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細胞培養を行う前に知っておくべき無菌操作の基礎知識

Written by LATB Staff | Published: 10.04.2016

▼もくじ [非表示]

  • はじめに
  • 無菌作業領域の確保
  • 個人で行う衛生管理
  • 無菌試薬および無菌培地
  • 無菌操作での注意点
  • 【無料ダウンロード】Gibco細胞培養基礎ハンドブック

はじめに

細胞培養の成功は、細胞を細菌、真菌およびウイルスなどの微生物による汚染から守ることに大きく依存しています。滅菌されていない消耗品、培地および試薬、微生物が多数存在する浮遊粒子、不潔なインキュベーターおよび汚染された作業面などはすべて、生物学的汚染の源です。

無菌操作は、環境中の微生物と滅菌された細胞培養系との間に障壁を構築するための操作であり、これらの汚染源による汚染の可能性を減少させるための、一連の手順がその基盤となっています。無菌操作は、無菌作業領域、個人衛生、無菌培地および試薬、および無菌作業といった要素から成り立っています。

今回は細胞培養実験で知っておくべき無菌操作の基礎知識をご紹介します。

無菌作業領域の確保

浮遊粒子およびエアロゾル(例: 埃、胞子、皮膚片およびくしゃみ)による汚染を減少させるための、最も簡単で経済的な方法は、細胞培養フードの使用です。

  • 細胞培養フードは、出入り口、窓および他の装置からの通風が無く、外部との往来が無い、細胞培養実験専用の領域に正しく設置することが必要です。
  • 作業面はきちんと整頓し、特定の操作に必要な物のみが設置されているようにし、決して実験用資材の保存場所としては使用しないことが必要です。
  • 作業面は、使用の前後に完全に殺菌し、作業面の周辺および装置は定期的に清掃することが必要です。
  • 定期的な清掃方法としては、作業の前および途中、特に液体などをこぼした場合には、70%エタノールでの作業面の拭き取りを行います。
  • 細胞培養フードを使用していない時には、細胞培養フード内の空気および作業面を、紫外線を用いて殺菌することも可能です。
  • 細胞培養フード内では、ブンゼンバーナーの使用は推奨されません。また、使用する必要もありません。
  • 細胞培養フードは、(ファンまたはUVランプ運転のために)常に電源オンの状態にしておきます。長期にわたって使用しない場合に限り、電源をオフにします。

個人で行う衛生管理

細胞培養実験の前後には手を洗いましょう。個人防護具の装着は、実験従事者を危険物質から守るのみならず、実験従事者の皮膚片、ならびに衣服からの汚れおよび埃による汚染の可能性を減少させます。

無菌試薬および無菌培地

市販の試薬および培地は、厳しい品質管理によって、その無菌性が保証されていますが、実験での使用中に汚染される可能性があります。下記の無菌操作での注意点に従うことにより、市販試薬の汚染を防ぐことが可能です。実験室において調製された試薬、培地または溶液はすべて適切な滅菌方法(例: オートクレーブおよび滅菌フィルター)を用いて常に滅菌するようにしてください。

無菌操作での注意点

  • 手および作業面は、いつも70%エタノールで拭き取るようにしてください。
  • 容器、フラスコおよび培養皿は、細胞培養フード内に設置する前に、外面を70%エタノールで拭き取るようにしてください。
  • 培地および試薬は、ビンまたはフラスコから直接注ぎ込まないようにしてください。
  • 液体の取り扱いには、滅菌したガラス製または使い捨てのプラスチック製のピペット、およびピペッターを使用し、相互汚染を避けるため、各ピペットの使用は1回のみとしてください。滅菌ピペットは、使用直前まで、開封しないようにしてください。ピペットは、作業領域から持ち出さないようにしてください。
  • ビンおよびフラスコは、使用後必ず蓋をし、マルチウェルのプレートはテープでシールするかあるいはジッパーの付いた袋に挿入し、微生物および浮遊汚染物質の混入を防いでください。
  • 滅菌したフラスコ、ビン、シャーレなどは、使用直前までは、決してカバーを取らず、環境に曝露した状態で放置しないようにしてください。使用後は直ちにカバーを戻してください。
  • 外したキャップまたはカバーを、作業面に置かなければならない場合には、キャップの開いた面を下にして置いてください。
  • ガラス器具およびその他の装置は滅菌したものだけを使用してください。
  • 無菌操作を行う際には、会話をしたり、歌を歌ったりまたは口笛を吹いたりしないように注意してください。
  • 汚染を最小限に抑えるため、実験はできる限り速やかに行うようにしてください。

【無料ダウンロード】Gibco細胞培養基礎ハンドブック

細胞培養に関する基礎情報を解説したハンドブックをご用意しています(日本語版、約100ページ)。PDFファイルのダウンロードをご希望の方は、下記ボタンよりお申し込みください。

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