ビタミンEのグラジエント分析~植物油中のトコフェロール含有量測定


- はじめに
ビタミンEは油に溶けやすい脂溶性ビタミンの1種であり、植物油やナッツ類、魚卵に多く含まれています。体内で生成される有害なフリーラジカルから細胞を守り、脂質の酸化を防ぎ、加齢によって発症しやすい疾患の予防に役立つことから、“老化防止・若返りのビタミン”とも言われています。また、ビタミンEはトコフェロールとトコトリエノールに分類され、メチル基の位置や有無によって、α、β、γ、δの4種類があります。
- ビタミンE分析について
ビタミン類の分析には高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が汎用され、その中でも、ビタミンEのトコフェロール4種は逆相系、順相系どちらのHPLC条件でも分析できますが、夾雑物質を多く含むためサンプルからの分離が困難で、分析時間が長くなるといった問題が生じがちです。また、逆相系においてはβ-トコフェロールとγ-トコフェロールはメチル基の位置が異なるだけの構造異性体のため、一般的なODSカラムでは分離が困難となります。そこで本記事では、Thermo Scientific™ Accucore™ Polar Premium LCカラムを使用したトコフェロール4種の分離方法を解説します。
- Vanquish 2D-LCシステムによる分析
こちらでは、オリーブオイルやアマニ油といった植物油中のトコフェロールの含有量測定を具体例としてご紹介します。先述のAccucore Polar Premium LCカラムを使用して、まずはサンプル中の夾雑成分とトコフェロール4種を分離させます。そして次に、Thermo Scientific™ Vanquish™ オンライン2D-LCシステムを用いて、シングルループハートカット2D-LC法でトコフェロール4種の分離を行います。この2ステップを踏むことで、サンプルの植物油は有機溶媒で希釈するだけで測定することができ、1分析28分サイクルでの連続分析が可能です。

- グラジエントによる装置メソッド作成
グラジエント分析法とは、1種類の溶離液のみで分析が困難な場合に溶離液の混合比を切り替え、溶離液の濃度を変化させる手法のことを指します。
これを使用することで夾雑物質が多いサンプルでも、成分の分離を確実に行いながら、分析対象物質を測定することが可能になります。メソッド作成では、1次元目で分画したいサンプルの溶出時間に合わせ、バルブの切り替えと2次元目のグラジエントの開始時間を調整します。バルブの切り替えタイミングは、1次元目の検出器からバルブまでの配管の容量(ディレイボリューム)を流速で割った分(ディレイ時間)だけ遅くします。また、分画に用いるサンプルループは、分画したい時間範囲に流速をかけた容量と同じ、もしくは少し大きい容量のものを選択する必要があります。
- トコフェロールの含有量測定の詳細はこちらから
ビタミンEの定量分析について、図解とともにより詳しくご覧になりたい方は、下のリンクから資料をダウンロードいただけます。
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