シンプルで簡単!デジタルPCRシステムAbsoluteQのワークフロー

デジタルPCRは検量線不要で絶対定量ができる装置です。手軽に絶対定量できることから普及が進んでおり、ウイルスの定量やレアバリアントの検出など幅広いアプリケーションに使用されています。その一方でデジタルPCRについて「面倒」、「難しい」という印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。当社のデジタルPCRシステムApplied Biosystems™ QuantStudio™ Absolute Q™デジタルPCRシステムはシンプルで簡単なワークフローにより、どなたでも手軽に使っていただけるシステムになっています。この記事では実際にどのようなワークフローで測定が進むのかを詳しくご説明します。

▼こんな方におすすめです!
・デジタルPCRに興味がある方
・デジタルPCRの操作について知りたい方

全体ワークフロー

Absolute QデジタルPCRシステムのワークフローは反応液の調製、プレートへのアプライ、装置でのラン、結果解析の4ステップに分けられます。実際に手を動かす必要があるのは反応液の調製とプレートへのアプライの2つのステップのみです。解析装置も1台のみとシンプルなワークフローとなっております。

図1. ワークフローのイメージ図

図1. ワークフローのイメージ図

ステップ1:反応液の調製

1つの目のステップである反応液の調整についてご紹介します。反応液の調製方法はリアルタイムPCRに似ています。酵素やdNTPsが含まれたMaster Mix(Applied Biosystems™ Absolute Q™ DNA Digital PCR Master Mix (5X))と検出したいTargetごとに用意したTaqMan™ Assay、サンプル(cDNAやgDNA)に容量合わせとしてNuclease Free Waterを添加します。これらを混ぜ合わせれば反応液が完成します。測定するサンプル数にもよりますが10分から1時間程度で調製できます。

図2. 反応液の組成

図2. 反応液の組成

ステップ2:プレートへのアプライ

反応液が調製できたら反応液をプレートへアプライします。プレートはApplied Biosystems™ QuantStudio™ Absolute Q™ MAP16 Plate Kitに含まれるMAP16プレートを使用します。Absolute Qのプレートは1プレートで最大で16反応(アレイ)測定でき、4アレイ単位で測定可能です。サンプル数が少ない際にもプレートを無駄にすることなく測定できます。各アレイには反応液を添加するためのウェルが存在しています。反応液を9 µLずつアプライし、さらにIsolation Bufferを15 µLアプライします。

図3. MAP16プレートへのアプライ

図3. MAP16プレートへのアプライ


アプライが終わればGasket capsと呼ばれるゴム製のキャップをつけます。これでプレートの準備が完了です。作業時間は5分から10分程度です。

図4. Gasket capsの取り付け

図4. Gasket capsの取り付け

ステップ3・4:装置でのラン・データ解析

Absolute QデジタルPCRシステムはローディング、PCR反応、データ取得の3つのステップを1台で実施できます。つまり、装置間でプレートを移動させる必要がないため、迅速に結果を得ることができます。16アレイを2色で測定した場合の反応時間は約90分です。
装置で最初に行われる「ローディング」は20,480のマイクロチャンバーに反応液を分配するステップです。図5にあるように、プレート上には微小なマイクロチャンバーが並んでおり反応液が分配されます。

図5. MAP16プレートの拡大図

図5. MAP16プレートの拡大図

「PCR反応」は事前に設定したPCRプログラムに基づいて行われます。PCR反応の標準プロトコルは96 ℃と60 ℃の2ステップのプログラムです。PCRのプログラムは自由に変更ができますので、逆転写反応を含めてRNAから測定する系も実施できます。

図6. PCRプログラムの一例

図6. PCRプログラムの一例


「データ取得」では選択した蛍光色素のデータを回収します。Quality Check用のROX™の他に最大で4色の蛍光色素のデータを取得できます。反応液1 µLあたりのコピー数がソフトウェアで自動計算されますので結果確認も容易です。
図7の例ではFAM™, VIC™, ABY, CY™5のプローブを使用し、1アレイで4つのターゲットを測定しています。

図7. 解析結果の図

図7. 解析結果の図
※画像をクリックすると拡大表示できます

まとめ

実際のワークフローをご覧になっていかがでしょうか、想像していたよりもシンプルで簡単と思われた方も多いのでしょうか。Absolute QデジタルPCRシステムは1台でワークフローがすべて完結するため、単純で作業時間も少ない装置です。そのため初めてデジタルPCRを実施される方にお勧めの装置です。実際に多くのユーザーの方から「リアルタイムPCRと同じ感覚で使用できる」とのお声をいただいています。
バーチャルデモで装置やソフトウェアの操作を疑似体験していただけますので、ぜひお試しください。

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TaqMan is a treade mark of Roche Molecular Systems, Inc.

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