KRAS変異の検出は、診断、モニタリング、および可能性がある治療の選択に有用であり、さらに特定のKRAS変異に関する知見は、見込みがある治療法を示してくれる可能性があります。KRAS G12C変異を特異的に標的とする薬剤が上市されており、他のKRAS変異や複数の変異を標的とする阻害剤も開発中です。また、KRAS変異は、EGFR自体が存在しない状態でもEGFRシグナル伝達経路の活性化をもたらすので、抗EGFR治療薬の効果が低い可能性があります。そこで、このガイドブックでは、KRAS変異を正確に検出するために特別に開発されたシーケンシングのプロトコルを紹介します。