Thermo Fisher Scientific

  • メニュー
    • 分子生物学実験関連
    • 分析・測定関連
    • 細胞培養・イメージング
    • 研究者インタビュー
    • その他
  • このブログについて
  • お問い合わせ
Accelerating ScienceLearning at the Bench / 分子生物学実験関連 / PCR増幅産物を“きっちり”検出する|今こそ本気で徹底理解! リアルタイムPCR講座 第9回

PCR増幅産物を“きっちり”検出する|今こそ本気で徹底理解! リアルタイムPCR講座 第9回

Written by LATB Staff | Published: 10.13.2015

今回は、リアルタイムPCR産物の検出につかうケミストリにはどんなものがあるのか、見ていきます。

弊社のリアルタイムPCRでは、「SYBR® Green I」 、「Taqman®プローブ」という2種類のケミストリを用いた検出方法を提供しています。

▼もくじ [非表示]

  • SYBR® Green I
  • Taqman®プローブ
  • リアルタイムPCRハンドブック 無料ダウンロード
  • リアルタイムPCRトラブルシューティング 無料ダウンロード

SYBR® Green I

SYBR® Green Iは、2本鎖DNAに入り込むと蛍光を発する蛍光色素です。この蛍光色素には、2本鎖DNA配列のみを標識する特異性はありません。そのため、プライマーダイマーや非特異的なPCR産物といった副産物にも結合し、蛍光シグナルを示してしまうことがあります(図)。この問題を防ぐためには、目的のPCR産物のみを特異的に増幅するよう、プライマー設計と濃度の条件検討をおこなう必要があります。

qpcr-basic9-fig

図 SYBR® Green Iの特徴。特異的なケミストリではないので、プライマーは慎重に設計する必要がある。

Taqman®プローブ

Taqman®プローブは20~30merの長さのオリゴヌクレオチドで、相補的な配列を特異的に認識します(5’ヌクレアーゼアッセイ)。プライマーダイマーや非特異的なPCR産物といった副産物ができてしまっても、プローブの配列特異性が副産物の影響を最小限にしてくれます。

両者の違いをまとめましょう。SYBR® Green はプライマーだけで配列を識別するのに対し、Taqman®プローブ法はプライマーとTaqman®プローブの両方で配列を認識します。Taqman®プローブは、より高い特異性でPCR産物を検出できる製品と言えるのです。

とはいえ、実験によってはSYBR® Green Iをつかいたいという方もいらっしゃいます。SYBR® Green Iを利用する上でのアドバイスはありますか?

SYBR® Green Iを使う場合には、融解曲線解析プログラムを利用いただくと安心です。このプロクラグムは弊社のリアルタイムPCR装置に付属し、プライマーの特異性を確認できます。もちろん、PCR産物をゲル上で泳動することも、確実に確認できる方法です。


サンプル内に非常に似た配列が存在する場合や、スプライシングバリアントを区別する必要がある場合には、Taqman® MGBプローブを用いることをお勧めします。とくに、SYBR® Green Iで良い系が構築できずに苦労されている方は、ぜひ一度、Taqman®プローブを試してみて下さい。SYBR® Green IからTaqman® MGBプローブに乗り換えることで、結果的にコストを安くできるかもしれません。

以前、この講座でご紹介したTaqMan® Gene Expression Assaysでも、Taqman® MGBプローブを使用しています。プローブの選択によっては、プライマーの設計やPCRの条件検討をしなくても確実な結果を得られるというわけです。

次回は、内在性コントロールについて考えます。

リアルタイムPCRハンドブック 無料ダウンロード

このハンドブックでは、リアルタイムPCRの理論や実験デザインの設計など、リアルタイムPCRの基礎知識が掲載されています。リアルタイムPCRを始めたばかりの方やこれから実験を考えている方にうってつけのハンドブックです。PDFファイルのダウンロードをご希望の方は、下記ボタンよりお申し込みください。

ダウンロードする

リアルタイムPCRトラブルシューティング 無料ダウンロード

異常なS字状の増幅曲線、NTCでの増幅検出、増幅が見られないなど、リアルタイムPCRの実験中に困った際の手助けになる情報を紹介しています。PDFファイルのダウンロードをご希望の方は、下記ボタンよりお申し込みください。

ダウンロードする

 

研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。

Share this article
FacebookTwitterLinkedinMail

記事へのご意見・ご感想お待ちしています

  • サーモフィッシャーサイエンティフィックジャパングループ各社は取得した個人情報を弊社の個人情報保護方針に従い利用し、安全かつ適切に管理します。取得した個人情報は、グループ各社が実施するセミナーに関するご連絡、および製品/サービス情報等のご案内のために利用させていただき、その他の目的では利用しません。詳細は個人情報の取扱いについてをご確認ください。
  • 送信の際には、このページに記載のすべての注意事項に同意いただいたものとみなされます。

意外と知らない!? TaqManプローブのクエンチャーとは

リアルタイムPCRで使用されるTaqMan™プローブ... by LatB Staff / 03.19.2025

Read More

【やってみた】アガロースゲル電気泳動 ゲル染色方法の比較

アガロースゲル電気泳動後のゲル染色にはい... by LatB Staff / 02.19.2025

Read More

今だからこそin vitro転写システムのmRNA合成に再注目(2) PCRでDNAテンプレートをスマートに調製!

in vitro転写 (IVT) のDNAテンプレートの調製�... by LatB Staff / 07.05.2024

Read More

PowerTrack™ SYBR™ Green Master Mix for qPCRの使用方法

新しく実験を始める際、まず初めに確認する... by LatB Staff / 06.21.2024

Read More
【必読】哺乳類細胞の凍結保存法と解凍法まとめ
endAってどういう意味?知っておくと役立つ主な大腸菌の遺伝子型まとめ

個人情報保護方針ウェブサイト利用条件 拠点一覧サイトマップTrademark Information

© 2025 Thermo Fisher Scientific. 無断複写・転載を禁じます.

Talk to us

通知

  • Tweet
  • Facebook
  • Tweet
  • Facebook