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わかりやすい!細胞解析技術と細胞イメージアナライザーのまとめ

Written by LATB Staff | Published: 01.31.2016

近年、細胞生物学分野のさまざまな研究は、数々の病態に対する新しい治療法の検索に重要な技術としてさらなる注目を集めています。弊社の細胞イメージアナライザーは、細胞撮影画像から各種情報を数値化することにより、定量的で客観的な細胞解析(HCA/HCS)を可能とする測定機器です。今回と次回の2回にわたり、この細胞イメージアナライザーに焦点を当てて解説していきます。

今回は、細胞解析技術と細胞イメージアナライザーの概要についてご紹介し、次回は細胞イメージアナライザーのアプリケーションを紹介いたします。

細胞解析技術まとめ

近年の技術の進歩に伴い、細胞分析の技術は多く存在しています。またそれによって、今までの分析結果に加えた新しいニーズも生まれてきています。

たとえば蛍光顕微鏡は細胞観察に古くから用いられていますが、細胞形態情報や蛍光強度比較などは観察者の主観に左右されてしまい、また統計学的な処理を行うほどの大量の細胞数の観察は難しいことが挙げられます。

ハイスループットに細胞からの蛍光を定量するのであれば、蛍光プレートリーダーのような蛍光読み取り装置を用いることも可能ですが、培養プレートの1つ1つのウェルにある細胞の形態、細胞数、ある蛍光強度をもつ細胞がどのくらい存在するのか、サブポピュレーション解析などのニーズには使用することは難しいです。

細胞一つ一つの持つ蛍光強度を高感度で測定する機器として登場したのが、フローサイトメーターでありますが、細胞を測定するために溶液中に浮遊している状態にする必要があり、また細胞を比較的大量に調整する必要があります。さらに細胞形態や細胞内の分子の局在を測定することには向いていないことが挙げられます。

表 細胞分析に用いられる代表的機器

計測可能な項目 今までの分析結果に加えた新しいニーズ
顕微鏡・蛍光顕微鏡 ・画像データ
・細胞形態
・細胞内局在
・計測対象:細胞・組織など
・画像データの定量性
(数値化:統計解析)
・スループット
プレートリーダー ・ウェル内蛍光・発光数値化データ
・ハイスループット計測
・シングルセルの情報
・細胞形態
・細胞内局在
フローサイトメーター ・蛍光染色されたシングルセルの情報
・細胞集団クラスター解析
・細胞内局在
・幅広い計測対象(接着細胞・組織)
・前処理の簡便化

High Content Analysisとは?

1990年代の後半に確立された細胞イメージング解析はもっとも進化した細胞分析技術の一つです。培養プレートやスライドグラスから細胞イメージ(画像)を取得し、コンピューター解析することから、客観的かつ大量の細胞情報を得ることができ、一つ一つの細胞から形態や蛍光情報の局在にいたるまでドリルダウンしていくことが可能となりました。この技術は従来の方法と比べて、多くの有用かつ詳細(High Content)な情報を研究者に提供することから、High Content Analysis (HCA) と命名された最新の細胞分析手法です。

細胞イメージアナライザーは、蛍光ラベルした細胞画像を全自動で取り込んで解析する機器で、上記に挙げた蛍光顕微鏡、プレートリーダーおよびフローサイトメーターといった今までの分析手法から一歩進んだHCAを実現する機器です。この機器・技術によって、大量の培養プレートやスライド上の細胞の蛍光強度をはじめ、蛍光分布や共局在の情報、細胞形態を数値化することが簡単にできるようになりました。

cell-image-analyzing1-fig

図 細胞イメージアナライザーによって取得した細胞画像を解析ソフトウェアによって解析した例。蛍光顕微鏡の画像にある核、細胞質部分をソフトウェアが認識し(図中段)、細胞ひとつひとつから得た蛍光強度を数値定量化します(図下段)。このように定量化された情報をプロットすることによりデータグラフを得ることが可能です(図上段)。

このHCAは、創薬における薬効判定や安全性試験等のスクリーニング解析等の膨大な量のデータ解析に利用することが可能です。HCAをスクリーニングに応用する手法はHigh Content Screening(HCS)と命名されています。90年代後半には、米国Cellomics社(現 サーモフィッシャーサイエンティフィック社)が世界で最初に開発した細胞イメージアナライザーによって、HCSにおけるスループットおよび精度が飛躍的に向上しました。

次回は、細胞イメージアナライザーのアプリケーションについてご紹介します。

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