動物の血統について、その記録を検証し、良い血統を確立しまた維持することは、長い歴史において伝統的に行われており、その手法は長い時間をかけて劇的に変化しました。Weatherbys Scientificにとって、これは、最先端のGBS(シーケンスによるジェノタイピング)技術を、由緒ある競走馬の分野に導入することを意味します。
血統検証の技術の進化
Weatherbys Scientificは、英国およびアイルランドで最初の競争馬の血統の台帳を作成し、過去2世紀半にわたって維持してきました。これにより、優良な馬の育種を指導でき、馬主が自分のもつ馬の血統の価値を知ることを可能とします。研究開発の責任者であるフリン氏が説明するように、Weatherbysの役割は「その時代その時代における技術を使用して血統検証の整合性を確保すること」であり、同社は常に最新の技術による血統検証ができるよう、最先端のジェノタイピング技術を導入してきました。
過去の技術には、血液型検査、マイクロサテライトマーカー、または短いタンデムリピート(STR)解析などがありました。現在、競争馬の血統検証は次のフロンティアとして一塩基多型(SNP)マーカーへの移行が進んでいます。
なぜSNPなのか?
Weatherbys Scientificは、サーモフィッシャーサイエンティフィックと共同でパイロット試験を実施し、ターゲットを絞ったシーケンスによる遺伝子型決定(GBS)の手法を使用して562頭の馬のSNPを検証しました。彼らは結果をすでに確立された手法であるSTRを用いた手法の結果と比較しました。
フリン氏は「これらの514のSNPマーカーは、プラットフォーム全体のコールレートとジェノタイピングパフォーマンスの点で非常に優れて」おり、STRの読み取りよりも正確で情報が多いと報告しています。つまり、STRを用いる手法に比べ、SNPパネルは一度に数万のターゲットを測定可能であることから、解析に使用するマーカーがSTRに比べ数桁多くなり、高い解像度を提供することから、意思決定力に貢献できるということを示しています。
AgriSeq:次のステップ
血統証明書の信頼性を維持することは、常に最新のテクノロジーを必要とする継続的なプロセスであり、Applied Biosystems™ AgriSeq™ Targeted Genotyping-by-SequencingパネルなどのSNPパネルは、今後標準となっていくことが想定される、業界にとってますます明白な次のステップです。血統検証のマーケットは成長を続けており、AgriSeqウマGBSパネルは、その柔軟性とニーズに応じて拡張可能という特性のために、STRからSNPへの「業界が今まさに着手しようとしている移行を本当の意味で促進する」とフリン氏は述べています。低密度GBSパネルをはじめとしたAgriSeqパネルおよび同様のツールは「競争馬産業をゲノミクス革命に導く」でしょう。
SNPパネルはまた、研究室にとっても新しい遺伝子変異を発見し、研究し、追跡するのに適しており、これにより、血統分析、生物医学研究などを促進できます。未知の変異が持つ可能性は、この分野の新しい研究室が特に期待し、活用方法を知りたいと思っているものです。
サーモフィッシャーサイエンティフィックとの協力
フリン氏は、当社との協力で感じた彼の経験を簡単に「それは良好な経験でした」と述べています。サーモフィッシャーサイエンティフィックチームは、パネルの構築から、ウェットラボ作業、データ分析に至るまで、AgriSeqウマGBSパネルがWeatherbys Scientificのニーズを可能な限り満たすように、バイオインフォマティクスを通じて丁寧にサポートしました。
AgriSeq遺伝子パネルおよびその他のコンパニオンアニマル研究製品の詳細については、こちらを参照してください。AgriSeq製品に関するお問い合わせは、こちらをクリックしてください。サーモフィッシャーサイエンティフィックのアグリゲノミクスパンフレットについては、ここをクリックしてください。
研究目的でのみ利用可能です。診断には利用できません。