もう悩まない!フローサイトメーターの詰まりを防ぐ仕組み

フローセルの詰まりは、フローサイトメトリーにおいて長年の問題でした。フローセルと流路の寸法が小さいと、特に大きな細胞や「粘着性のある」細胞を使用する場合に詰まりが発生しやすくなります。さらに、歴史的にフローサイトメーターは、この問題が起きやすい着圧方式が多く採用されていました。

そこで今回は、シリンジポンプ方式を採用したInvitrogen™ Attune™ NxT Flow Cytometerの詰まり防止の仕組みについて、ご紹介いたします。

▼こんな方におすすめです!
・フローサイトメーターの詰まりの問題を解消したい方

・大きな細胞を使ってフローサイトメーターで解析したい方

・臓器由来の粘着性サンプル、がん組織由来細胞などを瞬時に解析したい方

着圧方式フローサイトメーターの問題点

着圧方式のシステムでは、流体に圧力を加えることにより、粒子がシステム内へ輸送されます。これは、流体を小さなチャネルに直接的に移動させる方法です。フローセルを通る流体と粒子が変動することなく、スムーズに移動することを保証するために、システムは圧力レギュレーターを採用しています。しかし、詰まりが発生した場合、このシステムではすぐに解消することができません。
図1Aおよび1Bは、着圧方式の流体システムで詰まりが発生したときに何が起こるかを示しています。システムが正常に動作している場合(図1A)、流体は指定された圧力(この例では7 psi )でシステムに押し出されます。しかし、図1Bに示すように、詰まりが発生してもなお、レギュレーターはシステムを7 psiに保ちます。そのためフローセル中に詰まりが生じると、ほとんどの場合、追加の圧力が加えられることはなく、フローは停止します。

シリンジポンプ方式の採用により詰まり問題を解消

対照的に、シリンジポンプ方式のシステムでは、圧力は一定に保たれません。この方式のシステムは、一定の容積流量の原理によって動作します。つまり、圧力に関係なく、流体が一定の容積送達速度で流れるように設計されています。潜在的な詰まりに直面したシステムの例を、図1(C)および(D)に示しています。ご覧のように、すべてが正常な場合、システムは着圧方式のシステムと同じように圧力で動作します。ただし、いったん詰まりが発生すると、システムは圧力を上げて、一定容積の吐出量を維持します。詰まりが押し出されるまで圧力がかかり続けます。

Attune NxT Flow Cytometerの流体システムは、シリンジポンプ方式に基づいています。詰まりを確実に取り除くために、システムには圧力の監視センサーが装備されています。潜在的な詰まりが発生した場合、システムをシャットダウンする前に、圧力を最大60 psiまで上昇させて解消します。またAttune NxT Flow Cytometerでは、フローセルをきれいに保つために、サンプル間でリンスサイクルを自動的に実行します。シース液をより多く流すことで、フローセル内の残留サンプルが除去され、詰まりの原因となる細胞の蓄積を防止します。
Attune NxT Flow Cytometerのプラットホームは、これらの機能により、非常に目詰まりしにくい設計となっています。シリンジポンプ方式システムは、粒子径が大きなサンプルや、組織由来の粘着性があるサンプルの測定に適しています。

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