PCRやクローニングなど、DNAに関するよくあるご質問とその回答をまとめました。DNA実験を行うまえにこの記事をチェックしてみてください!
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プライマーを溶かすTEバッファーや水の量はどのように計算したら良い?
プライマーのチューブに記載されている nmol で表されているプライマーの量を確認します。例えば、プライマーチューブに 24 nmol と記載されている場合、100 μMのストックを作成するには下記の式で計算します。
24nmoltimes frac { L }{ 100mu mol } times frac { 1mu mol }{ 1,000nmol } times frac { { 10 }^{ 6 }mu L }{ 1L } =240mu Lquad
100 μMはよく使用されるストックの濃度です。上記の計算式を簡単にする場合は、プライマーの量(nmol)に10を掛けると、100 μMのストックを作成する際に必要なプライマーを溶かす溶液の量 (μL)が算出できます。
TAクローニングを行うにはどのPCR酵素を使えばいいの?
Taq DNAポリメラーゼは、PCR産物の3’末端にAを付加するため、TAクローニングやTOPO TAクローニングにオススメです。
Taq DNAポリメラーゼと高い校正能力を持つ酵素をブレンドしたものもTAクローニングに適しています。また、3’末端にAを付加するためにPCR反応後にTaqを添加するのもオススメです。
ミニプレップ用のカラムが詰まってしまった!原因は何ですか?
ミニプレップ中にカラムが詰まってしまうのはホントに困りますよね。ここで、プラスミドの収量を向上させる、PureLink Quick Plasmid Miniprep columnを使用した弊社の解決方法をご紹介します。
- 過度に培養された菌を使用しないでください。TB培地のようなリッチな培地は避け、LB培地で一晩、後期対数増殖期まで培養された菌を使用してください。
- 集菌の際に、ピペッティングやキムワイプで拭うなどして、培地を完全に除去してください。その後、菌の塊が残らないように思いっきり懸濁してください。ここでボルテックスを使用するのはOKです!
- しっかりと溶菌させましょう!ただしやりすぎないように。5分間の溶菌がプラスミド回収に最も適しています。それ以上時間をかけると、ゲノムDNAが出てきてカラムが詰まる原因となります。
最適なクローニング反応のためにはどのくらいPCR産物を加えればいいの?
TOPOクローニングやGatewayクローニングの場合、インサートとベクターのモル比は1:1、制限酵素処理/ライゲーション反応の場合、インサートとベクターのモル比は3:1がオススメです。
また、下記の計算式を使用することで、モル比に適したインサートDNAの量を算出できます。
インサートDNAの量(ng)=frac { [モル比][インサートDNAのbp数][ベクターDNAの量(ng)] }{ [ベクターDNAのbp数] }
DNAを切断する際に必要な制限酵素の量は?どのくらいの量が反応に適しているの?
- 一般的に、1 unitの酵素は1時間で1 μgのDNAを切断します。
- クローニングを行う前に、不完全な切断をチェックするために少量での予備実験を行いましょう。
- Double digestionの場合は、それぞれの酵素が同じバッファーで切断できるか確認しましょう。
- スター活性(非特異的切断)を避けるために、添加する酵素の液量は、反応液全体の5%以下にしましょう。
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研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。