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Accelerating ScienceLearning at the Bench / 分子生物学実験関連 / 免疫沈降ウェスタン検出で抗体由来のバンドが邪魔なときにオススメの製品はこれ!

免疫沈降ウェスタン検出で抗体由来のバンドが邪魔なときにオススメの製品はこれ!

Written by LATB Staff | Published: 04.01.2020

免疫沈降(IP)により回収したサンプルをウェスタンブロッティング検出すると、目的タンパク質以外に免疫沈降に利用した抗体(以下IP抗体)のバンドが検出されることがあります(図1左側の2つのパネル)。図1のように目的タンパク質のバンドとIP抗体バンドの移動度が異なる場合は目的タンパク質の検出を確認できますが、目的タンパク質とIP抗体の移動度が近い場合やIP抗体の検出強度が高く目的バンドがマスクされてしまう場合には、目的タンパク質の検出を確認することが困難になります(図2 Lane 6)。こんなときにおすすめするのがClean-Blot IP Detection Reagentです。

Clean-Blot IP Detection Reagentは、変性していない抗体とは反応しますが変性した抗体とは反応しないHRP標識分子です。ウェスタンブロッティングにおいて、二次抗体の代わりに使用すると、一次抗体とは反応しますが電気泳動時にSDS/熱変性したIP抗体とは反応しないため、目的タンパク質を特異的に検出できます(図1および図2)。Clean-Blot IP Detection Reagentは、動物種やアイソタイプの異なる幅広い抗体と反応できる(表1参照)ため、二次抗体のように一次抗体に合わせて変更する必要がありません。もちろん、化学発光検出に使用した場合はストリッピング・リプロービングを行うことも可能です。

clean-blot-ip-detection-reagent-fig1

図1 二次抗体を用いた一般的な検出とCleanBlotを用いた検出。マウス肝臓抽出液から免疫沈降によりCdk1タンパク質を回収し、一次抗体としてマウス抗Cdk1抗体を用いて化学発光ウェスタンブロッティングを行いました(図中の「-Primary」では一次抗体を反応させずにウェスタンブロッティングを行っています)。二次抗体としてHRP標識ヤギ抗マウス抗体を用いた場合、電気泳動サンプル中に含まれていたIP抗体のバンドが検出されました(左側の2つのパネル)。一方、二次抗体の代わりにClean-Blot IP Detection Reagentを用いた場合、IP抗体は検出されず、目的バンドが特異的に検出されました(左から3番目のパネル)。

clean-blot-ip-detection-reagent-fig2

図2.抗体重差と分子量の近いタンパク質の免疫沈降アッセイ。A431細胞から免疫沈降によりP53タンパク質を回収し、一次抗体としてマウス抗P53抗体を用いて化学発光ウェスタンブロッティングを行いました。二次抗体としてHRP標識ヤギ抗マウス抗体を用いた場合、P53タンパク質のバンドが免疫沈降抗体の重鎖バンドにマスクされました(Lane 6)。一方、二次抗体の代わりにClean-Blot IP Detection Reagentを用いた場合、P53タンパク質のバンドが特異的に検出されました(Lane 1, 4, 5)。
Lane 1: A431細胞ライセート(ポジティブコントロール)
Lane 2-3: ライセートなしで免疫沈降した洗浄画分と溶出画分(ネガティブコントロール)
Lane 4-6: A431細胞ライセートを免疫沈降処理した洗浄画分と溶出画分

表 Clean-Blot IP Detection Reagentとの結合反応が確認されている抗体
動物種 ポリクローナル抗体 モノクローナル抗体(アイソタイプ)
Bovine Yes IgG2
Goat Yes IgG2
Human Yes IgG1, IgG2, IgG4
Mouse Yes IgG2a, IgG2b, IgG3
Rabbit Yes N/A
Rat Yes IgG2c
Sheep Yes IgG2

※表中に記載されていない抗体は評価されていないか、結合しないまたは結合が弱い可能性があります(表中のN/Aは評価されていないことを示します)。

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