ヒトの疾患研究は分化したヒト培養細胞での分析が重要な位置付けにあります。しかし、それらの細胞が換わっていたり、あるいは別の細胞で汚染されていたりする可能性が問題視されています。
そこで今回は、STR(ショートタンデムリピート)タイピングキットを使用した細胞株認証(Cell Line Authentication:CLA)について、ご紹介いたします。
▼こんな方におすすめです!
・ヒト細胞株を使った疾患研究者の方
・複数のヒト細胞株を管理・研究されている方
・独自のヒト細胞株を構築されている方
細胞認証(Cell Line Authentication:CLA)とは
細胞認証とは、ヒト由来細胞の取り違えなどが無いことを証明することです。その検証方法としてSTR(ショートタンデムリピート)プロファイリングが広く用いられています。この検証方法ではヒト個人識別の分野でも有用とされているSTRマーカーを用います。既存細胞株のSTRプロファイルと比較することで、研究中の細胞株の同一性を検証できます。
細胞誤認による影響
細胞の誤認は多くのアプリケーションで大きな影響を与える可能性があります。たとえば、誤った細胞から生成されたデータからは誤った結論が導かれる可能性があります。また研究資金および時間の無駄が発生する可能性があります。さらに異なる研究機関間で一致しない結果になる可能性が高くなります。
STRプロファイリングの特徴
STRプロファイリングはPCR技術とGenetic Analyzerシステム(フラグメント解析システム)を用います。PCR技術を用いるため少量の精製ゲノムDNAから一度の増幅と電気泳動で認証できます。
STRタイピングキットには標準となる対立遺伝子産物(Allelic Ladder)が含まれており、より精度の高いプロファイリングを実現しています。STRタイピングキットに採用されている遺伝子座は非常に多型性に富んでおり、他の無関係な細胞株で汚染を異なるプロファイルとして観察することが可能です。
まとめ
・STRプロファイリングを用いたヒト細胞株の認証を研究室でも実施できます。
・クラウドサービスを利用したSTRプロファイリングが可能です。
・研究室で検証でき、短時間で認証を行えます。
解析でお困りの方は、GeneMapper設定サービスをご検討ください。
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