材料科学用Iliad Ultra走査透過型電子顕微鏡

革新的なThermo Scientific Iliad Ultra (S)TEMは、ライブHT切り替え機能により、1回の顕微鏡セッションで異なる電圧のさまざま信号を得ることができるため、TEMに革命をもたらします。従来、エネルギー分散型X線分光法と電子エネルギー損失分光法のためにイメージングを最適化するには、異なる電圧が必要であるため個別のセッションが必要でした。

 

完全統合されたIliad Ultra (S)TEMは、最先端のIliad EELS分光光度計およびエネルギーフィルター、専用のZebraカメラ、Ultra-X検出器を備えており、最高レベルの立体角という点で際立っています。また、革新的な静電ビームブランカーであるNanoPulserと、TEMに革命をもたらすライブHT切り替え機能も搭載しています。Thermo Scientific Veloxソフトウェアでのシームレスなデータ取得と、Thermo Scientific AutoScriptソフトウェアによって可能になるカスタマイズされたワークフローにより、操作は簡素になり、幅広いアプリケーションが可能になります。


Iliad Ultra (S)TEMの利点

  • Iliad Ultra (S)TEMは、1回の顕微鏡セッションで30~300 kVの異なる電圧で動作できます。使用中の加速電圧から他の加速電圧へ変更するための所要時間は約5分です。
  • 4.45 sradの立体角(分析用二軸傾斜ホルダーでは4.04 sradの立体角)を有し、卓越したEDX性能を提供します。
  • 新しいIliad Ultra (S)TEMでは、加速電圧はプローブ電流と同様に調整可能なパラメーターとなっており、超大型Ultra-X EDXシステムでは、従来のEDX分析では対応できなかった、ビームの影響を受けやすい材料の化学分析が可能です。
  • liad Ultra (S)TEMの収差補正は、材料科学や半導体の分野において、さまざまな試料を最高レベルの分解能で分析することができる、業界をリードするレベルの解析機能を備えています。

Iliad Ultra (S)TEMの特長

Iliad Ultra (S)TEMのライブ高電圧切り替え

30 kV~300 kVの動作電圧範囲のライブHT切り替えは、実験条件を最適化するために不可欠です。これは、柔軟性、目的の実験設定による試料の感度制御、分解能の最適化、および実験の汎用性を提供し、可能な限りの最良のイメージング結果を実現し、さまざまな科学的手段を探索するのに役立ちます。

電圧選択の柔軟性

TEMは、あらゆる種類の材料を特性評価するために、幅広いエネルギーを使用して動作します。30 kV~300 kVの幅広い動作電圧で切り替えることができるため、特定の実験要件に最適な電圧選択できるを柔軟性を提供します。さまざまな試料やイメージング技術がさまざまな電圧設定から利点を得られるため、実験能力と汎用性が向上します。

試料の感度と損傷制御

電子顕微鏡法では、試料を高エネルギー電子ビームに曝露させます。TEMが動作する電圧は、電子のエネルギーと、電子と試料との相互作用に直接影響します。30 kVのような低電圧は、繊細な試料やノックオン損傷に敏感な試料によく使用され、過剰な電子エネルギーによる損傷を最小限に抑えます。一方、300 kVのような高電圧では、厚い試料への透過がより高く、より高密度の材料や深い層のイメージングが可能です。

解像度とコントラストの最適化

TEMの動作電圧の選択は、得られるデータの品質に大きな影響を与える可能性があります。低い電圧では、ビーム損傷を低減し、画像品質を向上させることによって、特にノックオン損傷の試料でコントラストが向上します。一方、高電圧では分解能が向上するため、微細構造の詳細なイメージングや高分解能解析が可能になります。

実験の多様性

異なる動作電圧で切り替えることで、TEMを使用した実験やアプリケーションの幅が広がります。特定の試料タイプ、イメージングモード、または分析手法に合わせて実験条件を調整できます。この汎用性により、材料科学からナノテクノロジーまで、幅広い科学研究が可能になります。


Iliad EELS光度計およびエネルギーフィルター

新しいIliad EELS分光計およびエネルギーフィルターは、高度な光学系および高い安定性と組み合わせることで、TEM光学系との独自の統合を実現し、EELSデータ収集を向上させます。

 

EELS実験では、最大数千eVの幅の幅広い電子エネルギーを、色が不鮮明になったり歪みを生じさせることなく、顕微鏡と分光計を介して、試料から検出器まで同時に移送させる必要があります。これを他のシステムで実現するには、オペレーターは顕微鏡と分光計の両方の設定を継続的に調整して、適切な実験条件を維持する必要があります。Iliad Ultra (S)TEMは顕微鏡光学系と分光計を緊密に統合しているため、色彩除焦点と分光計の焦点を一致させることにより、幅広い実験条件で正確な移送を確保します。

LaMnO3/LaFeO3界面の原子分解EELS元素マップ。

Tbは緑色で、Scは赤色で示されている、TbScO3の原子分解EELS元素マップ。


NanoPulser静電ビームブランカー

静電ビームブランカーは、電子線量を最適化するために電子顕微鏡で使用されます。これはビームを選択的にブロックまたは除外し、高周波で試料の上で効果的にオン/オフを切り替えます。TEMSは通常、磁気デフレクターを使用します。この応答時間はミリ秒しかなく、静電デフレクターほど再現性は高くありません。NanoPulserでは、試料に供給される電子線量を正確に時間的に制御できるため、線量効率の高いイメージングから時間分解実験まで幅広いアプリケーションに使用できます。

(左)従来のSTEM設定(ブランキングなし)と(右)の脈動ビームを使用した、試料の電子ビームスキャン。ビームブランカーがオンの時、ビームの50%はブランキングされ、フライバック信号は完全にブランキングされます。

Veloxソフトウェア

透過型電子顕微鏡用の最先端のThermo Scientific Veloxソフトウェアにより、実験を包括的にコントロールできます。このソフトウェアは走査透過型電子顕微鏡(STEMおよびTEM)の光学系および検出器へのアクセスを容易するため、再現性と収量を向上させ、STEMおよびTEMの定量的材料分析をサポートします。

 

Veloxソフトウェアは、統合された人間工学的ユーザーインターフェースと使いやすさにおいて傑出しており、イメージングや組成マッピングにおいて非常に高い高品質を提供します。統合されたSmartCamにより、効率的な実験のセットアップが可能です。さらに、インタラクティブな検出器レイアウトインターフェースを備えているため、複数検出器ツールで最適な実験制御と文書化が可能です。Veloxソフトウェアは、軽元素や重元素の高コントラスト原子イメージングをサポートし、動的研究において柔軟なSTEMおよびTEMの動画記録を可能にします。

VeloxソフトウェアによるEELSおよびEDX分析の向上

Veloxソフトウェアは、Thermo Scientific EDX検出器での電子エネルギー損失分光法とエネルギー分散型X線分光法用の独自のパッケージを装備しています。この堅牢なマッピングエンジンは透過型電子顕微鏡用に最適化された複数の技術を統合し、クラス最高レベルのスペクトル画像を高スループットで取得します。またこのソフトウェアは、画像取得中にライブフィードバックを提供したり、EELSおよびEDXデータの取得後処理を高速に行います。。

概して、Veloxソフトウェアは透過型電子顕微鏡法において優れた制御、品質、および汎用性を提供する強力なツールで、科学研究エコシステムの不可欠な一部になっています。

Iliad Ultra (S)TEM

Thermo Scientific Iliad Ultra (S)TEMがお客様の実験をどのようにサポートするかを詳しくご確認ください。

For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.