分子生物学実験では、PCR産物や制限酵素切断断片の確認など、アガロース電気泳動法が多用されますが、何かと面倒で手間がかかるものだと思います。また、あらかじめゲルを作っておく必要があるため、思い立った時すぐに電気泳動を始める事ができず困られた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。また、以下のような経験をされたことはないでしょうか?
ゲルを作るのを忘れていた
あてにしていたゲルを誰かに使われた
使おうと思ったゲルに穴が開いていた
逆に流してしまった(E-Gelがあってもサンプルは戻ってきませんが)
Invitrogen™ E-Gel™ Power Snap Electrophoresisシステムは全て解決します!
▼もくじ
E-Gel Power Snapシステムとは?
E-Gel Power Snapの特長

その他特長

バッファーレスなのでランニングバッファーの準備、廃棄など不要~煩わしい準備、後片づけから解放されます。
標準ゲル(Invitrogen™ E-Gel™ EX Agaroseゲル)の泳動時間は5分から15分。眺めていたらあっという間に終了、もちろん目を離していても自動で止まり、ブザーで知らせてくれます。
E-Gel EXゲルはSYBR® Gold系色素を含むため高感度なので、サンプル量を減らす事もできます(下記使用例参照)。
ある日の夕方の電気泳動の流れ





18時00分 サンプルや必要な試薬を実験台に準備
18時06分 ゲルを袋から出し本体にセット、ゲルの各ウェルにサンプルをアプライ
18時07分 装置のふたを閉め、タッチパネルでプログラムを選んで電気泳動開始
泳動中にオレンジのフィルター越しにDNAの移動を確認できます。5分後には期待通りのサイズのPCR産物の増幅を確認できました。
18時19分 専用カメラをセットし、撮影、加工、保存後、USBメモリにエキスポート
18時21分 片付けて、実験台を清掃
PCR終了後すぐに電気泳動を開始し、後片付けまで入れて20分強でした。泳動槽の洗浄など後片付けも手間がかかりません。
G8300 Invitrogen™ E-Gel™ Power Snap Electrophoresis System
G401002 Invitrogen™ E-Gel™ EX Agarose Gels, 2%
10787018 Invitrogen™ 1 Kb Plus DNA Ladderr
E-Gelシステムと従来型電気泳動システムのワークフロー所要時間の比較
先ほどの実験で見ていただいた通り、E-Gelシステムを使用した場合は20分強で実験を完了できます。一方で従来型の電気泳動システムを用いた場合は準備や泳動に時間がかかり最低でも4倍程度の時間を要します。ゲルの作成、管理(それ程長持ちしませんので)も手間がかかりますし、結構洗い物が発生したりして実験後の後片付けも大変だと思います。その時間があれば、論文一報くらい読めるかもしれないですね。

以下の図は、両者の作業の流れを簡単に比較したものです。なお、染色、脱色、後片付けの時間を入れていません。
さらに便利な使い方

Thermo Scientific™ E1-ClipTip™ Equalizer 384システムを使えば、96ウェルプレート、384ウェルプレートからサンプルをとり、チップの幅を変えてE-Gelウェルに直接アプライすることができます。
また、Invitrogen™ E-Gel™ EX Doble Combゲルでは、最大22サンプル同時に泳動することができ、便利かつリーズナブルです。また、泳動時間も短く、たった5分で結果を確認できます。
泳動結果(JEPGファイル)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
E-Gel Power Snapシステムが何故、クセになってしまうのかについてご説明しました。気になった方はぜひ一度お試しください。

以下はE-Gel EXゲルのリストです。お試しいただく際にご利用ください。
E1-Clip Tip Equalizer 384システムにご興味をお持ちの方は以下をご参照ください。
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今回の記事に関連する、過去のBlog:
アガロースゲル電気泳動を成功させるための鉄則5箇条
DNAサンプルさようなら!アガロースゲル電気泳動に必ず失敗する3つの方法
【やってみた】アガロースゲル電気泳動でDNAが分離する動画を撮影してみた
研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。



