近年、細胞生物学分野のさまざまな研究は、数々の病態に対する新しい治療法の検索に重要な技術としてさらなる注目を集めています。弊社の細胞イメージアナライザーは、細胞撮影画像から各種情報を数値化することにより、定量的で客観的な細胞解析(HCA/HCS)を可能とする測定機器です。今回は、前回に引き続き、AKTシグナルパスウェイの解析事例をご紹介いたします。
前回は、細胞イメージアナライザーを用いた細胞内分子の検出方法、およびリン酸化AKTの用量反応曲線の結果を示しました。今回は引き続き、GSK3およびFOXO1Aの解析事例をご紹介します。
リン酸化GSK3の用量反応曲線
図1 はIGF-1処理によるGSK3リン酸化反応を蛍光画像として捉えたものです。細胞イメージアナライザーにより、細胞の蛍光画像から、細胞一つ一つの核領域、細胞質領域にある蛍光抗体の発する蛍光強度を測定し、核内/細胞質内の蛍光強度比からリン酸化GSK3の存在量比を測定し、用量反応曲線を作成、半数影響量を算出することができました。
FOXO1Aの核内局在変化
図2 はFOX01Aの核内へのトランスロケーションを蛍光画像から数値化したものです。細胞の蛍光画像にある細胞一つ一つの核領域を定義し、核内にあるFOX01A蛍光のみを測定することで、核内に局在するFOX01Aの用量反応曲線を作成、半数影響量を画像イメージから算出することができました。
2回に渡ってお送りした細胞イメージアナライザーの解析事例、いかがでしたでしょうか?
細胞イメージアナライザーを用いた解析は、複数の異なる蛋白質が関与する細胞内パスウェイの変化を、画像イメージを取得するという同様の方法を用いて測定数値化し、さらに画像から半数影響量を算出することを可能とします。また、複数の蛋白質の活性化状態、細胞内での局在化を同時にモニターすることも可能とします。
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