次世代シーケンシング(NGS)などの高度な技術の出現により、領域を絞った、シーケンスによる変異解析genotyping-by-sequencing(GBS)を農業分野における育種と選択に利用することが一般的になりました。最先端のアグリゲノミクスでは、現代の科学的な知見とNGS技術を活用して、犬、猫、およびその他のペットの繁殖技術を改良しています。
AgriSeqによるターゲットGBS
動物の血統の確認は、血液型検査から短いタンデムリピート(STR)のジェノタイピングに進化し、さらに一塩基多型(SNP)を検出するターゲットGBSに移行しています。 Applied Biosystems™ AgriSeq™ ジェノタイピングは、ハイスループット、低コストのシーケンスプラットフォームであり、あらかじめ設計されているゲノムパネル製品、もしくは研究者やブリーダーの要望に合わせて設計されたカスタムパネルで構成されます。
お客様のパネル設計をAgriSeqバイオインフォマティクスチームがサポートし、作成したカスタムパネルが既成パネルと同等に機能し、使用可能であることを検証します。
その際、さまざまな生物種に関するゲノミクス情報のデータベースを使用して、マーカーを取捨選択可能です。
ブリーダーや研究者のためのイヌ・ネコパネル
イヌとネコの繁殖では、遺伝学の高度な技術と情報を主に2つの目的で使用します。血統の確認と遺伝的健康のチェックです。
Thermo Fisher Scientificの研究スタッフのアンジェラは、動物ゲノミクスの顧客向けにターゲットGBSソリューションを開発しています。
彼女は最近、1つのネコ、2つのイヌのAgriSeqパネルの開発に力を入れており、そのマーカーの設計は上記の2つの目的を念頭においています。
AgriSeqパネルは、ブリーダーと研究者に高品質のハイスループットシーケンスデータを提供するように設計されており、犬と猫のブリーダーが遺伝病をスクリーニングし、その健康と品質を保持するのに役立ちます。
特に純血種では遺伝的多様性が限られているため、さまざまな既知の遺伝的健康リスクが高く、そのようなリスクのマーカーをスクリーニングできるので、将来の健康問題の発生を防ぐことができます。また犬や猫の大量繁殖を防ぎ、より健康にすることで、飼われているペットの生活をより長く、幸せなものにします。
高品質なマーカーの設計
AgriSeqパネルを開発するために、アンジェラと他の科学者は、関連する分野のリーダーの助言を受け、無数の可能性の中からマーカーを精査して選んでいます。
次に、バイオインフォマティクスチームがこれらのマーカーの遺伝子型を決定するためのオリゴプライマーを設計し、でき上がったパネルを評価して、すべてのマーカーがさまざまなサンプルにわたって安定して正確に機能することを確認します。
マーカーのコールレートおよびコントロールとの一致率は、現在のAgriSeqパネルでは98.7%を超えています。
まとめ
犬や猫などの伴侶動物(コンパニオンアニマル)分野では、AgriSeqパネルはSNPおよび挿入欠失変異(indel)を検出でき、ブリーダーに多くの条件と血統確認マーカーを提供します。
これは、今までの小さなマーカーのセットのみに依存していた古いアッセイに比べ、より多くの情報をもたらすことを意味します。したがって、AgriSeqは、世界中の犬や猫を改良するために、最先端のゲノミクスツールをコンパニオンアニマル業界にもたらします。
日本国内でもイヌおよびネコのカスタムAgriSeqパネルの実施事例があります。
AgriSeqジェノタイピングソリューションが研究にどのように役立つかについての詳細は、テクニカルサポートにお問合せください。
実験デザインのコンサルティングやカスタムプラグインの開発も対応可能です。
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