小型反すう動物: ヒツジ/羊およびヤギ/山羊
関連する疾患
すべての疾患 (アルファベット順)
ブルータングウイルス (BTV)
疫学
ブルータングまたはカタル熱は、レオウイルス科オルビウイル属の 2 本鎖 RNA ウイルスにより引き起こされます。 この病気は、昆虫を介して野生および家畜の反すう動物、特に羊に伝染する非感染性疾患です。
兆候
羊は感染後 7 ~ 8 日間で、高熱、嗜眠、群れからの自主孤立などの急性兆候を現します。 発熱後すぐに頬粘膜が赤く腫れ、泡沫状の唾液が多量に生じます。 舌が膨らみ、場合によっては蒼白化 (本疾患名の由来) します。 爪先が赤くなり、痛みを伴います。 感染した動物は足が不自由になり、雌羊の場合は流産する場合もあります。 ほとんどの場合、成長が遅れ、毛が失われます。 重症の羊の場合、感染から 8 ~ 10 日で死亡する場合があります。
牛や山羊では通常、感染は無症候性です。 畜牛での兆候は、異常高熱、妊娠期間の末期 (8 ヶ月) での流産、浮腫 (乳房、乳頭、外陰、膝) 、および紅斑 (粘膜、乳頭、乳房) が一般的です。
BTV の伝播
ブルータングは 1876 年に南アフリカで初めて報告されました。 当初はアフリカに限定された病気と考えられていましたが、最近の 10 年間で、この病気はアジア、米国南部、オーストラリア、および南ヨーロッパにまで広がっています。 ブルータングウイルスの血清型は計 24 種類が知られており、その内の 8 種類 (血清型 1、2、4、6、8、9、11、および16) はヨーロッパで報告されています。
規制要件が国ごとに異なるため、地域によってはお取り扱いできない製品があります。
ボーダー病 (ND)トップ
疫学
BVD ウイルスは、ペスチウイルス属に属する低分子 1 本鎖 RNA ウイルスです。 その他 2 種類の動物ウイルスがペスチウイルス属に属し、一つは羊にボーダー病 (BD) を引き起こすウイルスで、もう一つは豚にブタコレラ (CSF) を引き起こすウイルスです。牛ウイルス性下痢症 (BVD) を引き起こすこのウイルスは 1946 年に初めて確認されました。 この病気は世界中で認められており、このウイルスに曝された動物の罹患率は、国や地域によって 30 ~ 80% となっています。
BVD は牛の生殖能力に影響を及ぼします
BVD の感染は牛の生殖能力を損ない、妊娠後 1 ~ 2 ヶ月の牛が感染すると、胚死亡に続いて発熱が再誘発されます。 妊娠期を通して、流産や先天性異常も起こり得ます。
BVD-PI 動物が感染の保有宿主となります
このウイルス属に胎内感染すると、一般的に、一生涯免疫寛容(BVD 持続感染 (BVD-PI))なままの感染仔が生まれ 、群れを通じてウイルスが広がります。 BVD-PI 動物 (すなわち、妊娠 2 ~ 4 ヶ月で感染した動物) は、その生涯にわたってウイルスを保持し、多量のウイルス粒子を常に排出することになります。 そのため、BVD-PI 動物の集団が、感染していない牛にとっての主な感染源となります。 さらに BVD-PI 動物は、遅かれ早かれ粘膜病 (MD) と呼ばれる致死性の BVD を発症します。 感染牛の内の BVD-PI 動物の数は 1% 台で (但し、27% にまで達する場合もあります) 、それらの動物を検出することがペスチウイルス症抑制の基本となります。
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牛ウイルス性下痢症 (BVD)トップ
疫学
BVD ウイルスは、ペスチウイルス属に属する低分子 1 本鎖 RNA ウイルスです。 その他 2 種類の動物ウイルスがペスチウイルス属に属し、一つは羊にボーダー病 (BD) を引き起こすウイルスで、もう一つは豚にブタコレラ (CSF) を引き起こすウイルスです。牛ウイルス性下痢症 (BVD) を引き起こすこのウイルスは 1946 年に初めて確認されました。 この病気は世界中で認められており、このウイルスに曝された動物の罹患率は、国や地域によって 30 ~ 80 % となっています。
BVD は牛の生殖能力に影響を及ぼします
BVD の感染は牛の生殖能力を損ない、妊娠後 1 ~ 2 ヶ月の牛が感染すると、胚死亡に続いて発熱が再誘発されます。 妊娠期を通して、流産や先天性異常も起こり得ます。
BVD-PI 動物が感染の保有宿主となります
