この記事では、当社のリキッドバイオプシーキットを使用したがん研究の例をご紹介します。
▼こんな方におすすめです!
・リキッドバイオプシーに興味がある
・がん研究にリキッドバイオプシーを使用したい
・どのような手法や製品を用いれば良いのか知りたい
リキッドバイオプシーとは?

リキッドバイオプシーは、血液などの体液中に含まれるセルフリーDNA/RNA(cfDNA/cfRNA)から腫瘍由来の遺伝子変異を解析する手法として、がん研究分野で注目を浴びています。従来の腫瘍組織の一部を採取して行う検査(バイオプシー)と比べ、リキッドバイオプシーは患者さんへの負担が少なく、がんの早期発見や再発モニタリングへの応用が期待されています。その有用性から、現在次世代シーケンサ(NGS)を使用したリキッドバイオプシーの研究が増えてきています。
MDアンダーソンがんセンターの例
2018年11月に開催された分子病理学会(Association for Molecular Pathology, AMP)で、MDアンダーソンがんセンターのアンソニー・ルッチ氏は 肺がん、乳がん、大腸がんの患者に対してIon Torrent™ Oncomine™ cell-free DNA (cfDNA) ワークフローをどのように活用したのかを発表しました。Ion Torrent™ Oncomine™ Pan-Cancer Cell-Free Assay は、ホットスポット変異や、融合遺伝子、METエクソンスキッピング、コピー数変異(CNV)、がん抑制遺伝子の変異を52の遺伝子から同時に検出することが可能です。このような幅広い検出能力をもつため、MDアンダーソンの患者らはこのアッセイを使用したモニタリング試験に同意しています。この研究は、将来の標的治療と突然変異の理解に大きな影響を与える可能性があります。
リキッドバイオプシーアッセイを最適化することで、がん治療と患者ケアを改善できるいくつかのポイントがあります。ルッチ氏の研究は、リキッドバイオプシーアッセイによって患者ケア・治療成果・費用対効果を改善する、将来性をもった強固な基盤となります。研究と臨床診療におけるリキッドバイオプシーアッセイの利用により、ルッチ氏は以下を実証することができました。
・早期発見:初期のがん患者(ステージI~III)から抽出された適切なcfDNAは、生存率の向上とより多くの治療選択の可能性を広げる
・適切な手法:Oncomine cfDNA Assayなどの標準化されたリキッドバイオプシーキットを使用すると標準化された結果が得られ、これは研究において重要となる
・費用対効果:従来のイメージング(CTおよびPETスキャン)と比べて、cfDNAリキッドバイオプシーを使用する方が費用対効果が高く、患者の身体への負担も少なくなる
・モニタリング:cfDNAは患者を継時的にモニタリングするためにも使用でき、これにより治療への反応をよりタイムリーで費用対効果の高い方法で監視することができる
ルッチ氏は以上のようなリキッドバイオプシーによるさまざまな効果に期待を持っています。下記の表はルッチ氏の研究過程から予測、算出された結果をまとめたものです。


まとめ
がん患者に対してリキッドバイオプシーを使用することには、多くの潜在的な利点があります。
このルッチ氏の研究で説明されているように、がん治療におけるプレシジョン医療がリキッドバイオプシーによって実現できるかもしれません。患者の観点から見ると、「痛みが少なく、侵襲性が低く、費用がかからず、早期診断および継続的かつタイムリーなモニタリングが可能である」利点は大きく、これらはすべて治療選択および結果の改善につながります。
リキッドバイオプシーによる治療選択の改善はまだ始まったばかりですが、そこから得られる成果は将来的にがん治療全体に大きな影響を与える可能性があります。
参考情報
・リキッドバイオプシー臨床研究のための Oncomine Cell-Free Assay
次世代シーケンサ(NGS)入門
次世代シーケンスの原理や何ができるかがよくわからない、または自分の研究領域にどのように活用できるかわからないという方向けに、次世代シーケンスの基本や各研究領域に特化したアプリケーションをまとめました。リンク先から、それぞれの領域に応じたページをご覧いただけます。
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