水質・廃水処理の現場では、アンモニア濃度の管理は処理プロセスを正常に保ち、法規制に適合するために欠かせません。しかしアンモニアは揮散しやすく、金属イオンの影響も受けやすいため、「測定値が安定しない」「低濃度がうまく測定できないといった悩みがよく発生します。
こうした課題を解決してくれるのが、Thermo Scientific™ Orion™ Pro Star pH/ISEメーターとアンモニアISE電極の組み合わせです。本記事では、再現性高くアンモニア測定が行えるポイントをわかりやすく解説します。
▼こんな方におすすめです!
・アンモニア測定を初めて扱う方
・水処理・廃水処理で日常測定の標準化を進めたい担当者
・低濃度のアンモニアを安定して測りたい技術者
・測定値が毎回ばらついて困っている方
▼もくじ
Orion Pro Star pH/ISEメーター × イオン選択電極(ISE)が選ばれる理由
Orion Pro Star pH/ISEメーターはISE測定に必要な機能をシンプルにまとめた扱いやすい製品です。アンモニアISEとの組み合わせにより、ppm単位で直接測定ができ、温度補正やログ機能も標準搭載しており、誰が測定しても同じ品質の結果が得られます。
必要機材とおすすめセットアップ
・Orion Pro Star pH/ISEメーター(カタログNo. PSTAR2140)
・アンモニア電極ISE(カタログNo. 9512BNWP/9512HPBNWP)
・温度プローブ(ATC)
・撹拌機またはスターラープローブ
・アンモニア電極イオン強度調整剤(ISA)
・アンモニア標準液
・保存液、充填液、ビーカー、純水など
イオン強度調整剤(ISA)の使い分け
アンモニア測定の精度はイオン強度調整剤(ISA)選びで大きく変わります。
・イオン強度調整剤(ISA):廃水中の金属干渉を除去するために有用
・低濃度イオン強度調整剤(ISA):1 ppm以下の低濃度測定向け
電極準備で測定の安定性が決まる
アンモニアISEは、準備の良し悪しで測定結果に差が出ます。
・新品電極は充填液に2時間以上(推奨:一晩)浸漬
・膜は中央に触れず、しわ・気泡ゼロで装着
・使用前に保存液で15分以上コンディショニング
たったこれだけで、測定の安定性が大きく変わります。
校正標準液の作り方(10 ppm → 0.1 ppm)
アンモニアは揮散しやすいため、作り方が重要です。
- 100 ppm → 10 ppm
- 10 ppm → 1 ppm
- 1 ppm → 0.1 ppm
- 校正直前にISAを添加(ここが最大のポイント)
ISAを早く入れすぎるとアンモニアが飛んでしまい、濃度がずれます。
Orion Pro Star pH/ISEメーターのおすすめ設定
・測定モード:ISE
・単位:ppm/mg/L
・電極ID:NH3
・温度補正:ATC
・Autoblank:オン
・Read Type:On-Ready(安定時に自動測定)
・Stirrer Speed:1(層流保持)
この設定だけで、測定の安定性が大きく向上します。
校正の流れとチェックポイント
校正は0.1 ppm → 1 ppm → 10 ppmの順で行います。
・その都度リンス → ブロット
・入力濃度は手入力で明確に
・傾きが-54~-65 mV/decadeなら合格
範囲外の場合は、電極のコンディショニングや膜気泡を再確認します。
測定時のベストプラクティス
安定したデータを得るために大切なポイントは以下です。
- サンプルにISAを測定直前に添加
- 軽く攪拌し、層流を維持
- 電極・ATCをリンス → ブロットしてサンプルへ
- 安定表示を待つ(On-Readyがおすすめ)
測定間の保管は、短時間なら0.1 ppm標準液、一晩なら保存液が適しています。
よくあるトラブルと対策
|
トラブル 24695_f48e8f-6d> |
原因 24695_c9095b-d9> |
対策 24695_973629-f1> |
|
値が安定しない 24695_6bcd4a-f6> |
気泡・膜しわ・攪拌過多 24695_a03966-57> |
膜の再装着、Speed 1へ調整 24695_43acc4-43> |
|
低濃度で読めない 24695_eb4e5b-17> |
ISA不適合、電極準備不足 24695_e11efe-6e> |
低レベルISA、再コンディショニング 24695_f5fa44-e4> |
|
変な値が出る 24695_c1fc1c-ad> |
金属干渉 24695_ceeca1-29> |
通常ISAを使用 24695_197eb1-4f> |
|
記録ミス 24695_5ab22a-9c> |
手書き誤記入 24695_5db641-90> |
Orion Pro Star pH/ISEメーターのログ機能を活用 24695_537a55-1c> |
まとめ
アンモニア測定は一見難しそうに見えますが、
・ISAの適切な選定
・電極の正しい準備
・Orion Pro Star pH/ISEメーターの基本設定
・校正と測定の手順を統一
この4つを押さえるだけで、非常に安定した結果が得られます。
装置選定や仕様のご相談、資料請求などはお気軽にお問い合わせください。
装置選定や仕様のご相談、資料請求などはお気軽にお問い合わせください。
研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。



