二軸押出機の基礎シリーズでは装置の仕組みや特長、パラメーター設定やその意味、後工程オプションを組み合わせた押出成形について解説していきます。
▼こんな方におすすめです!
- なんとなく使っているけれど、もっと二軸押出機のことを理解したい
- 装置構成やパラメーターを変更したいけど、どうしたらよいか不安
- 二軸押出機をもっと使いこなしたい、もっと活用したい
今回は混錬押出プロセスにおいて極めて重要な材料供給(フィード)について紹介します。
▼もくじ
なぜ材料供給は重要なのか ~品質の確保~
プロセス設定項目の一つである材料供給速度(フィード速度、スループット)は、これまでに紹介したように滞留時間、軸にかかるトルクといったプロセスパラメーターに影響します。
滞留時間の変化は、材料が二軸押出機から機械的、熱的エネルギーを受け取る時間、量が変化することを意味します。
材料供給も材料供給速度が不安定であるということは滞留時間が不安定であることを意味し、この結果、混錬押出の品質も不安定で均一ではなくなります。
図.スループットと滞留時間の関係
ここで示すグラフは、Thermo Scientific™ Process 11卓上二軸スクリューエクストルーダーで疑似肉(大豆ミート作)作成時の例で、材料供給速度(スループット)を横軸に、滞留時間を縦軸にプロットしたものです。
プロセス中に微量の黒鉛をスパイクし、押し出されるサンプルの色の変化を観察しました。スクリュー回転速度など、その他のプロセス設定は同じです。
青色は黒鉛の投入から排出開始までの時間、赤色は黒鉛排出完了までの時間、緑色は黒鉛が最も濃く排出された時間です。
材料供給速度の上昇に伴ってそれぞれの時間が短くなり、排出開始から完了までの時間の幅も短くなっています。この結果から材料供給速度が滞留時間に与える影響がいかに大きいかが分かります。
なぜ材料供給は重要なのか ~材料のブレンド~
材料供給のもう一つの重要な役割として材料のブレンドがあります。
複数台の材料供給装置(フィーダー)を用い、個別に供給速度を設定することで、任意の配合比で二軸押出機に材料を供給できます。
この手法はプロセス中でも任意のタイミングでフィーダーの供給速度変更ができるため、さまざまな配合比のサンプルを効率よく作成できます。
また、ドライブレンド(プレミックス)の手間を省くだけでなく、ドライブレンドでは分散性の悪い材料を配合する際に、正確な配合比を確保することにも役立ちます。
送液ポンプを用いて液体の供給を行うことも可能です。
液体の種類や粘度といった特性に応じて、適切なポンプや送液チューブを選択する必要があります。
材料供給方法(フィーダーの種類)
二軸押出機は連続プロセスであるため、材料供給も安定して連続的に供給できる手法が求められます。
代表的な材料供給方法は以下の通りです。
・ホッパー(重力落下式)
材料をホッパーに入れ、重力を利用して材料を供給する方法です。他の供給方法と組み合わせて使用されることもあります。シンプルな構造で、コストが低い反面、材料の流動性に影響を受けやすく、供給速度の調製も困難です。
・スクリューフィーダー
スクリューを回転させて材料を搬送、供給する方法です。
スクリュー形状や回転速度の変更により、微量から大量まで、高い安定性で材料供給でき、供給速度調整も容易です。特に粉体やペレットの供給に適しており、粘性や凝集性の強い材料には不向きです。
・ベルトフィーダー
ベルトコンベヤで材料を搬送、供給します。大量の材料を搬送するのに適しています。安定性の高い供給が可能ですが、一般的に装置サイズが大きくなりやすく、配置スペースに制限のある小型の二軸押出機との相性はよくありません。
・振動フィーダー
振動を利用して材料を少しずつ移動させることにより、材料を供給します。微粉から大塊まで、さまざまなサイズの材料を比較的安定した供給が可能ですが、振動による粉じんや騒音の発生、周辺機器への影響などのデメリットもあります。
それぞれの材料供給方法には一定の体積で材料を供給するボリュメトリック式、ロードセルを使用して材料の重量をリアルタイムで測定し、一定の供給量を保つグラビメトリック式の2種類の制御方式があります。
ボリュメトリック式とグラビメトリック式
下の写真はボリュメトリック式フィーダー(左)とグラビメトリック式フィーダー(右)の例です。
ボリュメトリック式は容量式とも呼ばれます。
スクリューフィーダーの場合はスクリューの回転速度を、ベルトフィーダーの場合はベルト移動速度を、振動フィーダーの場合は振幅や周波数を一定に保ち、一定の体積で材料を供給します。極微量から大量の供給まで幅広く対応できますが、材料の流動特性やトラフ内の材料残量などにより、設定速度と供給重量にわずかなずれが生じることがあります。
速度設定値と材料の供給量の検量はユーザーが材料ごとに行う必要があります。
グラビメトリック式は減量式や重量式、ロスインウェイト式とも呼ばれます。
材料の吐出による重量の変化をリアルタイムで測定し、一定速度(kg/h)で供給をするために、スクリュー回転やベルトの移動速度を自動で微調整します。
検量も自動で行える機種もあり、ユーザーは目的の供給速度を入力するだけで、正確で安定した材料供給が行えます。
重量を測定するロードセルや自動制御システムなどの分、ボリュメトリック式よりも高コストになります。また、ペレットや凝集性の高い材料を極微量供給する際、材料が断続的に落下し、制御が不安定になることもあります。
まとめ
二軸押出機において正確で安定した速度での材料供給は極めて重要です。
希望するスループット(供給速度)レンジ、材料特性とフィーダーとの相性、装置サイズ、コストなど、目的に合わせた材料供給手法(装置)を選択することが必要です。
当社ではさまざまなエクストルーダー製品を取り扱っています。ご興味のある方はこちらよりお問い合わせください。
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