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Accelerating ScienceLearning at the Bench / 分子生物学実験関連 / 午前中に3時間で終わらせよう ウェスタンブロッティング

午前中に3時間で終わらせよう ウェスタンブロッティング

Written by LatB Staff | Published: 08.14.2020

ウェスタンブロッティング法は、目的のタンパク質を確認する方法として多くの研究者に利用されています。しかし、従来の手法では検出までに一日近くを要し、手間も非常にかかる実験でした。そこで今回はスピーディーかつ手間が少なく、再現性の高い方法をご紹介します。具体的には電気泳動からバンドの検出まで約3時間(午前中)で結果を確認できる方法になります。
▼こんな方におすすめです!
・ウェスタンブロッティング操作を短時間に行いたい方
・ウェスタンブロッティングをこれから始める方

▼もくじ

  • 従来のウェスタンブロッティング手法は~ほぼ1日がかり~
  • わずか3時間でバンドが検出できるウェスタンブロッティング法!
  • 各ステップの詳細と使用機器のご紹介
    • ステップ1 ミニゲルサイズの電気泳動 所要時間25分
    • ステップ2 PVDF膜の活性化およびゲルの平衡化
    • ステップ3 PVDF膜に転写
    • ステップ4 ブロッキング
    • ステップ5 一次抗体反応、二次抗体反応および膜の洗い
  • まとめ
  • 【無料ダウンロード】タンパク質解析ワークフローハンドブック

従来のウェスタンブロッティング手法は~ほぼ1日がかり~

従来の一般的なウェスタンブロッティングの方法は、Fig 1をご覧ください。時間は、6時間程度かかります。またステップ数も多く、洗いのステップは10分ごとにバッファー交換が必要なため、手間もかかります。

こちらが従来法の各ステップの所要時間になります。(Table 1参照)

わずか3時間でバンドが検出できるウェスタンブロッティング法!

今回ご紹介するウェスタンブロッティングの方法については、Fig 2をご覧ください。
ステップ数も少なく、電気泳動が25分、転写は7分で完了します。また、Invitrogen™ iBind™ Western Deviceを使用したステップ5では、セッティング後、約2時間30分そのまま静置するだけですので、手間は全くかからず、その間に他の実験が行えます。

実験手順と所要時間は、Table 2をご覧ください。

各ステップの詳細と使用機器のご紹介

ステップ1 ミニゲルサイズの電気泳動 所要時間25分

特長: Invitrogen™ 20X Bolt™ MES SDS Running Bufferの使用により、25分で泳動が完了します。

ゲル: 8cm×8cmのミニゲルを使用
サンプル調製: Invitrogen™ 4X Bolt™ LDS Sample Bufferおよび Invitrogen™ 10X Bolt™ Sample Reducing Agent (還元剤)を加え熱変性
泳動条件: 200Vの定電圧で25分
使用機器、試薬:
・Invitrogen™ Mini Gel Tank (製品番号A25977)
・Invitrogen™ Bolt™ 4 to 12%, Bis-Tris, 1.0 mm, Mini Protein Gel, 10-well (製品番号NW04120BOX)
注:他の濃度のアクリルアミドゲルもございます。
・20X Bolt MES SDS Running Buffer (製品番号B0002)
・4X LDS Sample Buffer(製品番号B0007)
・10X Bolt Sample Reducing Agent (製品番号B0009)

ステップ2 PVDF膜の活性化およびゲルの平衡化

特長:
・ Invitrogen™ iBlot™ 2 Gel Transfer Deviceで転写する場合のPVDF膜は、メタノールで活性化されていますので、膜の活性化は必要ありません。
・ゲルの平衡化が不要なため、電気泳動が終わったらすぐに転写できます。

ステップ3 PVDF膜に転写

特長:
・iBlot 2 Gel Transfer Deviceの使用により、7分で転写が完了します。
・ 設置方法は、ゲルをiBlot 2 専用スタックに挟んでiBlot 2 Gel Transfer Deviceにセットするだけですので、誰でも簡単にセッティングできます。

使用機器、試薬:
・iBlot 2 Gel Transfer Device (製品番号IB21001)
・Invitrogen™ iBlot™ 2 Transfer Stacks, PVDF, mini (製品番号IB24002)
iBlot 2 Gel Transfer Deviceの使用方法は、こちらの動画をご覧ください。

ステップ4 ブロッキング

特長:
・iBind Western Deviceを使用する場合、専用のブロッキングバッファーで10分間行います。

使用試薬:
・Invitrogen™ iBind™ Solution Kit(製品番号SLF1020)

ステップ5 一次抗体反応、二次抗体反応および膜の洗い

特長:
・iBind Western Deviceの使用により、2時間30分で終了します。
・PVDF膜をInvitrogen™ iBind™ Cardにセットして、一次抗体、Wash溶液、および二次抗体をiBind Western Deviceに添加します。
・iBind Western Deviceのふたを閉めて反応を開始しますが、電源は必要ありません。

使用機器、試薬:
・iBind Western Device(製品番号SLF1000)
・iBind Card(製品番号SLF1010)
・iBind Solution Kit(製品番号SLF2100)
・目的の一次抗体、二次抗体

iBind Western Deviceの使用方法は、こちらの動画をご覧ください。

まとめ

・iBlot Gel Transfer DeviceやiBind Western Deviceを用いることによりウェスタンブロッティングを3時間程度でスピーディーに行えます。
・iBind Western Deviceの反応中(約2時間30分)は静置しているだけですので、他の実験に時間を使えます。
・ステップ数が少ないため、初心者の方でも簡単にウェスタンブロッティングを行えます。

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