このウイルス属に胎内感染すると、一般的に、一生涯免疫寛容(BVD 持続感染 (BVD-PI))なままの感染仔が生まれ 、群れを通じてウイルスが広がります。 BVD-PI 動物 (すなわち、妊娠 2 ~ 4 ヶ月で感染した動物) は、その生涯にわたってウイルスを保持し、多量のウイルス粒子を常に排出することになります。 そのため、BVD-PI 動物の集団が、感染していない牛にとっての主な感染源となります。 さらに BVD-PI 動物は、遅かれ早かれ粘膜病 (MD) と呼ばれる致死性の BVD を発症します。 感染牛の内の BVD-PI 動物の数は 1% 台で (但し、27% にまで達する場合もあります) 、それらの動物を検出することがペスチウイルス症抑制の基本となります。
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ブルセラ症トップ
概要
ブルセラ症はブルセラ菌により引き起こされる感染症です。 最も懸念されるブルセラ菌種として、主に牛に感染する B. abortus、主に羊や山羊に感染する B. melitensis、主に豚に感染する B. suis があります。 これらすべてのブルセラ菌種は宿主非特異的で、好適な条件下で他の動物やヒトに伝染することもあります。
ブルセラ症は通常、感染しやすい動物が感染した動物と直接接触することで、または、感染動物の排出物で汚染された環境で伝染します。 したがって、ブルセラ症は牛や羊などの群れにおいて問題となります。
ブルセラ症は届出疾患ですので、発生時には地域の衛生当局へ報告する必要があります。 種や感染率によって、感染の有効な撲滅手段が異なります。 罹患率が高い場合は、感染率を低下させるためにワクチン接種プログラムが必要となります。 ワクチン接種プログラムの実行後は、感染した動物の処分に関連する監視プログラムが導入されます。 これらのプログラムを実施することで、特定地域または国全体を「ブルセラ症フリー」および「公式なブルセラ症フリー」な状態にすることができます。 ヨーロッパでは、人畜共通感染症の監視に関する EU 指令 2003/99/EC により監視が規定されています。
兆候
ブルセラ感染の一般的な兆候として、乳汁産生の減少、体重減少、流産、不妊、および歩行障害が挙げられます。 ブルセラの取り込み形態には、経口、または創傷や粘膜からの侵入があります。 ブルセラ菌は主に流産した胎盤や胎児、精液や乳と共に排出されます。
場合によっては、時間の経過と共に回復することもあります。 しかし、大抵の場合、兆候は現れなくなるものの、病気自体は蔓延していきます。 こういった無症候の動物が危険な感染源となります。
ヒトの健康へのリスク
生乳や低温殺菌を施していないチーズがヒトへの感染源のもっとも代表的なものです。 牧場労働者や獣医師は、流産時の感染した排出物に直接曝されるため、感染リスクが高い状況下にいます。 通常、ヒトが感染しても死に至ることはありませんが、治療を受けない場合は、この病気が長年にわたって持続する場合があります。
潜伏期間は通常 1 ~ 3 週間ですが、時には数ヶ月に及ぶ場合もあります。 患者には、熱の昇降が激しい発熱、悪寒、倦怠感、頭痛などの非特異的症状が現れます。
経済的影響
ブルセラ症は、世界中の多くの地域で公衆衛生および動物衛生の大きな課題です。 感染した動物が死に至ることは希ですが、この病気がもたらす経済的損害を考えると、ブルセラ症は世界中でもっとも深刻な家畜病と言えます。
この人畜共通感染症は、多くの国々で根絶され、あるいは根絶されつつありますが、依然、地中海地域、アフリカ、アジア、南アメリカでは広く存在しています。
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ヤギ関節炎脳脊髄炎 (CAE) トップ
疫学
CAE およびマエディビスナは、レトロウイルス科に属する、近縁種のレンチウイルスによって引き起こされる持続性ウイルス感染です。 種間伝播の症例の報告はごくわずかですが、羊は CAEV に、また、山羊はマエディビスナに感染する場合があります。
初乳や乳汁により母親経由で、または、感染した動物の呼吸分泌物経由で仔羊や仔山羊に感染が伝染します。 感染した仔羊や仔山羊は永久的にウイルスを保持し、生涯にわたって集団の他の動物にウイルスを伝染させることになります。
兆候
CAE は山羊に感染する病気で、成長した山羊に関節炎や乳腺炎を、若い山羊には脳脊髄炎を引き起こします。 マエディビスナは羊に感染する病気で、息切れや呼吸困難、関節炎、体重減少を引き起こします。 さらに、羊の中には、さまざまな重症度を伴う肺や乳房の病変を来す場合があります。 CAEV とマエディビスナは近縁種のウイルスです。
