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セプタムとは | セプタムの種類やバイアル・キャップとの関係を解説

Written by LatB Staff | Published: 02.16.2022

セプタムとは?

「セプタム(septum)」とは、「隔膜」「隔壁」という意味を持つ英語で、化学に関わる業界では、バイアルにキャップをする際に使用する部品のことを指します。
ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィーにおいて、オートサンプラーニードルで穴をあけて中の試薬などを取り出すことができるようにするため、ラバーやシリコンといった柔らかい素材で作られます。
セプタム単体でキャップになるものや、穴が開いたプラスチック製のキャップの内側にはめ込むものもあります。

余談ですが、セプタムには「二つの空洞を分ける仕切り」という意味もあるため、鼻の中央の仕切りに穴を開けるピアスのこともセプタムピアスと呼ばれるそうです。

セプタム付きバイアルキャップ

セプタムは化学に関わる人にとって、非常に身近なものですが、使用する薬品によってはセプタムの素材が分析結果に影響するリスクもあるため、適切なセプタムの選び方を知る必要があります。
今回は、セプタムに使用される素材の特性とそれぞれに適した使い方について解説していきます。

セプタムの種類

代表的なセプタムの種類は以下の通りです。

・グレーブチルストッパー
経済的なセプタムです。グレーブチルストッパーにはPTFEフィルムのバリアー膜がないため、アルカン、ベンゼン、塩素系溶媒、またはシクロヘキサンの使用には適しません。ブチルゴムストッパーは、固定ガスの分析や、水分の侵入に対して完全な耐性が必要な場合に適しています。

・グレーPTFE/赤ゴム製セプタム
優れた溶媒耐性および再シール特性、コアリング耐性があります。PTFEのバリアー膜が必要な場合の経済的な選択肢です。PTFE表面のため、初回の穿刺までは溶媒適合性が高いです

・PTFE/白シリコン製ピュアパックセプタム
揮発性物質の分析全般に最適です。セプタムはガラス製のPurePakジャーにパックされており、バックグラウンドおよび浸透性が低く、あらゆるヘッドスペースセプタムの中でも最高レベルのパフォーマンスを発揮します。PTFE/白シリコン製セプタムは、優れた再シール特性と幅広い化学的適合性を実現しています。

・グレーPTFE/成形黒ブチル製セプタム(Pharmafix)
PTFE面がセプタムの端部まで延長していない、中央のみPTFEで表面仕上げした成形セプタムです。PTFE面の中央部位は、さまざまな溶媒に対して優れた耐性を発揮します。中央の穿刺部位はコアリング耐性があり、数回の穿刺後も再シールされます。グレーブチルの外縁シーリングは、バイアルの縁によく適合し、固定ガスの損失に対してより確実なシール作用をもたらします。

・PTFE/高純度青シリコン製セプタム
半透明の青シリコンは、抽出物や揮発性汚染物質のガス放出によるバックグラウンドを低減するため、特別に構成、設計および処理されています。シリコンエラストマー層は高密度ですが、ほとんどのヘッドスペースサンプリングニードルで容易に穴を開けることができます。

・黒ゴム製セプタム
黒ゴム製セプタムは、標準的な赤ゴムと比較して高密度のゴム化合物から成形されています。このセプタムはグレーブチルストッパーと同様の特性を備えています。黒ゴム製セプタムは、蒸気の浸透レベルを低減することが求められるアプリケーションに適した、経済的な選択肢です。

上述の情報以外にも、安定して使用できる温度の下限上限など、さまざまな制限が素材ごとにあるため、実際の使用環境を考慮してセプタムを選択してください。

使用可能な温度をまとめた「セプタムの温度安定性チャート」、貫通するニードルのタイプを選択する際に必要な「セプタムの硬度チャート」、「セプタムの溶媒適合性一覧表」、「耐薬品性チャート」などを含む詳細資料を、こちらのリンクからダウンロードできます。

ぜひご活用ください。

資料をダウンロード

 

研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。

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