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Accelerating ScienceLearning at the Bench / 分子生物学実験関連 / サンガーシーケンスの結果が“NNNNN”!?その結果、再解析で改善するかもしれません!

サンガーシーケンスの結果が“NNNNN”!?その結果、再解析で改善するかもしれません!

Written by LatB Staff | Published: 06.27.2023

キャピラリーシーケンサでのランが終わり、いざシーケンスデータ(.ab1)を開いてみると、波形は確認できるものの、ベースコールされた塩基配列が”NNNNN”だったことはありませんか?

”NNNNN”

図1: ”NNNNN”

これはソフトウエアを用いて再度解析することによって、ベースコールし直すことができる場合があります。

そこで今回は、”NNNNN”となっているサンプルファイルを再解析する方法について、ご紹介いたします。

▼こんな方におすすめです!

  • サンガーシーケンスを実施している方
  • サンガーシーケンスデータのトラブルシュートに興味をお持ちの方

▼もくじ [非表示]

  • ”NNNNN”となってしまう原因は?
  • Sequencing Analysis ソフトウエアでの再解析
  • Quality Check Appでの再解析
  • まとめ
    • 【無料公開中】サンガーシーケンスの基礎

”NNNNN”となってしまう原因は?

正しくベースコールできていない場合、生データ「Raw」を見てみましょう。

  • Sequencing Analysisソフトウエアの場合、「Raw」タブをクリックします。
    1. Sequencing Analysisソフトウエアを開く
    2. 「File」 > 「Add Sample(s)…」をクリック
    3. 任意の.ab1ファイルを選択し、「Add Selected Samples >>」 > 「OK」をクリック
    4. 該当のサンプルファイルの「Show」にチェックをつける
    5. 「Raw」タブをクリック

      Sequencing Analysisの場合のRaw

      図2:Sequencing Analysisの場合のRaw

  • Thermo Fisher™ Connect™ PlatformのQuality Checkの場合、1つのサンプルファイルをダブルクリックし、「Raw」タブをクリックします。
    1. Thermo Fisher Connect Platformにサインイン(https://apps.thermofisher.com/)
    2. 「Quality Check」 Appをクリック
    3. 「Create New Project」を選択後、「Type a project name」にプロジェクト名を入力し、「OK」をクリック
    4. 「Import From」 > 「My Computer」をクリック
    5. 任意の.ab1ファイルを選択し、「Open」をクリック
    6. 左枠の「QC」をクリック
    7. 「Import Project Settings」で「No」を選択し、「Continue」をクリック
    8. 該当の1サンプルをダブルクリック
    9. 「Raw」タブをクリック

      Quality Checkの場合のRaw

      図3:Quality Checkの場合のRaw

ターゲット配列が短いものの、長いターゲット用のランモジュールでランしているために、正しく解析できずに、解析不能”NNNNN”となっている場合が多いです。
この場合、短いターゲット用のランモジュールでランをすれば解消することがあります。
それでも解消しない場合や既に取得したデータファイルについては、以下の手順で再解析を試してみましょう。

Sequencing Analysis ソフトウエアでの再解析

  • 手順1: Rawデータにて、最後のピークの位置を確認
    • Rawデータの波形の上にカーソルを移動し、ドラッグすると、十字の点線が表示されます。
    • ドラッグしたまま、最後のピークに移動し、横軸(データポイント)の数字を確認します。
    • 図4では最後のピークのデータポイントは「2548」です。

      SeqAでのデータポイントの確認

      図4:SeqAでのデータポイントの確認

  • 手順2:「Stop」に確認したデータポイントを入力
    • 該当サンプルの「Stop」に手順1で確認した最後のピークのデータポイントを入力します。
    • 「Stop」はRawデータの解析終了ポイントですので、これで解析終了位置を指定し直すことになります。
    • 図4の結果であれば、「Stop」に「2548」を入力します。
  • 手順3:再解析の実行
    • 該当のサンプルの「BC」にチェックをつけ、緑の三角ボタン(「Start」 > 「Start Analysis」)をクリックし、再解析を実行します。
      SeqAでの再解析の実行

      図5:SeqAでの再解析の実行

      SeqAでの再解析後画面

      図6:SeqAでの再解析後画面

    再解析後、「Electropherogram」タブをクリックし、波形とベースコールされた塩基を確認します。

    再解析したファイルは「File」 > 「Save Sample(s)」で上書き保存することができます。

Quality Check Appでの再解析

  • 手順1:サンプルファイルの選択
    • 「Traces」画面にて、再解析したいファイルのチェックボックスにチェックをつけます。
  • 手順2:再解析条件の指定
    • 「Basecall」をクリックします。
    • 「Ending base and Calling Ns」をクリックし、「At PCR stop」のチェックボックスにチェックを付けます。
  • 手順3:再解析の実行
    • 「Analyze」をクリックし、再解析を実行します。
      QCでのサンプル再解析の実行

      図7:QCでのサンプル再解析の実行

      QCでの再解析後画面

      図8:QCでの再解析後画面

    再解析後、サンプルをダブルクリックし、波形とベースコールされた塩基を確認します。

    解析したファイルは以下の手順で出力することができます。

    • 「Actions」 > 「Export Traces」画面にて、「*.ab1」にチェック > 「OK」をクリック

まとめ

  • 短いターゲットを長いランモジュールで泳動すると”NNNNN”となることがある
  • 生データ(Raw)を確認することで原因を推測できる
  • ソフトウエアで再解析することで改善できる場合がある

“NNNNN”となったデータがありましたら、上記の手順をぜひお試しください。

関連記事:サンガーシーケンスの原理

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