罹患率
羊のレンチウイルスは、羊が飼育されている多くの国 (オーストラリアおよびニュージーランドを除く) で確認されていますが、CAEV は先進工業国で、より広く蔓延しています。
疾患フリーの状態を得るには、血清学検査が必要です
山羊および羊の飼育場の認定を受けるには、これら両方のウイルスを血清学的にスクリーニングすることが義務付けられています。 症状は、血清陽性動物の一部 (調査結果によって 9 % ~ 38 %) にしか現れません。
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クラミジア症トップ
反すう動物のクラミジア症は、トリやヒトへも感染する細菌起因の伝染病です。 反すう動物では、クラミジア症により流産、早産、肺炎、結膜炎、関節炎が発症する場合があります。 感染の主経路は汚染したエアロゾルの吸入ですが、胎盤や羊水、糞便、尿、乳汁から大量の細菌の排出により、新生仔、若い、または成長した反すう動物に伝染します。 クラミジア属分類は Everett 氏により 1999 年に再分類されました。 この新たな分類では、この種は次の二つの属に分割されています。
- クラミジア属。C. trachomatis (ヒト)、C. suis (豚)、および C. muridarum (マウスおよびハムスター) を含みます。
- クラミドフィラ属。Cp. abortus (哺乳類)、Cp. psittaci (鳥)、Cp. felis (猫)、Cp. caviae (モルモット), Cp. pecorum (哺乳類)、および Cp. pneumoniae (ヒト) の 6 種から成ります。
反すう動物では、次の 2 種が確認されています。 Cp. abortus (流産の原因) および Cp. pecorum (無症候性の消化管感染、肺炎、結膜炎)。 妊婦の場合は C. abortus により、重篤な合併症と共に流産を誘発する場合があります。
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Clostridium perfringens (ウェルシュ菌)トップ
概要
芽胞形成性嫌気性細菌であるウェルシュ菌は通常、土壌やさまざまな家畜の消化管に存在しており、6 種類 (A、B、C、D、E、および F) にカテゴリー分類されて、その内、B、C、および D 型が、この病気のもっとも一般的な形態です。
ウェルシュ菌が少量の場合は、発症すること無く、動物の消化管にとどまりますが、消化管をそのまま通過することも珍しくありません。 しかし、動物体内で糖質 (乳汁、補助濃縮物など) が増加すると、ウェルシュ菌の数が急激に増加し、急死に至るほどの大量の毒素を発生させます。
B 型は仔羊赤痢とも呼ばれており、仔羊で高死亡率を示し、仔牛の病気にも繋がります。
C 型は通常、畜牛、小型反すう動物、豚に感染し、出血性腸炎や壊死性腸炎を誘発します。
D 型は「髄質様腎疾患」または「食べ過ぎ病」とも呼ばれており、小型の反すう動物および牛に関わっています。 ウェルシュ菌の A 型および C 型は、仔馬に腸炎 (小腸および大腸の膨張) も引き起こし、クォーター馬などの牧畜馬が感染しやすいウイルスです。
兆候
この病気は侵襲性が強く、発症がきわめて早いため、感染した動物で臨床兆候を観察することが困難となる場合があります。 死亡前に動物の詳細な検査を行うと、ウェルシュ菌感染では、興奮、回転行動、頭部の打ち付け、痙攣、不活発、下痢、疝痛、授乳への無関心など、さまざまな兆候が現れます。
ヒトの健康へのリスク
ウェルシュ菌には、人畜共通感染のリスクはみられません。
クリプトスポリジウム症トップ
概要
クリプトスポリジウム症は、感染した動物の排泄物を経由して排出される微小腸内寄生虫により引き起こされます。 この寄生虫は世界中で発見されており、通常は他の腸管病原体と協働し、仔豚、仔山羊、仔羊、および仔馬などの新生家畜動物に下痢および腸管障害を引き起こします。
コロナウイルスやロタウイルスなどの他の病原体と同時感染することにより、深刻な下痢症を発症することが研究により明らかにされています。 通常、クリプトスポリジウム症の死亡率は低いですが、初乳や乳汁の低摂取、同時感染、悪天候による悪寒の結果、エネルギー不足に陥っている動物などは、他の因子により悪化している場合に死に至る場合もあります。
この病気の伝染には、動物から動物への直接伝染、環境汚染、糞便汚染 (水や食物)、またはヒト伝染などの間接伝染があります。 仔牛の感染は生後 5 日ほどで検出でき、生後 5 ~ -15 日で下痢を発症します。
