RNAシーケンスによる新型コロナウイルスSARS-CoV-2の人獣共通感染の理解

はじめに

新型コロナウイルス感染症COVID-19のパンデミックは、今や世界中に広がっています。これは新型コロナウイルスSARS-CoV-2が野生動物から人間に伝播したことが原因とされています。人口が増加することで、野生生物との接触機会が増加し、その結果として、人間の免疫システムでは防ぐことが難しい新たな感染症が広がる可能性が高まります。感染症の発生源となった動物を特定することは、現在大発生しているCOVID-19を制圧するための方法を理解し、また将来の大発生を防ぐために重要です。

動物からのSARS-CoV-2関連ウイルスの検出

コウモリはSARS-CoV-2の感染源であると考えられていますが、コウモリから人間への伝播経路は不明であり、中間宿主であった可能性もあります。最近の研究では、次世代シーケンサIon Torrent™ Ion GeneStudio™ S5 Systemを使用してRNAシーケンシングを行った結果、哺乳類であるマレーセンザンコウでSARS-CoV-2に近縁のコロナウイルスが検出されたことが報告されています。Ion Total RNA-Seq Kit v2の合理化されたワークフローにより、RNAリードを既知のウイルス配列にすばやくアライメントすることで、既知の病原体の特定や、未知の病原体を特徴付けることができます。この実験系で、ウイルス感染に重要なSARS-CoV-2受容体結合ドメインと非常に高い類似性を示す領域を有する2つの亜系統が発見されました。

ターゲットシーケンスを活用したウイルス解析

前述した研究では、野生動物におけるさまざまなコロナウイルスの潜在的なリスクと、病原体の迅速な同定を可能にする次世代シーケンシング(NGS)の使用を強調しています。ターゲットを絞ったシーケンシングは、人畜共通感染と病原体検出の研究をさらに簡素化することを可能にします。 Ion Torrent™ Ion AmpliSeq™ SARS-CoV-2 Research Panelを用いることで、研究者はウイルス量が非常に少ないサンプルでもSARS-CoV-2を検出するための高感度でシンプルなターゲットシーケンスアッセイにアクセスできるようになりました。最短で2.5時間のシーケンシングによる迅速なターンアラウンドタイムによって、研究者はこの緊急状態においても迅速な決定を下すことができます。

まとめ

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参考文献:Lam, T.T., Shum, M.H., Zhu, H. et al. Identifying SARS-CoV-2 related coronaviruses in Malayan pangolins. Nature (2020).

研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。

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