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住吉崇幸 氏 (京都大学大学院医学研究科泌尿器科学分野)
「CRPCとは、アンドロゲン除去治療による去勢状態により、血清中のテストステロン濃度が低いにもかかわらず病勢が増悪しているケースを指します。CPRCで十分な治療効果を確保するために欠かせないのが、詳細な病原因子の解析」と住吉氏。さらにAR遺伝子の変異を解析する臨床上の意義について次の様に続けます。「CRPCの治療方針はAR系をターゲットにした薬剤を使うか抗がん剤を使うかの大別して2通りです。AR遺伝子に増幅や変異が起きていれば、ARシグナル系をブロックするより抗がん剤を優先するなどと判断材料になります」。実際にCRPC患者のおよそ3-4割にAR遺伝子のコピー数増幅、2割に変異が生じていると想定されます。「しかし侵襲性の高いバイオプシーは日常診療では行わないので、血液中のcfDNAからデジタルPCR法で高感度に病原変異を検出できれば非常に有用です」。
CNV解析で難しいのが、カットオフ値の設定。今回はどのように設定されたのでしょうか。「解析領域はARリガンド結合部位のイントロンにしました。AR遺伝子はX染色体上にあるので、対照のRNaseP遺伝子の存在量を1とすればARは0.5のはず。そこで健常男性の値にプラス2SDとなる0.8をカットオフ値に設定。その結果、約80例のCRPC患者の3割強にコピー数増幅がみられることを確認できました」と住吉氏は今回の結果を説明します。また、解析前には弊社のテクニカルサポートにも相談したそうです。「TaqManアッセイの設計やデータ解析は慣れないと不安なことも多いのですが、きめ細かいサポートのおかげでスムーズできました。新しい技術なので、このような支援はとても助かりました」と住吉氏。
「今後はコピー数変異よりもさらに低頻度のAR遺伝子変異の解析も進める予定です。cfDNAはインプット量が極微量なので変異検出はリアルタイムPCRシステムではほぼ不可能であり、次世代シーケンスやデジタルPCRで行っていきます。また末梢血循環腫瘍細胞(CTC)を用いた研究にも取り組みたい」と話します。CTC由来のcDNAやcfDNAのような極微量の遺伝子情報をデジタルPCRシステムで高感度に解析する、次世代の基礎研究が進んでいます。
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