小型の反すう動物では、深刻な集団下痢を発症する場合があり、生後 4 ~ 10 日の仔羊や生後 5 ~ 21 日の仔山羊では死亡率が高くなります。
豚の場合、クリプトスポリジウム症は一般に重大な腸内病原菌とは見なされていませんが、広い年齢幅 (生後 1 週間から出荷日齢まで) で感染が見られ、感染した豚では離乳後吸収不良性下痢が引き起こされる場合があります。
仔馬の場合、クリプトスポリジウム症は余り広くは流行していませんが、感染が起こる場合は、生後 5 ~ 8 週間ほどの期間に感染します。
兆候
クリプトスポリジウム症の兆候は、数日間続く下痢、大幅な体重減少、衰弱、無気力、食欲不振、および脱水症などを含みます。
ヒトの健康へのリスク
クリプトスポリジウムは、免疫正常者 (子供など) では下痢の一般的な非ウイルス性の原因となり、免疫不全者においては深刻な健康被害が生じ得ます。 この病気は、感染した動物からヒトへ直接伝染し、感染した動物の排泄物で汚染された地表水や飲料水を経由してクリプトスポリジウム症が伝染するリスクもあります。
肝蛭トップ
概要
肝蛭は、世界中で牛や羊など幅広い宿主中に見られます。感染には三つの形態があり、一つ目は慢性的なもので、羊において高い死亡率を示しますが、仔牛では死亡率は高くありません。二つ目は急性的なもので、羊においては多くが死に至ります。三つ目は伝染性壊死性肝炎などの二次感染との複合的なもので、羊においては常に死に至ります。
この病気は、感染したモノアラガイ科の巻き貝から排出される被嚢セルカリアを含んだ水生植物を摂取することにより伝染します。 摂取後、吸虫の幼生が動物の十二指腸中に放出され、肝臓を経由し、最終的には柔組織に数週間宿り、そこで成長しながら組織を破壊します。
牛では、6 ヶ月以内にほとんどの吸虫が排出されますが、成長した吸虫は羊の胆管内に数年間生息することができます。
兆候
急性肝蛭の場合、通常は感染後 6 週間で、腹部の膨張、貧血、突然死などが兆候として現れます。 この病気の亜急性の兆候は通常、貧血および出血で、感染後、7 ~ 10 週間で死に至ります。
慢性肝蛭の兆候は、貧血、浮腫、乳汁分泌の減少などです。
ヒトの健康へのリスク
肝蛭は、流行地の汚染飲料水や淡水植物の摂取、調理が不十分な羊の肝臓の摂取によりヒトに伝染します。 感染物の摂取後、セルカリアが十二指腸内で被嚢し、やがて幼虫になり、最終的には肝臓組織から胆管に侵入します。
経済的影響
肝吸虫は、牛および羊における飼料効率、成長、生殖能力に障害を来たすことで甚大な経済的悪影響を及ぼす可能性があります。
口蹄疫 (FMD)トップ
概要
口蹄疫 (FMD) は伝染性の高い病気で、あらゆる偶蹄類動物に感染し、世界中に蔓延しています。 FMD は、豚水胞病 (SVD) などの他の水疱病と臨床的に区別することができません。
このウイルスは、ピコルナウイルス科アフトウイルス属に属しています。 FMD ウイルスには、七つの血清型が存在します。 O、A、C、SAT 1、SAT 2、SAT 3、Asia 1 どの血清型に感染しても、他の血清型に対する免疫は得られません。
家畜種のうち、牛、豚、羊、山羊が FMD に感染しやすい動物です。
兆候
FMD の臨床兆候として、足、口腔内および口腔周囲、メスの乳腺上に小疱 (小水疱) が現れます。 豚の場合は、小水疱が鼻孔内および四肢の圧点にも発生します。
一般に、感染した動物と感染しやすい動物との接触により伝染します。 このウイルスは、感染の急性期に空気中に放出されます。
ヒトの健康へのリスク
FMD には、人畜共通感染のリスクはみられません。
経済的影響
感染した集団動物の処分や、感染地域からの食肉輸出制限により、FMD の存在は畜産業者にとって、きわめて大きな経済的脅威となります。
規制要件が国ごとに異なるため、地域によってはお取り扱いできない製品があります。
マエディビスナトップ
概要
マエディビスナ (MV)、ヒツジ進行性肺炎 (OPP)、およびヤギ関節炎脳脊髄炎 (CAE) は羊や山羊の慢性疾患で、一般的に小型反すう動物レンチウイルス (SRLV) 群に分類されています。 マエディビスナはアイスランド語による命名で、MV ウイルスに関連する 2 種類の症状を表しています。 「マエディ」は「呼吸困難」の意味で、この病気の「間質性肺炎」を表しています。「ビスナ」は「消耗」の意味で、麻痺を伴う髄膜脳炎に関連する兆候です。
