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Accelerating ScienceLearning at the Bench / 分子生物学実験関連 / 意外と見落とされがちなラボの安全管理・安全対策 ~良い研究・実験・検査のアウトプットは、安全なラボから~ 第1回:「ラボ安全管理・安全対策の概略」

意外と見落とされがちなラボの安全管理・安全対策 ~良い研究・実験・検査のアウトプットは、安全なラボから~ 第1回:「ラボ安全管理・安全対策の概略」

Written by LatB Staff | Published: 03.26.2024

ラボの安全管理、安全対策、ラボスタッフの健康は最優先される事項です。
このシリーズでは、「ラボの安全」をテーマに、考え方、対策、準備などについて全4回にわたって紹介していきます。

第1回:「ラボ安全管理・安全対策の概略」
第2回:「化学物質規制」対策について
第3回:「バイオセーフティとバイオセキュリティーの違い」
第4回:「ラボの機器、機材の安全管理」

今回はシリーズ第1回として、「ラボ安全管理・安全対策の概略」について紹介します。

▼こんな方にお勧めです!
・職場(ラボ)の安全管理、リスクマネジメントをする立場にある方
・バイオセーフティ、バイオセキュリティー対策をしたい方
・2024年4月に改正される「労働安全衛生法」の「化学物質規制」対策をしたい方
・ラボの安全が気になる方

▼もくじ

  • ラボの安全管理・ラボの安全対策とは?
  • 安全対策の4段階
    • 1.「保安対象とリスクの特定」
    • 2.「リスクや脅威の評価」
    • 3.「リスクへの対策」
    • 4.「リスク対策の評価」
  • まとめ
    • Thermo Scientific™ Nalgene™ ラボ製品

ラボの安全管理・ラボの安全対策とは?

このブログの読者は、ラボで実際に実験や研究をされている方、ラボを管理運営する方などなんらかの形でラボに携わっている方々が多いと思いますが、「ラボの安全管理」、「ラボの安全対策」というフレーズから皆様はどの様な管理、対策をイメージされるでしょうか?「安全」と一言で言ってもさまざまな観点で考えなければならず、一朝一夕に管理や対策を講じ、整えることはできません。
今回はラボの安全管理について、考え方や対策、準備のポイントなどを紹介します。ラボの安全を考える場合、その保安対象となるのは、人(実際にラボで仕事や学業に従事をされているスタッフや、スタッフと直接的、間接的に接触される方々)、環境(ラボの内外含む)、そしてラボで扱うサンプルやデータ、と大きく分けて3つに分類できると思います。それら対象を何の脅威やリスクから守るかを特定する必要があります。
一般的にラボには、生物学的リスク、化学物質的リスク、設備や機器操作時のスタッフの怪我のリスク、意図的非意図的なサンプル・薬品・データの損失、紛失、漏洩、盗難リスクなどが考えられます。ラボにある機器、機材は突然故障や不具合を起こす場合や、稀なケースではありますが地震や洪水などの自然災害に見舞われ、安全管理上思わぬ大きなリスクとなる場合もあります。ラボの安全を考える上では、保安対象と想定される脅威やリスクを特定し、それぞれ個別に対策を講じる必要があります。扱っているサンプルや物質によっては安全対策を万全にしないといけないラボもあり、スタッフの健康被害だけでなく、公衆衛生上極めて大きな脅威ともなり得ます。ラボの良質なアウトプットは、安全なラボから生み出されるものであり、安全は何よりも優先されるべき事項でもあります。

安全対策の4段階

安全対策を講じる上で基本的に4つの段階(フェーズ)に分けられます。

  1. 「保安対象とリスクの特定」
  2. 「リスクや脅威の評価」
  3. 「リスクへの対策」
  4. 「リスク対策の評価」

1.「保安対象とリスクの特定」

上述の通り、ラボの何を何のリスクから守るのかを特定しないと闇雲に対策を講じても対策の効果が期待できません。最初の段階は、保安対象とリスクを特定します。リスクには機器や機材の誤った使用や故障などの障害、またスタッフの操作ミスなどの人的障害、ラボ内機器の配置や導線といった環境に起因する問題、施設のスタッフの力量や配置などを踏まえた管理や有事の訓練プログラムがないもしくはその頻度や内容などの問題も浮かび上がってくる場合もあります。

2.「リスクや脅威の評価」

この段階は、特定された脅威やリスクの評価を行います。具体的には、発生確率やインパクトレベル(発生するとどの様なインパクトを及ぼすのかなど)を検証し、施設として優先事項を決め、よりインパクトが大きいリスク管理に資源(人材、コストなど)を注げるように関係者間で相互理解することが重要です。インパクトが小さいリスクに対する組織としての許容範囲も決めるのもこの段階です。

3.「リスクへの対策」

2で評価したリスクや脅威に対して、具体的な対策を講じます。対策には、ラボの設備や機材の経年劣化状況を把握したり、保守プランやスタッフのトレーニングや訓練計画を立てたりすることもリスクへの対策になります。またラボのガバナンスや各人の責務を明確にすることもリスクへの対策の重要な取り組みです。

4.「リスク対策の評価」

対策を講じたリスク管理が、有効的かつ効果的かを評価します。安全に関するインシデントレポート、他ラボの事例やベンダーなどから提供される安全に関する情報を参考に、講じた対策が自施設のラボで有効で、かつ効果的であったかの評価をします。安全対策が形骸化しないためにもリスク対策の評価は組織として確実に行うべき重要な段階です。また既存のリスクや脅威以外に新たに特定されるリスクや脅威も出てくると思われますので、評価の後、1.「保安対象とリスクの特定」に戻り、既存と共に新たなリスクや脅威を特定します。

まとめ

安全に関する4つの段階がサイクルとして回り、継続的に管理されることが望ましいとされます。
当社は上述サイクルの「リスクへの対策」を講じる上で、ラボのスタッフの方々、ラボの管理者の方々にお役に立てる製品を豊富にそろえております。このブログの次回以降は、具体的なラボの安全管理に関する情報と共に関連する製品の紹介をしてまいります。

Thermo Scientific™ Nalgene™ ラボ製品

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研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。

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