皆さま、ELISAの実験をされていて、目的となるタンパク質や核酸などが思うようにプレート吸着しない、ELISA実験がうまくいかない、そんな場面に遭遇することがあるかと思います。
もちろん、抗体の条件やブロッキングの条件の検討も必要ですが、吸着させようとしているプレート側に問題があることもあります。
そこで今回はブロッキング不要で短時間で高いS/N比の結果を得られる、Nunc イモビライザーシリーズについて、ご紹介いたします。
▼こんな方におすすめです
・通常の親水性プレートを使用しているがうまくいかない
・低濃度で希少なサンプルを検出したい
・立体障害の可能性があるため、配向性をもってターゲット分子をプレートに吸着させたい
イモビライザーとは?
Thermo Scientific™ Nunc™ イムノアッセイプレートはさまざまな表面処理があります。
受動的結合表面を持つ製品は、プレート上に直接ターゲット分子を吸着させます。それに対して、イモビライザーの固相表面には、特殊な技法を用いて共有結合させたアントラキノン(anthraquinone)のリガンドが付いており、これらは下図のようにエチレングリコールスペーサーを介して優れた捕捉力を持つ各種官能基を配しており、ターゲット分子はこの官能基と結合し、固定されます。

スペーサーおよび官能基はELISAのために最適な密度で並んでいるため、ターゲット分子を効率的に、かつ安定的に固定させることができます。
当社ではこの、イモビライザーのプレートとしてイモビライザーストレプトアビジン、モビライザーアミノがあります。


イモビライザープレートの特長
立体障害がない
プレート平面上にターゲット分子を直接固定する従来の固相化方法では、吸着した部位が本来持つ活性や高次構造を損ねる可能性があります。それに対してイモビライザー製品はスペーサーアームを介し、プレート表面から結合部位までに適度な距離があるため、分子を立体的に吸着することができ、立体障害により、活性部位を阻害したり、抗体がアクセスできなくなったりするトラブルを防ぐことができます。
ブロッキング不要
スペーサー先端の官能基は優れた捕捉力で分子をしっかりと固定するので、洗浄により剥がれることがありません。また、親水性に富むエチレングリコールスペーサーが最適な密度で配置されているため、ブロッキング不要で非特異吸着を抑えることができ、実験の時間やコストを抑えることができます。
試薬やサンプルの節約が可能
反応感度が非常に高いので、低濃度の溶液からでも有効な測定値を得ることができます。このため必要な試薬やサンプルの使用量を抑えることができます。
優れたS/N 比(シグナル/ノイズ比)
非特異吸着が抑えられるため、バックグラウンドのノイズも無視できる程度のため、S/N比の高いアッセイを行うことができます。
まとめ
イモビライザーシリーズは、エチレングリコールスペーサーが介在して標的分子を吸着させることで、短時間で効率よくELISAを行うことができるプレートです。
・スペーサーの介在による立体障害の回避
・低濃度からの検出が可能で、希少なサンプルのアッセイに最適
・ブロッキング不要で短時間で高いS/N比のアッセイが可能!
現在ご使用中のプレートでシグナルの問題を抱えているお客さまはぜひ、イモビライザーシリーズをご検討ください。
上記イモビライザーシリーズ以外にも、当社では親水性、疎水性表面を持つプレートなど幅広いラインアップを取り揃えております。
詳しくは以下のリンクよりカタログをダウンロードいただけます。
どのようなプレートを使用すればいいかのご相談は当社テクニカルサポートへご相談ください。
Japan Technical Support: お問い合わせはこちら
また、各種プレートのサンプルのご提供も可能です
サンプルをご希望のお客さま:お問い合わせはこちら
研究用にのみ使用できます。診断目的およびその手続き上での使用はできません。