羊レンチウイルスは、羊を飼育している世界中の国々 (ニュージーランドおよびオーストラリアを除く) で確認されています。CAEV は、主に先進工業国で発見されており、乳用ヤギ (ヨーロッパ産) の国際的な移動状況と一致しています。
このウイルスは、あらゆる羊および山羊に感染しますが、調査より、レンチウイルス感染に耐性を有する羊や山羊も確認されています。 MV および CAEV は主に、感染した初乳や乳汁の摂取や、感染したエアロゾルの吸入により経口で伝染します。
兆候
臨床的に感染した羊の主な兆候は衰弱および呼吸困難で、山羊では多発性関節炎が主な兆候として現れます。 潜在的な兆候として、発熱、咳、および気管支滲出が挙げられますが、二次細菌感染が起きない限り、これらの兆候はほとんど観察されません。 回転行動、筋肉振戦、麻痺症状は、一般的にこのウイルスの脳脊髄炎型と関連しています。
ヒトの健康へのリスク
MV には、人畜共通感染のリスクはみられません。
経済的影響
管理プログラムにより、いくつかの国々では MV の発生が減少しましたが、依然、世界中で広く蔓延した状態です。 たとえば、米国での羊の感染率は 50 % を超える地域があり、中西部および西部の州がもっとも感染率の高い地域です。 一般的に、感染は無症候性ですが、臨床徴候が現れると、MV は進行性かつ致死性になります。
規制要件が国ごとに異なるため、地域によってはお取り扱いできない製品があります。
Q熱トップ
疫学
Q (Query、英語の不明に由来) 熱は、至る所に存在する人畜共通感染症で、(ニュージーランドを除き) 世界中で発見されています。 Q 熱は偏性細胞内寄生性細菌である Coxiella burnetii (コクシエラ菌) により引き起こされます。反すう動物、犬、猫、鳥、節足動物、およびヒトなど、多くのさまざまな動物種に感染します。 反すう動物 (ヒトへの感染の主な保有宿主と考えられています) では、この病気は主に生殖機能障害と関連しています。 通常は無症候のままで、動物が何度も流産するか、生殖機能に問題がない限り、検査されません。 コクシエラ菌は胎盤に寄生し、早産、低出生体重、および流産を引き起こします。
Q 熱のヒトへの影響
主なヒトへの感染経路は汚染されたエアロゾルの吸入ですが、妊婦は低温殺菌処理されていない牛乳を飲んだり、未処理の牛乳から作られた乳製品を食すべきではありません。 Q 熱は、インフルエンザ様症候群と誤診される場合があるため、気付かれない場合が多い病気です。 妊婦や免疫不全者、心臓弁膜症を罹患している患者では病状が深刻で、妊婦の場合は流産や早産を引き起こします。
規制要件が国ごとに異なるため、地域によってはお取り扱いできない製品があります。
ネオスポラ病トップ
疫学
Neospora caninum は、犬で最初に観察された寄生原生動物で、筋炎や脳炎を引き起こします。 しかし 1990 年代に、ネオスポラは妊娠 4 ~ 7 ヶ月の牛の流産の主原因であることが発見されました。 集団感染した牛の数に応じて流産率は 5 ~ 30 % となり、流産率が高い場合は、妊娠 1 ヶ月未満での流産が続くことが特徴です。
伝染
寄生虫の伝染方法は十分に解明されていませんが、主な経路は母体から仔への伝染と考えられます。血清反応陽性の感染雌牛から生まれた仔の 80% 以上が感染しています。 さらに、ネオスポラの牛への伝染には、犬が媒介している可能性も示唆されています。 この感染は世界中で知られており、国によっては (BVD や IBR 以上の) 牛の流産の主原因となっています。
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パラ結核 (MAP 菌/ヨーネ病)トップ
概要
パラ結核は、ヨーネ病とも呼ばれており、Myobacterium avium 亜種パラ結核菌によって、小型反すう動物の腸内に引き起こされます。 パラ結核は世界中で動物の健康衛生問題となっており、特に肉牛や乳牛に影響します。
パラ結核は慢性消耗性腸炎を引き起こし、動物がパラ結核に集団感染すると、生産面に深刻な影響を及ぼします。
臨床感染診断は通常、糞便や腸組織の解剖で原因菌 M. avium subsp. paratuberculosis の存在を突き止めることによって確認されます。 動物が無症候性疾患の場合は同定が難しく、長期にわたって原因菌が排出され他の集団にとっての感染源となります。 ヨーロッパの牛パラ結核の有病率は国によって異なり、7% ~ 55 % となっています。
兆候
通常、慢性的な腸炎、腸間膜リンパ節病変、下痢、体重減少、および浮腫が、病気が進行した 2 才以上の動物に現れます。
