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Accelerating ScienceLearning at the Bench / 分子生物学実験関連 / TaqMan Fast Advanced Master Mixの使用方法

TaqMan Fast Advanced Master Mixの使用方法

Written by LatB Staff | Published: 11.21.2023

新しく実験を始める際、まず初めに確認することは試薬や装置の使い方だと思いますが、こういったものの確認って意外と大変ですよね?
そこで今回はApplied Biosystems™ TaqMan™ Assayを使って、リアルタイムPCRを行う際に使用できるマスターミックス試薬の中でも汎用性が高いApplied Biosystems™ TaqMan™ Fast Advanced Master Mixの使用方法について、要点を絞って紹介いたします!

▼こんな方におすすめです!

  • これからTaqMan™ ケミストリー での実験を始められる方
  • 試薬の使用方法の要点をかいつまんで確認したい方
  • 長い英語のマニュアルに目を通す時間がない方

▼もくじ

  • 実験に必要な試薬類
  • 測定までの流れ
    • 1. プレミックス溶液の調製
    • 2. 各ウェルにプレミックス溶液を分注
    • 3. 各ウェルにcDNAサンプルを添加
    • 4. リアルタイムPCR装置で測定

実験に必要な試薬類

  • TaqMan Fast Advanced Master Mix(2X)
  • TaqMan Assay(20X)
  • cDNAサンプル
  • Nuclease-free water

※例えば、Applied Biosystems™ TaqMan™ Gene Expression Assayでは、終濃度がPrimerは各900 nM、Probeは250 nMとなるように調製されています(20Xの状態でPrimer各18 µM、Probe 5 µM)。
ご自身でプライマー・プローブをそれぞれご用意いただく場合も、まずはこの濃度でお試しいただくのがおすすめです。

測定までの流れ

  1. プレミックス溶液の調製
  2. 各ウェルにプレミックス溶液を分注
  3. 各ウェルにcDNAサンプルを添加
  4. リアルタイムPCR装置で測定

という流れで実験を進めます。
各ステップでの操作を一つずつ見ていきましょう。

1. プレミックス溶液の調製

まずはcDNAサンプル以外に必要な試薬をあらかじめ全て混ぜてしまいます。
プレミックス溶液の組成は下記の表を参考にしてください。
反応液量が20 µLとなるように調製しますので、cDNAサンプルの添加量を変更する場合にはNuclease-free waterの量を調整してください。

Component Volume
TaqMan Fast Advanced Master Mix (2X) 10 µL
TaqMan Assay(20X) 1 µL
Nuclease-free water 7 µL
Total 18 µL

▼Tips
・TaqMan Fast Advanced Master Mixは室温で72時間安定です。
試薬調製の際に室温のまま操作していただいても問題ありません。
・マスターミックス試薬にはグリセロールが含まれており、溶液全体が均一になりにくいため、十分に混合することが重要です。
可能であればボルテックスミキサーなどを用いて、十分に混合することをおすすめします。

2. 各ウェルにプレミックス溶液を分注

リアルタイムPCR装置での測定に使用する96 wellプレートなどを用意し、測定する各ウェルに1で用意したプレミックス溶液を18 µLずつ分注します。

3. 各ウェルにcDNAサンプルを添加

2でプレミックス溶液を分注した各ウェルにcDNAサンプルを2 µLずつ添加します。
この時、cDNAは1 pgから100 ngが添加されるように調製をしてください。

▼Tips
cDNAサンプル量は必ずしも2 µLである必要はありません。サンプル濃度などによって液量を調整してください。
ただし、あまり多くは入れ過ぎないようにご注意ください。cDNA溶液には逆転写反応時のバッファーなどが含まれていますので、これを多量にリアルタイムPCRの反応液に持ち込むと溶液全体の組成が変わって効率良くPCRが進まない恐れがあります。
cDNA溶液は反応液全量の1割程度、多くとも2割程度が一つの目安です。

4. リアルタイムPCR装置で測定

お手元の装置に合わせて以下の条件で測定を行います。

▼Applied Biosystems™ 7500/7500 FastリアルタイムPCRシステムをお使いの場合
Hold(任意)※ Hold PCR
温度 50 ℃ 95 ℃ 95 ℃ 60 ℃
時間 2分 20秒 3秒 30秒
▼それ以外の当社装置(Applied Biosystems™ StepOne™/StepOnePlus™リアルタイムPCRシステム、QuantStudio™シリーズなど)をお使いの場合
Hold(任意)※ Hold PCR
温度 50 ℃ 95 ℃ 95 ℃ 60 ℃
時間 2分 20秒 1秒 20秒

※最初の50 ℃、2分の設定は任意です(UNG incubation step)。
設定されていなくても反応性には影響がありませんが、UNG酵素の作用による他の実験からの増幅産物の持ち越しを防止できます。

測定が始まったらあとは結果が出るのを待つだけです!
TaqMan Fast Advanced Master Mixでは1ランあたりおよそ40分と測定時間も短いです。
ぜひ皆さまもご活用ください!

今回の記事作成にあたりまして、「User Guide: TaqMan Fast Advanced Master Mix」を参照しています。より詳細な内容を確認したい方はこちらもご確認ください。
▼User Guide: TaqMan Fast Advanced Master Mix

その他、試薬の使用方法などでお困りのことがございましたらテクニカルサポートまでお気軽にご連絡ください。
TEL: 0120-477-392 (リアルタイムPCRダイレクト番号:1番)
Email: jptech@thermofisher.com

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TaqMan is a trademark of Roche Molecular Systems, Inc., used under permission and license.
研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。

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