実用化を推進しています。しかし、まだ課題も多く、その普及と安定的な実用化が期待されているところです。
再生・細胞医療、遺伝子治療の課題を解消し、患者さんへのより迅速な医療の実現を支援するため、2022年10月に再生医療クリエイティブ・エクスペリエンス・ラボ(T-CEL)が設立されました。
ではそんなミッションをもつT-CELでは、実際に何を体験できるのか。ラボマネージャーである前田にその魅力と役割について語ってもらいました。
前編となる本記事では、「T-CELはどんなところか?」をテーマにご紹介します。

T-CEL ラボマネージャー 前田 礼男
T-CELはどんなところ?
単なる見学にとどまらない体験を
Q:まず初めに、T-CELを一言でいうと、どんな施設でしょうか。
A:再生・細胞医療、遺伝子治療に必要な装置・機器、サービスを川上から川下まで包括的に見ることができる施設と言えます。
Q:では、実際にT-CELでお客さまが体験できることを簡単に教えてください。
A:T-CELでは、主に『再生医療関連の当社最新装置・技術の見学』、『ラボ・工場の立ち上げサポート』、『セミナー、ハンズオントレーニング、イベント』の3つサービスをご用意しています。ただ3つといっても、何か決まったプログラムがあるわけではなく、お客さまのご要望を踏まえて柔軟に調整しています。
Q:単に決まったサービスを体験する、ということではないのですね。例えば、装置や技術の見学では、どういったことが特徴ですか。
A:再生医療の研究開発・製造でのワークフローに沿って設置していますので、装置単体ではなく、周辺機器も併せてトータルで見学いただけます。実際に見学されたお客さまが意識していなかった当社の最新機器をご覧になって驚かれるということも珍しくありません。
また、見学の際に当社の製品担当のエキスパートを同席させることができますので、装置のデモンストレーションや、お客さまの課題に沿ったハイレベルな議論ができるところも大きな特徴です。

装置単体での使用はもちろん、統合しモジュール化された閉鎖系自動細胞治療製造ワークフローの一部として利用できる当社製品群
(写真左から、閉鎖系自動細胞分離・ビーズ除去システム Gibco™ CTS™ DynaCellect™ Magnetic Separation System、自動細胞処理システムGibco™ CTS™ Rotea™ Counterflow Centrifugation System、エレクトロポレーションシステムGibco™ CTS™ Xenon™ Electroporation System)
Q:見学以外だと、『ラボ・工場の立ち上げサポート』とは具体的にどんな内容なのでしょうか。
A:ラボの立ち上げから、受託製造までトータルに相談を承っています。例えば、いざ新しくラボを立ち上げよう、規模を大きくして製造のための工場を用意しようと考えたとき、ではいったい何が必要か、それをどう配置すればよいのか、といったことは、現場の研究者の方にとってもハードルが非常に高い問題です。いったん装置を設置してしまった後に、あれも必要だった、ここの装置が邪魔で動きづらい、といったことになってもそれを解消することはなかなか難しい。そういったお客さまの課題に応じて、最適な装置・機器の選定や3Dイメージングによるラボレイアウトのシミュレーション、またCDMOとよばれる医薬品受託製造のご紹介などのサポートを幅広く行っています。
研究者/技術者からビジネスサイドまで、幅広いお客さま
Q:では実際に、どのようなお客さまがT-CELにお越しになっているのでしょうか。
A:再生医療に既に取り組まれている/これから取り組まれるという方が当社の最新機器の情報を収集するためにお越しになるケースや、具体的に製品購入を検討されている方が操作性を確かめに来られるというケースが多いです。
Q: このようなお客さまもいらっしゃるのか、といったことはありましたか。
A: 現場の研究者/技術者の方だけではなく、ベンチャーキャピタルといったビジネスサイドの方が最新の再生医療についての動向などを勉強しに来られるといったケースもあります。また、製薬やアカデミアではなく、一般的には再生医療に関係していなさそうな業界の方が見学に来られるケースもあり、再生医療に対する期待の高さを実感しています。
ワークフローに沿った見学をリラックスしていただきながら
Q:ここからはT-CELの施設そのものについて質問していきます。まず、広さはどれくらいなのでしょうか?
A:T-CEL全体としては、T-CELがあるビル3階オフィスフロアの約半分のスペースを使っています。ダブルス用のテニスコートだと2.5面分ぐらいでしょうか。かなりゆとりのある広さになっていると思います。
そのうち約半分がラボエリアになっていて、残りがセミナールーム、シングルユース関連製品の展示、商談スペースを設けたラウンジエリアになっています。
Q:広さ以外に、どんな特徴がありますか。
A: 見学の際の特徴でも触れましたが、ワークフロー別にラボエリアを設定しているところはT-CELの特徴です。装置単体だとなかなかイメージしづらい、お客さまが実際に必要になるものをまとめて見ていただけるように工夫しています。
また、ラボがガラス張りになっているところも実は工夫しているポイントの1つです。ラボというとどうしてもかしこまったイメージがありますので、ラウンジエリアを含めて開放的なイメージにすることを意識して作られています。
お客さまにリラックスして見学いただく、また、ちょっと立ち寄っていただいたときにでも興味をもって中を少しのぞいていただける、そんな場所になっています。

ガラス張りのラボスペース
Q:いろいろと工夫されているのですね。他にも施設の設備以外の特徴はありますか。
A:アクセスがよいことも特徴の1つです。T-CELがある三田オフィス(※最寄り駅は、JR田町駅と都営地下鉄 三田駅)は、新幹線では品川駅、飛行機では浜松町駅が近くにあります。遠方のお客さまも学会や展示会などで都内に来られた際に、ついでに立ち寄っていただきやすいかと思います。
Q:では、前半最後の質問です。2022年10月に開設してから、実際にどの程度お客さまがお越しになったのでしょうか。
A:開設から1年ちょっとで300組、1,000名を超えるお客さまにお越しいただけました。開設当初は1年で300名くらいの方に来ていただければ御の字と考えていましたので、うれしい驚きでした。想像以上に、再生・細胞医療、遺伝子治療に対するニーズがあることを強く感じています。
まとめ
ここまでは、T-CELの基本的な情報についてご紹介しました。後編では、実際にT-CELに訪問するにあたっての申し込み方法や、当日の内容についてご紹介していきます。訪問を検討されている方は、ぜひ後編もご覧ください。
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研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。