ヒトの健康へのリスク
パラ結核の原因菌である M. avium subsp. paratuberculosis は、牛乳や他の乳製品において、低温殺菌でも死滅しないことが知られており、それゆえ、ヒトに対する健康リスクともなります。 近年のさまざまな科学的証拠から、乳牛におけるパラ結核と、ヒトのクローン病との間に関連があることが示されています。 クローン病は不治の慢性炎症性腸疾患です。
経済的影響
家畜のパラ結核により、生産の低下、早期処分、および獣医関連コストなど、複数の因子による甚大な経済損失が生じます。 パラ結核の存在は牛および牛製品の世界市場に影響を与え、その結果、生産者に経済的な損失を生むことから、米国ではパラ結核が家畜産業の懸念事項となっています。 その結果、牛における自発的ヨーネ病集団状態プログラム (VJDHSP) が設定されました。 2002 年 4 月に USDA-APHIS- 獣医サービスはこのプログラムを国のプログラム標準に組み込みました。
ヨーロッパ連合では所定の公式プログラムが存在しませんが、国ごとの指針が適用されています。
オーストラリアでは、ヨーネ病の拡散および影響を軽減する目的で、国立ヨーネ病管理プログラム (NJDCP) を整えています。 これは、オーストラリア国内の畜産業、政府、および獣医専門家を含めた協同プログラムです。 オーストラリア動物衛生協議会が主要な利害関係者代わって、このプログラムの運営管理を行っています。
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新生児伝染性胃腸炎トップ
疫学
仔牛や若い反すう動物では、下痢が主な死因です。 新生児伝染性胃腸炎のこの型は、摂取した微生物が消化管に達することにより引き起こされます。 ウイルス (ロタウイルス、コロナウイルス)、細菌 (サルモネラ菌、腸管病原性大腸菌 K99)、および原虫 (Cryptosporidium parvum、coccidia) など、多くのさまざまな微生物により新生児の下痢が引き起こされます。
兆候
ウイルス感染は細菌の重複感染を引き起こすことが多く、その結果、病状が悪化し、予後が悪くなります。 下痢の最初の兆候として、食欲減退、腹部の退縮や緊張、嗜眠が挙げられます。 動物の場合は、下痢により脱水症が急激に現れ、次いで麻痺症状や循環障害を発症し、死に至ります。
診断に必要な臨床検査
症状のみで仔牛の下痢の病原体を特定することはできません。病原体の特定には臨床検査が必要となります。 新生仔下痢のもっとも有効な予防法は、出生後できるだけ早く十分な初乳を仔牛に与えるようにすることです。
規制要件が国ごとに異なるため、地域によってはお取り扱いできない製品があります。
ヒツジヘルペスウイルス 2 型 (壊疽性コリーザ)トップ
疫学
壊疽性コリーザは大型の反すう動物および豚の病気で、高熱を特徴とし、一般的に致死性です。 壊疽性コリーザは、(ヘルペスウイルス科の) ラジノウイルス属に属するウイルスで、特に 2 種類のガンマヘルペスウイルスの内の 1 種により引き起こされます。 Alcelaphine herpesvirus 1 (AIHV-1) の自然宿主はヌーで、感染は無症候性です。 この病気は、アフリカのさまざまな地域、また、動物園のさまざまな種類の反すう動物で確認されています。 ヒツジヘルペスウイルス 2 型 (OvHV-2) は、あらゆる種類の家畜羊に蔓延しており、無症候性感染を引き起こします。
兆候
この病気は世界中で発見されており、軽度の症状を伴う急性から、高熱、胃腸粘膜の浸食性潰瘍、角膜混濁を伴う角結膜炎、多量の眼漏および鼻汁を伴う典型的な型まで、臨床症状は非常にさまざまです。
規制要件が国ごとに異なるため、地域によってはお取り扱いできない製品があります。
リフトバレー熱 (RVF)トップ
概要
リフトバレー熱 (RVF) はブニヤウイルスに分類されており、アラビア半島、アフリカ、マダガスカルの反すう動物に感染する急性人畜共通感染症です。 流行期には、若い動物の流産率および死亡率が高く、ヒトの場合は、インフルエンザに似た症状が現れます。
RVF は、ウイルスに感染した動物の移動や、風で運ばれた多種の蚊により伝染します。 RVF の症例は一般に夏にピークに達し、初霜の時期に媒介昆虫が死滅し、病気が消えます。 温暖な地域では、病気および媒介生物が一年中存在する場合があります。
兆候
RVF の一般的な兆候として、嗜眠、発熱、食欲不振、腹痛、黄疸、下痢が挙げられます。 時として、流産のみが動物が示す感染兆候となることもあります。
