細胞培養を行う前に知っておくべき無菌操作の基礎知識

▼もくじ

はじめに

細胞培養の成功は、細胞を細菌、真菌およびウイルスなどの微生物による汚染から守ることに大きく依存しています。滅菌されていない消耗品、培地および試薬、微生物が多数存在する浮遊粒子、不潔なインキュベーターおよび汚染された作業面などはすべて、生物学的汚染の源です。

無菌操作は、環境中の微生物と滅菌された細胞培養系との間に障壁を構築するための操作であり、これらの汚染源による汚染の可能性を減少させるための、一連の手順がその基盤となっています。無菌操作は、無菌作業領域、個人衛生、無菌培地および試薬、および無菌作業といった要素から成り立っています

今回は細胞培養実験で知っておくべき無菌操作の基礎知識をご紹介します。

無菌作業領域の確保

浮遊粒子およびエアロゾル(例: 埃、胞子、皮膚片およびくしゃみ)による汚染を減少させるための、最も簡単で経済的な方法は、細胞培養フードの使用です。

個人で行う衛生管理

細胞培養実験の前後には手を洗いましょう。個人防護具の装着は、実験従事者を危険物質から守るのみならず、実験従事者の皮膚片、ならびに衣服からの汚れおよび埃による汚染の可能性を減少させます

無菌試薬および無菌培地

市販の試薬および培地は、厳しい品質管理によって、その無菌性が保証されていますが、実験での使用中に汚染される可能性があります。下記の無菌操作での注意点に従うことにより、市販試薬の汚染を防ぐことが可能です。実験室において調製された試薬、培地または溶液はすべて適切な滅菌方法(例: オートクレーブおよび滅菌フィルター)を用いて常に滅菌するようにしてください

無菌操作での注意点

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