実験内容に応じてさまざまなピペッティング作業を日々使い分けることの多いラボでは、用途に応じたピペットチップを選ばなければなりません。今回は、ピペットチップとその特徴をご紹介します。
スタンダードチップ
スタンダードチップは、あらゆるラボのアプリケーションに使われる多目的チップです。非常に高い精度が要求される試験から通常の試薬分注まで、ほとんどの精度要件に適応できます。
フィルターチップ
フィルターチップは、クロスコンタミネーションの影響をうけやすいアッセイや、ピペットを汚染する恐れのあるサンプルに有用です。フィルターが、ピペッティング中に誤って液体をピペット内部に吸いこんでしまったり、エアロゾルがチップコーン内に侵入したりすることを阻止します。
フィルターチップには、セルフシーリングバリアのタイプと、セルフシーリングではないものがあります。いずれのチップもクロスコンタミネーションの防止に役立ちます。バリアチップは液体がフィルターに接触するとフィルターがブロックされるため、液体がフィルターを越えてピペット内部に浸入する恐れがありません。
滅菌済みチップ
滅菌済のスタンダードチップやフィルターチップは、ヒトDNA、DNase、RNaseおよびエンドトキシンフリーで、高いレベルの純度が要求されるアプリケーションに使用できます。チップは1ラックずつ包装された後、ガンマ線または電子線で滅菌されています。特にセンシティブなアプリケーションには、個別包装のチップもあります。
特殊チップ
広口径のチップは高粘度の液体の分注を容易にします。また、大型の分子や細胞にダメージを与えずに分注することができます。Pocketチップは、ナノリッターレベルの分注をディスポーザブルチップで行うことができます。DMSOに懸濁した50nlおよび250nlの分注が可能です。ステッパーチップは、0.5mlから50mlまでの容量レンジで、連続分注に使用することができます。
チップの包装
Thermo Scientific Finntipには、さまざま包装があります。もっともよく使われるのは、ラック形式で、手を使わずにチップをピペットに装着できるので便利です。省スペースのリフィルキットは多数のチップトレイを積み重ねて1パックにしたもので、ラックと組み合わせて使用します。袋入のチップはジップロックタイプの袋に入っています。
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