ヒトの健康へのリスク
感染した動物の組織や中絶した胎児と接触したり、蚊に刺された場合、あるいは、感染した動物の処分中に発生した血液エアロゾルに接触することで、ヒトが RVF に感染する可能性があります。
ロタウイルストップ
概要
ウシロタウイルスはコロナウイルスと共にレオウイルス科に分類されており、仔牛の下痢の 50 % 以上はこのウイルスが原因です。 ロタウイルスは牛に多いウイルスですが、豚、鶏、羊、馬、およびウサギなども、この病気に感染しやすい動物です。
このウイルスは小腸を通じて体内に入り、絨毛を損傷することで、動物の体内へ物質を効率よく吸収させることを困難にします。 このような状況下では上皮細胞や体は水分を失い、その結果、著しい脱水を引き起こしたり、脱水症や衰弱が顕著な場合には死に至る可能性もあります。
感染していない動物が、感染動物の排泄物や汚染飼料に口腔接触したり、衛生状態の悪い環境に居ることで伝染するのが一般的です。 兆候や症状が現われている牛は 1 週間にわたりウイルスを排出しますが、牛の中には再感染して、生涯にわたりウイルスを排出し、無症候の状態を維持する場合もあります。
兆候
ロタウイルスの主な兆候は、粘液、血液、またはその両方を含んだ水状の黄色下痢便です。 さらに、感染動物は嗜眠になったり、飲食に興味を持たなくなる場合もあり、その結果、動物種や環境に応じて軽度から重度の脱水状態になります。
ヒトの健康へのリスク
ウシロタウイルス株およびヒトロタウイルス株は宿主特異的であり、他の種への伝染リスクは無いと考えられています。
経済的影響
幼い反すう動物の高い罹患率および死亡率、また、治療費用の発生、成長率の低下などにより、著しい経済的損失が生じる場合があります
シュマレンベルクウイルストップ
疫学
シュマレンベルクウイルスはブニヤウイルス科オルソブニヤウイルス属に属し、アカバネウイルス、アイノウイルス、およびシャモンダウイルスの近縁種です。 このウイルスは、2011 年 11 月にドイツで初めて同定されました。 牛および羊の宿主からの複数のサンプルで発見され、非定型的症状を示し、当時は既知の疾患の特徴は現れていませんでした。
兆候
このウイルスがもたらす、世界規模の動物衛生に影響する臨床症状は軽度で、高体温、食欲不振、乳汁産生の低下、場合によっては下痢などを発症します。 妊娠中のメスの反すう動物が感染すると、奇形児 (水頭症など) が生まれる場合があります。
診断
ウイルス検出は、中絶した胎児の脳を用いて実施することが望ましいですが、ウイルスは血液、血清、脾臓でも検出されます (FLI—ドイツ国立リファレンス検査機関)。
トキソプラズマ症トップ
概要
トキソプラズマ症は、住肉胞子虫科に属する寄生原生動物であるトキソプラズマ原虫 (Toxoplasma gondii) により引き起こされます。 トキソプラズマ感染症はヒトや、ブタ、羊、山羊などの多くの温血動物種に広く行き渡っています。 この病気は世界中で発生していますが、ヒトや動物における有病率は国によって大きく異なります。
組織嚢胞やタキゾイトを含む生肉や加熱が不十分な肉、オーシストで汚染された食品や水を消費することで感染します。 トキソプラズマに感染した食肉や食肉製品が、重要なヒト感染源と考えられています。
兆候
臨床徴候として、発熱、下痢、咳、呼吸困難、黄疸、発作、および死亡が挙げられます。 トキソプラズマ原虫は、羊や山羊の流産および死産の重要な原因で、豚の原因となる場合もあります。 妊娠中の雌羊が感染すると、タキゾイトが血流によって拡散して胎盤葉に達し、壊死を引き起こします。 また、タキゾイトは胎児にも及び、その結果、複数の臓器で壊死を引き起こします。
ヒトの健康へのリスク
ヒト感染の場合も、ほとんどが無症候性です。 臨床徴候は主に免疫抑制者に現れることが知られており、感染によって重度の神経疾患を発症する場合があります。 しかし、近年の研究により、免疫正常者が、以前に考えられていた以上に臨床的なトキソプラズマ症を発症する頻度が高いことが分かっています。 バイオハザードに関する小委員会は、欧州連合におけるトキソプラズマ症の検出数および報告数は実際の数よりも少ないと考えており (EFSA Journal 2007; 583: 1-64)、近年ではトキソプラズマ原虫およびベロ毒素産生性大腸菌 (VTEC) が、羊や山羊の食肉検査にもっとも関連性のあるバイオハザードと考えられています (The EFSA Journal 2013; 11(6): 3265).
