リアルタイムPCRを使ったSNPタイピングの原理 | 今こそ本気で徹底理解! リアルタイムPCR講座 第31回

今回は、いよいよリアルタイムPCRシステムを使ったSNPタイピングについてご紹介します。

まず、SNPの検出には、新たなSNPを同定する場合と、既知のSNPを検出する場合があります。前者ではDNAシーケンサで塩基配列情報を解析していく方法、データベースから検索する方法、またSSCPやRELPといった手法などを使って同定します。今回は、既知のSNPタイピングについてご紹介していきます。

既存のSNPを確認するためのSNPタイピングでは、リアルタイムPCRシステムを利用することで、簡便で短時間に行えるというメリットがあります。そのSNPタイピングの原理について、テクニカルサポート(TS)中の人の白神に聞いてみましょう。

まず、ゲノム上でSNPを含む領域を増幅できるPCR プライマーを1セットとゲノムDNAの一塩基変異に対応するTaqMan®プローブを2種類用意します。それぞれのTaqMan®プローブはAllele1とAllele2に相補的な配列を有しています。これらのプライマーとTaqMan®プローブ、ゲノムDNAを混合し、PCRを行なうことで、2種類のAlleleのSNPが検出できます(図)。リアルタイムPCRによる遺伝子発現定量では目的の遺伝子領域を増幅して発現量を比較しますが、SNPタイピングではゲノム上の各AlleleをTaqMan®プローブで識別してSNPを検出する事になるので、「A/Aのホモ」の場合はAというSNPを検出するTaqMan®プローブの蛍光のみが検出され、「A/Gのヘテロ」の場合はAとGの両方のSNPを検出する2種類のTaqMan®プローブの蛍光が検出されることになります(図参照)。


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リアルタイムPCRシステムを利用したSNPタイピングの原理についてはご理解いただけましたでしょうか?次回は、TaqMan®プローブを使ったSNPタイピングのメリットについてご紹介します。ご期待ください!

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