Search
Search
電子顕微鏡および分光法テクノロジーは、マイクロスケールから原子スケールまでの貴重な化学的および構造的情報を提供します。 電子顕微鏡を使用することにより、2Dおよび3Dのマルチスケール観察が可能になります。 さらに、電子線を用いた分析は電極表面や界面の化学的変化を調べる補完的な機能を備えています。 合理化されたワークフローと直感的で使いやすい上にさまざまな情報を一元的に処理することができる当社の専用ソフトウエアは、電池研究者やメーカーに正確な情報と重要な知見をもたらします。 これらの技術がどのような機能を備えており、どのような情報を提供できるか、詳しくご確認ください。
走査電子顕微鏡(SEM)は、マイクロスケールからナノスケールまでの高分解能2Dイメージング、元素分析、および定量的構造評価を提供します。 電池材料メーカーや電池メーカーの間で、材料研究開発、品質管理、不良解析の効果的な特性評価ツールとして広く使用されています。 得られた情報は、構造的特徴が電池の化学的特性、性能、および故障にどのように影響を与えるかを明らかにし、技術的進歩に不可欠な知識の確立に役立ちます。 SEMは幅広い用途に適用可能ですが、それゆえ科学者やエンジニアに、電気絶縁性でビームに敏感な分離材から電気伝導性で空気敏感な電極まで、本質的に異なる多様な材料の特性を評価する課題をもたらしています。 これらの課題に対処するワークフローとソフトウエアは、リチウムイオン電池業界においてSEMの価値を最大限に引き出すために不可欠です。
当社は、これらのニーズに直接対応するSEM技法を提供しています。材料研究開発(R&D)における高解像度画像解析、品質管理のための自動化された金属不純物粒子解析、または故障解析のための構造的・元素定量解析など、あらゆる目的に対応可能です。 当社のソフトウエアソリューションは、顕微鏡が提供できる情報を最大限に活用するため、高度な自動化と画像解析機能を提供します。
特長/用途:
SEMによる電池材料の高品質な観察と特性評価では、アーチファクトのない表面が必要とされますが、研削や機械的研磨などの従来の研磨技術では、実現が困難な場合があります。 Thermo Scientific™ CleanMill™ブロードイオンビームシステムは、リチウムイオン電池の特性評価でのSEM活用に適した完全なイオンビームミリングソリューションであり、ビームや空気に敏感な材料を含め、完全な表面が要求されるリチウムイオン電池材料(正極、負極など)の最適なイメージングと分析を可能にします。 この装置は、高品質な試料表面および断面を精密に調製しつつ、大気非開放観察を実現します。
in situ試料調製と高解像度イメージングによる微細構造特性評価は、電池技術の進展において鍵となる手法であり、電池成分のマルチスケール・多次元構造と電気化学性能との関連性を解明する上で不可欠な役割を果たしています。
走査型電子顕微鏡に集束イオンビームカラムを追加することで、試料をin situミリングして表面下の目的の特徴を露出させて観察することができます。 当社のThermo Scientific集束イオンビーム走査電子顕微鏡(FIB-SEM)は、2Dおよび3D画像解析機能を提供し、多次元的なリチウムイオン電池構造と性能の相関関係に関する理解を助けます。 さまざまなリチウムイオン電池アプリケーションに適した主要な機能を備えており、ミリメートルスケールからナノメートルスケールまでの特性評価が可能です。 FIB-SEMは、基礎的なリチウムイオン電池材料の研究だけでなく、リチウムイオン電池製造における品質管理(QC)および不良解析(FA)の両方を可能にするため、リチウムイオン電池分野でますます重要なツールであることが実証されています。
特長/用途:
透過電子顕微鏡(TEM)は、サブナノメートルスケールでの高分解能解析を提供し、原子レベルでの挙動の解明をサポートする情報を提供します。 TEMを使用することで、科学者やエンジニアは、原子配列や結晶構造などの材料構造をより深く解析し、構造と機能の関係に関する知見を得ることができます。これらの洞察は、他の手法では得られないものです。
電池応用において、TEM技術(高分解能画像化、電子回折、EDS、EELSなど)は、電池部品の形態、結晶構造、化学情報に関する貴重な知見を提供します。特に、電池研究でよく見られる低電子線耐性材料のナノスケール特性評価にも対応可能です。例えば、固体電解質界面(SEI)などが該当します。 SEIの組成と構造を解析することは、リチウムイオンが電極にどのように出入りするかを理解するために不可欠であり、リチウムイオン電池サイクルの過程で容量維持率がどのように低下するかに関する情報を提供します。 このような知見は、次世代リチウムイオン電池の開発や、経年劣化や故障のメカニズムの理解に不可欠です。当社のリチウムイオン電池産業向けTEMシステムには、対象材料専用にデザインされた試料ホルダーが組み込まれています。 また、大気やビームに敏感な電池材料を、電気化学状態のまま分析するためのワークフローも統合されています。
特長/用途:
X線光電子分光法(XPS)は、試料の最表面層の元素、電子状態、化学状態、および結合に関する定量的な情報を提供する表面分析技術です。 リチウムイオン電池業界において、界面反応、表面汚染などの表面現象の研究、特にSEI形成に関連するメカニズムの解明に特に有用です。 例えば、リチウムイオン電池の正極材と負極材を分析することで、充放電後の組成変化を確認し、電極成分の化学変化を理解し、固体電解質界面(SEI)層の厚さが発達するにつれてどのように変化するかを特定することができます。 XPSは、グラファイト電極材料の表面前処理研究に有用であることが実証されており、リチウムイオン電池充電中の材料の不可逆的消費を大幅に抑制します。
当社のXPS装置は、リチウムイオン電池研究に特化したさまざまな機能を具備しています。
リチウム金属や塩、固体電解質、サイクル電極など、ほとんどのリチウムイオン電池材料は空気や湿気に敏感です。 そのため、このような試料を自然な電気化学状態で分析し、正確で一般的な知見を得るには、最適化された試料作製手法が重要です。
Thermo Scientific IGST(不活性ガス試料移送)ワークフローはThermo Scientific CleanConnect試料移送システムなどの独自のツールを使用して不活性ガス内で搬送し、空気や湿気による変質を防止します。 CleanConnectシステムには、リチウムイオン電池アプリケーション用に設計された複数の機能があります。
リチウム金属は次世代電池にとってもっとも重要な負極材料の1つです。 しかし大気や水分による変質、低電子線耐性などなどにより、走査透過電子顕微鏡(S/TEM)を用いた微細構造評価が難しい材料です。 IGSTワークフローにより、リチウム金属試料の高分解能原子スケール分析が可能になります。 これにより、試料の変質を心配することなく、研究に集中できます。
For Research Use Only. Not for use in diagnostic procedures.