フロリダ大学の新興病原体研究所は、出版物である「リスクのランク付け」で、食中毒の中でトキソプラズマ症を 2 番目の公衆衛生負担と位置づけています。 公衆衛生における最大負担となる 10 個の病原体と食品との組み合わせ」
経済的影響
ヒトへの感染リスクがあることから、トキソプラズマ症が発生すると、食肉生産業は深刻な影響を受けます。 動物の血清、血漿、肉汁においてトキソプラズマ抗体を検査することで、感染した豚、羊、および山羊の群れにおける監視および診断を簡単に行うことができます。
小型の反すう動物におけるトキソプラズマ症により、流産、死産が生じたり、虚弱な仔羊が生まれたりすることで動物の数を失うことになります。 検査結果に基づいた適切な措置を講じることで、動物集団の健康状態を大幅に改善することができます。
規制要件が国ごとに異なるため、地域によってはお取り扱いできない製品があります。
伝達性海綿状脳症トップ
概要
伝達性海綿状脳症 (TSE) は脳の感染症で、ウシ海綿状脳症 (牛)、スクレイピー (山羊および羊)、ならびに慢性消耗病 (鹿) など、さまざまな形態で動物種に感染します。 この病気は、化学物質および熱に耐性を有する変性プリオンタンパク質により引き起こされます。生物的に分解することが困難で、土壌に数年間も分解せずに存在することがあります。
この病気は世界中で報告されており、ヨーロッパではウシ海綿状脳症 (BSE) が頻発しており、北米では慢性消耗病 (CWD) がもっとも流行しています。 TSE は、徐々に中枢神経系に変性を来たし、最終的には動物は死に至ります。また、この病気に感染した時点から最初の症状が現れるまでに相当の時間を要することも珍しくありません。 例として、感染してから、牛では最長 6 年間も臨床症状が現れない場合があり、羊では最長 4 年間兆候が現れないことがあります。
牛のBSE 感染は、汚染された肉骨粉飼料の摂取により起こります。 牛と牛との間で伝染することは無いと思われますが、複数の証拠によると、感染した母牛から生まれた仔牛は、母子感染のリスクの可能性があることが示されています。 発症機序の詳細は不明ですが、経口暴露によって病原体が侵入した後、回腸のパイエル板の中でプリオンタンパク質が複製され、末梢神経を経由して中枢神経系に移動することが、複数の研究により分かっています。
兆候
TSE の臨床兆候は潜行性の場合が多く、神経過敏、攻撃性、うなだれ、運動失調、振戦、および接触過敏 (知覚過敏) などが現れます。 また、搾乳に抵抗を示したり、体重減少を起こしたり、乳汁生産も低下します。
ヒトの健康へのリスク
ヒトの場合、ウシ海綿状脳症に汚染された食品を消費することで、クロイツフェルトヤコブ病 (vCJD) として知られる TSE 形態を発症することがあります。 ヒトの食物連鎖からハイリスクな牛組織を除去するための新たな取り組みが始まっています。牛のタンパク質を含む製品 (化粧品、医薬品など) に関しては、原材料がBSE フリー地域からを調達されていることを保証するための、さまざまな手段が講じられています。
経済的影響
BSE やスクレイピーに関係している動物の処分、反すう動物 (牛、羊、山羊) 由来の特定危険部位 (SRM) の除去、感染地域の輸出制限による食肉産業全体に与える影響など、TSE により、著しい経済的損失を生じる可能性があります。
規制要件が国ごとに異なるため、地域によってはお取り扱いできない製品があります。
臨床研究用途にのみお使いください。
