Thermo Fisher Scientific

  • メニュー
    • 分子生物学実験関連
    • 分析・測定関連
    • 細胞培養・イメージング
    • 研究者インタビュー
    • その他
  • このブログについて
  • お問い合わせ
Accelerating ScienceLearning at the Bench / 分子生物学実験関連 / サンガーシーケンス データ解析のよくある質問

サンガーシーケンス データ解析のよくある質問

Written by LatB Staff | Published: 07.30.2021

こんにちは、Natalieです。
サンガーシーケンスのデータ解析時に使用される用語について、Kuwait 大学のPhilipから質問を受けました。皆さんもこのトピックについて、もっと知りたいのではないかと思い、テクニカルサポートグループのMikeと話をし、サンガーシーケンスにおけるデータ解析の用語について、ここで簡単に説明することにしました。

▼こんな方におすすめです!
・サンガーシーケンス データ解析時の用語について、より理解を深めたい方

▼もくじ [非表示]

  • 用語について
    • Trace
    • QV20 +
    • Quality Value
    • Trace score
    • Offscale
    • Median PUP
  • シグナル強度について
  • まとめ
    • 【無料公開中】サンガーシーケンスの基礎

用語について

Philipからの質問:
こんにちは!キャピラリー電気泳動で得られる生データの、「Trace」という用語と、QCを推定する必要性を理解するのに苦労しています。シグナル強度とは何ですか?また、QV20 +、Trace score、Offscale、Median PUP、の意味についても教えてください。

回答:
こんにちは!キャピラリー電気泳動のデータを、より簡単に理解できるよう、まず用語のいくつかを定義してみまししょう:

Trace

1本のキャピラリーから得られたデータファイルで、Sequencing Analysis、Variant Reporter、SeqScape、Variant Analysisモジュール(クラウド)、Quality Checkモジュール(クラウド)などの分析ソフトウェアにインポートされるファイル。

QV20 +

Trace全体の塩基の総数のうち、Basecaller(解析ソフトで塩基を決定する際のアルゴリズム)で算出されたQuality Value>=20の数。

Quality Value

Basecall(塩基の決定)、およびConsensus callingアルゴリズム(低頻度のアルゴリズムエラーに応じた、高信頼度の値)の信頼性の尺度。
Trace quality valueは、Traceにおける1塩基ごとの信頼性の値、Consensus quality valuesは、コンセンサス配列ごとのVariantAnalysisモジュール、およびVariantReporterで使用される信頼性の値。

Trace score

Clear rangeにおける、塩基のQuality Valueの平均。トリミングをオンにした場合のClear rangeは、低品質領域や、エラーが発生しやすい5’末端と3’末端の配列を除外した後に、残った領域を指す。

Offscale

検出限界値を超えたデータ。解析範囲内の、少なくとも1つのデータポイントが、CCDカメラの検出限界値を超えている状態を示している。これは、蛍光シグナルが非常に高いため、カメラが正確な明るさを判断できず、その結果Trace内のピークには、蛍光強度の度合いは反映されない。このような場合、スプリットピーク(先割れ)や、上部が平坦なピークで表示されることがある。

Median PUP

ノイズの測定値。Clear range内において、塩基を決定しているメインピークのシグナル値と、2番目に高いピークのシグナル値の比、の中央値。

シグナル強度について

では、ここからはシグナル強度について説明します。

動画「How Does Sanger Sequencing Work」の1分30秒付近から、ddNTPの取り込みと蛍光の関係性についての説明があります。
特定の塩基位置でのddNTPの取り込みが多いほど、DNA断片がキャピラリー内を移動するにつれて蛍光シグナルが高くなります。装置の感度は、シグナル強度に依存します。より感度の高い装置は、通常はベースラインノイズと重なり、検出が困難な低いシグナルも検出できることがあります。ただし、より感度の高い装置であっても、検出限界を超える場合(解析範囲内に、CCDカメラの検出限界を超えたデータポイントが、1つでもある場合)もあります。
よって、最適な実験系を確立するために、DNAの定量には注意を払う必要があります。

まとめ

その他の用語についての定義と、各項目の値の変更方法については、Thermo Fisher CloudのQuality Checkモジュール内、Actionメニューから、「Quality Frag Settings」を確認してください。

今回の情報がお役に立ちましたら幸いです。その他、サンガーシーケンスのデータ解析について、ご不明点がありましたら、jptech@thermofihser.comまでぜひご質問をお寄せください。

【無料公開中】サンガーシーケンスの基礎

このケミストリーガイドでは、ワークフローからアプリケーションまでサンガーシーケンスの基本原理を学べます。

ダウンロードする

研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。

 

 

 

Share this article
FacebookTwitterLinkedinMail

記事へのご意見・ご感想お待ちしています

  • サーモフィッシャーサイエンティフィックジャパングループ各社は取得した個人情報を弊社の個人情報保護方針に従い利用し、安全かつ適切に管理します。取得した個人情報は、グループ各社が実施するセミナーに関するご連絡、および製品/サービス情報等のご案内のために利用させていただき、その他の目的では利用しません。詳細は個人情報の取扱いについてをご確認ください。
  • 送信の際には、このページに記載のすべての注意事項に同意いただいたものとみなされます。

シーケンス解析のトラブルシュート:まとめ

シーケンス解析の結果、「塩基配列が解析さ... by LatB Staff / 04.30.2025

Read More

【やってみた】サンガーシーケンス シーケンス反応サイクルの伸長時間を短縮したら、どのくらい伸長するのか?

キャピラリーシーケンサでDNAの塩基配列を解... by LatB Staff / 04.16.2025

Read More

シーケンス解析のトラブルシュート:シグナルのドロップとトップヘビーデータ

シーケンス解析により解読できた長さが予想... by LatB Staff / 12.17.2024

Read More

シーケンス解析のトラブルシュート:ノイズピークと二重ピーク

シーケンス解析で、ノイズピークが検出され... by LatB Staff / 12.04.2024

Read More
HPLCを使う方におすすめのまとめ記事
健康的に年齢を重ねていくための遺伝的要因を検証する

個人情報保護方針ウェブサイト利用条件 拠点一覧サイトマップTrademark Information

© 2025 Thermo Fisher Scientific. 無断複写・転載を禁じます.

Talk to us

通知

  • Tweet
  • Facebook
  • Tweet
  • Facebook