日常生活で使うボトルと、ラボで使うボトルとでは何が違うのでしょうか?
一般的なボトルとラボボトルとの違いや、ラボボトルの特性についてご紹介します。
▼こんな方におすすめです!
・ラボでサンプルや薬品保存にボトルを使う方
・ラボ管理者/化学物質管理者
・ラボで実験や検査をされている方
・製造工程で薬品や化学物質を取り扱う方
ラボボトルとは?~高い耐久性と安全性~
ラボボトルの明確な定義はありません。一口にボトルと言ってもガラス製やプラスチック製など材質やその形状、また用途もさまざまですが、ラボボトルと一般的なボトルとでは、形状や材質が類似していても明らかな違いがあります。
ラボボトルの特長としてまず挙げられるのは、ボトル本体、キャップ、パッキン(ガスケット)などそれぞれの材質が明確になっており、化学物質耐性、温度耐性、衝撃耐性などの特性や機能も明確に示されている点です。材質、特性、機能が明確であることで、ボトルに入れる内容物(液体や粉体)の保存や輸送の際に、書類や証明書などでその容器の目的・用途に関する妥当性や安全性が、確認しやすくなっています。当社webサイトからロットごとに各種関連書類や証明書が入手することが可能です。
材質ごとに薬品や化学物質耐性のリストが用意されていることもラボボトルの特長です。近年化学物質に対する当局の規制が強化され、ラボで扱う化学物質を安全に保存するためには、それらを入れる容器、つまりボトルの機能や仕様が非常に重要になっています。それらの妥当性や安全性が確認できない、またはそれらが曖昧なボトルはラボで使用することはリスクが高いと考えられます。
ボトルの種類や用途によって異なりますが、内容物の漏れを防ぎ、蒸発や吸湿をしないよう、高い密閉性を確保するための構造を有している点もラボボトルの特長です。密閉性を高めるために、ガスケット、ネジ部の凹凸の接触面を多くした特殊構造のネジ口、ボトルとキャップの材質を意図的に別にし、温度による収縮率差を利用し、締め付けをより強くする構造などがあります。化学物質耐性だけでなく、薬品の濃度や温度別の耐性、衝撃耐性、適切なキャップの締め付けトルクについてもメーカーはデータや知見を有しています。これにより、仕様や耐性などをメーカーに確認や相談できることもラボユーザーにとっては安心な点です。
一般のボトルはラボでは使えないの?~重要な妥当性確認~
ホームセンター、100円均一店(最近は均一ではないかもしれませんが)などでも多種多様なボトルや、ラボで使えそうな容器が販売されているのを見かけます。それら容器は、ラボで「使えなくはない」としか言えません。曖昧な回答になるのは、必要とする機能の安全性と妥当性の確認が難しいから、というのが理由です。最終的には使用者が、研究・検査・製造の用途やその工程の安全と品質をどこまで求めるかによって使用の是非は決まります。しかし感染性、毒性、揮発性、爆発性、易燃性のサンプルや物質を保存するボトルは、安全性と品質が確保されていないと作業者の健康や環境の安全を損なう脅威になる可能性があるので、特に慎重にボトルは選ぶべきです。
世界中でCOVID-19がまん延していた頃、消毒用のアルコールを持ち歩いていました。小分けにされた状態で販売されていたものは別にして、自身でホームセンターなどで購入したスプレー式の容器に小分けにして持ち歩いていた方も居たと思いますが、果たして漏れなどはなかったでしょうか?
随分昔の話になりますが、筆者は以前、ホームセンターで買ってきたボトルに化粧水を小分けにして出張で各地を飛び回っていた時期がありました。今でこそ多くのホテルではパックに入った1回分の使い切り化粧水をアメニティーとして用意しているホテルが多いですが、当時はほぼなかったからです。結果、読者のご想像通り、何度目かの出張時にボトルのネジ部辺りから化粧水が全部漏れ、ボトルの周りやかばんの中が化粧水でべとべとになったことがありました。これは容器の品質が悪かったということではなく、「化粧水を入れ、かばんの中で周りの荷物からボトルに圧がかかり、時には飛行機で気圧の低い場所にさらされる」という用途や使用環境に対して、本体やネジ口の薬品(化粧水)耐性、気圧耐性、衝撃耐性などの妥当性確認をしていなかった自分に責があります。しかし、一般に市販されている多くのボトルは詳細な仕様書や化学物質耐性表は用意されておらず、仮に妥当性を確認しようと思っても、詳細は確認できなかったかもしれません。
まとめ
かばんの中で化粧水が漏れる程度であれば自身が次回から気を付けよう、で済みますがラボで扱う物質はそういう訳にはいきません。一般のボトルをラボで使えるかどうかではなく、使って大丈夫か?内容物の変質や、仮に漏れた場合に作業者や環境にリスクがないか?を考えることが重要です。
ラボボトルは、仕様通りに精巧に作られ、薬品や化学物質などの耐性、温度耐性、圧力耐性、衝撃耐性が明確になっており、研究・検査・製造工程で安心して内容物を目的の保存、輸送に使用することが確認できる容器です。
当社のThemo Scientific™ Nalgene™ ボトルはラボのさまざまなニーズにお応えできるよう豊富なラインアップをご用意しております。研究・検査・製造の用途に応じてボトルの材質、サイズ、機能からお選びいただけます。
ボトル製品ページ
家庭にある油差しの様に口から漏れて内容物が出てくるなど、化学物質の保存容器ではあってはならないことです!ラボでは用途に応じたラボボトルをご使用することをお勧めいたします。
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研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。これらの製品は一般的なラボでの使用を目的としています。製品の性能がお客さまの用途やアプリケーションに適しているかどうかはお客さま自身でご確認ください。



