比較Ct法の実践編も、いよいよ最終回。今回は、比較Ct法をつかいこなすためのプライマー設計など、重要なポイントを整理していきます。
PCR効率の等しいプライマーが必須となる比較Ct法。つまり比較Ct法では、プライマー設計が重要なポイントとなることがわかります。そこでご紹介したいのが、弊社の製品群です。Primer Express® ソフトウェア、TaqMan® Gene Expression Assaysなどの遺伝子発現解析試薬類は、良好なPCR増幅効率が得られるプライマー設計を目的に、厳密にデザインされています。またRQ(Relative Quantification)は、実験データを他の計算用ソフトウェアにエクスポートすることなく比較Ct法が実行できるソフトウェアです。1枚のプレート内のサンプルデータだけでなく、同一の条件で測定した異なるプレート間のデータも解析できます(図)。
図は、肝臓(赤)、膀胱(緑)、腎臓(青)をサンプルとして、10種類の遺伝子の発現を比較Ct法で相対定量した結果を示しています。グラフの横軸は各遺伝子の相対的発現量で、肝臓をキャリブレーターとしてLog表示しています。例えば、RARG遺伝子は肝臓に対して膀胱では101.32 =20.1倍、腎臓では10-0.71 =0.19倍発現していることがわかります。結果の詳細は左のカラムにまとめて表示されます。詳しくは参考資料をご参考ください(参考資料2)。
とても便利な比較Ct法ですが、あくまでも最も正確な定量方法は検量線法であることを忘れないでください。みなさまには実験データに何を求めるかによって「比較Ct法」「検量線法」の2つの方法を効率良く使い分け、正しい研究結果を導いていただきたいと思います。論文執筆の際は、Monneyら(参考資料2)、Mullenら(参考資料3)による比較定量法についての考察を、ぜひご参照ください。
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