TaqMan アッセイファミリーに新たに加わったApplied Biosystems™ TaqMan™ Advanced miRNA Assays は、リアルタイムPCR (qPCR )を使用し、優れた感度と特異性で成熟miRNAの定量を可能にしたアッセイです。 さらに、Applied Biosystems TaqMan Advanced miRNA cDNA Synthesis Kit と一緒にお使いいただくと、単一サンプル中の複数 miRNAターゲットの逆転写や、血清、血漿など微量なRNA サンプル解析も最適かつスムーズに、進めることができるでしょう。
今回はTaqMan Advanced miRNA Assaysについて、SYBR ベースでのアッセイとの違いも含めて紹介します。
▼もくじ
1. 目的のmiRNA に対する優れた特異性
マイクロRNA (miRNA) とは短いRNA (18-25 ヌクレオチド)のことであり、 ターゲット mRNA (メッセンジャー RNA) の発現を調節し、さまざまな細胞プロセスに関わっています。多機能ゆえに注目の的になっているmiRNA ですが、サイズが小さいため、特定のmiRNA にのみをターゲットとしたqPCRアッセイを設計するのは容易ではありません。加えて、 miRNA は配列相同性が非常に高いため、発現量の測定では、高い特異性が必要とされています。
ここからは、SYBR™ベースのアッセイと新しく登場したTaqMan Advanced miRNA Assaysという2つのアッセイについて詳しく見ていきましょう。
SYBR™ベースのアッセイは、二本鎖DNAと結合して蛍光を発することでDNA増幅を検出しますが、これはターゲット配列に対して非特異的な反応を利用しています。一方で、TaqMan Advanced miRNA Assays は、目的のmiRNA にのみ特異的なTaqMan MGBプローブを使用しています。 両者を比較するため、TaqMan Advanced miRNA Assays と Q 社のSYBR Assays を行ったところ、広い濃度範囲で検量線の直線性が得られたのは TaqMan Advanced miRNA でした。逆に、SYBRベースアッセイでは検量線の直線性が得られませんでした。これは、対象とするmiRNA以外の非特異的なオフターゲットが検出されたことを示唆しています(下記Figure参照)。
2. 低発現 miRNA に対する感度の向上
SYBR ベースアッセイのもうひとつの弱点は、特に血漿や血清、その他の体液など検出困難な微量サンプルにおける感度が挙げられます。この場合も、新しい TaqMan Advanced miRNA Assays を用いれば、わずか60コピーのmiRNAから逆転写されたcDNA溶液の一部から、微量なターゲットmicroRNAをqPCRで検出可能です。詳細はこちらをご覧ください。
3. 必要サンプル量の少なさ
必要サンプル量でも違いが見られます。SYBR ベースアッセイでは、大量のインプット RNA を必要とする場合があります。しかし、TaqMan Advanced miRNA Assays を用いれば、 わずか1 pgのトータルRNA、または約2 µLの精製血漿や血清から成熟miRNAを検出して定量することができます。下図はこれを実際に検証したものです。各希釈サンプルを測定に用いたところ、 SYBR ベースアッセイで検出できなかったわずか1pg のトータル RNA であっても、TaqMan Advanced miRNA Assaysなら検出できることが分かりました。
4. Microfluidic TaqMan Array Cards による試薬コストを削減とは?
ところで、TaqMan Array Cardsについて、ごぞんじでしょうか?これは、1枚のプレート上で384ウェルを簡便かつ網羅的に定量できるツールです。網羅性と定量性も併せ持ったこのツールは、最大384アッセイを同一プラットフォーム上で作成できるため、標準的な96 ウェルプレートと比較して、使用試薬を最大75%も削減することが可能です。さらに、この革新的なカスタムツールを用いると、プレートへの分注など、サンプルハンドリングが最小限になるため、再現性の向上も期待できるでしょう。
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