弊社ではマイクロアレイ発現解析のためのフリーソフトTAC(Applied Biosystems™ Transcriptome Analysis Console)をご用意しています。これにより、Clariom D や Clariom S のような最新の発現解析マイクロアレイの解析が誰でも簡単に行えます。解析ソフトのダウンロードはアレイの購入前でも可能です。
今回は本フリーソフトのダウンロードの方法について詳しくご紹介します。なお、アレイの包括的なリソースであったNetAffx Analysis Centerは2022年3月31日をもって閉鎖となりました。長い間ご利用いただき誠にありがとうございました。NetAffxに関するお困りごとやお問い合わせがございましたら、テクニカルサポート(jptech@thermofisher.com)までご連絡いただきますようお願いいたします。
TACをインストールしよう
遺伝子発現解析ソフトTACをダウンロードする前に、まずお手元のパソコンのスペックをご確認ください。TACをインストールするのに必要なパソコン要件は、以下のとおりとなります。
- OS:Microsoft™ Windows 7™以降
- メモリ:8 GB以上
- システムの種類:64 bit版
これらを満たさない場合はインストールが行えないため、ご注意ください。
インストールしたいパソコンのスペックが要件を満たしていることを確認したら、早速TACをダウンロードしましょう。以下のボタンからダウンロードのページに移動してください。お客様の情報など必要事項をご入力いただき、「送信」ボタンをクリックするとダウンロード画面に移動しますので、「ダウンロード」ボタンからダウンロードを行います。ダウンロード完了後、exeファイルをダブルクリックして立ち上げ、インストールを行ってください。
TACの簡単セットアップ
無事にインストールが完了したら、解析前の準備が少しだけ必要になります。
まず、デスクトップにあるTACのショートカットアイコンをダブルクリックしてTACを立ち上げてください。ライブラリーファイルのインストール先の設定をしよう
初回起動時には、ライブラリファイルの保存フォルダ(Library Path)を指定する画面が表示されます。
ライブラリーファイルとは、マイクロアレイの種類(Clariom S、Clariom Dなど)ごとに用意されており、マイクロアレイの解析を行うために必要なファイルのことです。
インストール先のフォルダを選択し、OKボタンをクリックしてください。このとき、保存先フォルダのパスの中に日本語フォントが含まれているとエラーが生じて解析ができません。意外と盲点なのが、パソコンのユーザー名が日本語になっているケースです。この場合もエラーになりますので注意しましょう。お勧めは、CドライブやDドライブ直下(C:またはD:)に半角英字でフォルダを新規作成することです。ドライブ直下であれば、もしパソコンのユーザー名が日本語でも、パスの中に含まれないため、エラーにはならないからです。
ライブラリファイルのインストールをして、準備完了!
TACのPreferencesタブを開き、「Download Library Files」をクリックするとライブラリーファイルをダウンロードするためのマイクロアレイ製品一覧の画面が開きます。
解析を行いたいマイクロアレイにチェックを入れて「Download」をクリックすると、該当するマイクロアレイのライブラリーファイルのダウンロードとインストールが開始します。
※古いバージョンのTACをお使いの場合、NetAffx登録情報の入力を求められる場合があります。しかしながら、2022年3月31日のNetAffxの閉鎖に伴い新規のご登録は受け付けておりませんので、下記の代替パスワードを入力してインストールを進めていただきますようお願いいたします。
なお、NetAffxに関するお困りごとやお問い合わせがございましたら、テクニカルサポート(jptech@thermofisher.com)までご連絡いただきますようお願いいたします。
※「Download Library Files」をクリックしてもライブラリーファイルのインストール画面が開かない場合、Preferenceタブの「Internet Proxy Settings」からプロキシの設定が必要な可能性があります。プロキシのアドレスやポートはお客さまのご施設によって異なるため、各ご施設にてご確認をお願いいたします。
インストールが完了すると、Preferenceタブの「Installed Array Types」にインストール済みのアレイタイプが表示されます。ダウンロードしたファイルが間違いないかを確認しましょう。
これで解析前のセットアップは完了し、いつでも解析が行える環境が整いました。お疲れさまでした。
まとめ
以上で、マイクロアレイの無料解析ソフトウエアのダウンロードと準備は完了です。次にデータを用意します。次回は「フリーのマイクロアレイ解析ソフトを使って遺伝子発現データを取り込もう!」にて、実際のデータを用いた発現解析について、ご説明いたします。
[無料ダウンロード]マイクロアレイ用解析ソフトウェアTAC
TACを使えばマイクロアレイの解析は簡単です!ぜひお試しください。
TACを用いたデータ解析の準備と手順(動画)
このブログの内容を動画でご覧いただけます。
マイクロアレイの手引き
DNAマイクロアレイは登場してからすでに20年が経ち、同じように網羅的な発現解析が出来る次世代シーケンサーの普及もあって、熟成した技術と言えます。しかしマイクロアレイは次世代シーケンサーに比べてコスト的なメリットがあり、また解析の容易さなどから、まだまだ強力な網羅的な遺伝子発現解析が出来る技術として、近年見直されて来ている技術でもあります。
この手引きはそのマイクロアレイの原理や基礎、ワークフローなどについて学べるページです。
Microsoft Windows is a trademark of Microsoft Corporation.
研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。