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Accelerating ScienceLearning at the Bench / 分子生物学実験関連 / アフィニティ精製の担体や精製方法まとめ

アフィニティ精製の担体や精製方法まとめ

Written by LATB Staff | Published: 06.06.2016

▼もくじ [非表示]

  • はじめに
  • バッチ法とスピンカラム法
  • 多孔性レジンと磁性粒子
  • 最後に
    • 【無料ダウンロード】タンパク質解析ワークフローハンドブック

はじめに

抗体精製や(共)免疫沈降などのアフィニティ精製ではアガロースなどの多孔性レジンを用いたバッチ法やレジン充填カラムによるクロマトグラフィ、磁性粒子による磁性分離が利用されています。今回は、アフィニティ精製の担体や手法の選択についてご紹介します。

バッチ法とスピンカラム法

従来の免疫沈降では細胞抽出液などのサンプルに対して、抗原特異抗体を添加して抗原抗体複合体を形成させた後、プロテインAやプロテインGを固定化したアガロースを添加、洗浄や溶出は遠心後ペレットに対して行います。

この方法はバッチ法とも呼ばれ、洗浄や溶出の際に沈降ペレットから上清を分離する必要がありますが、多孔性レジンをアフィニティ担体に用いた(共)免疫沈降では、タンパク質の吸着によるバックグラウンドノイズの上昇がみられることがあり、特に低濃度のタンパク質サンプルからアフィニティ精製を行う場合、接触効率が高くレジン添加量を最小化できるバッチ法が選択されることがあります。バッチ法は反応スケールの変更も容易で現在でも一般的に利用されていますが、ペレットの吸引や上清の回収率が問題になることがありました。

このような問題を解決するため弊社の(共)免疫沈降キットでは抗原抗体反応後にレジンをスピンカラムに移して洗浄や溶出を行うプロトコルや、レジン充填カラムに抗体を固定化して用いるプロトコルが採用されています。また、磁性粒子を用いたバッチ法も(共)免疫沈降で積極的に利用されています。

多孔性レジンと磁性粒子

4%または6%架橋アガロースは多孔性の親水性レジンで、(共)免疫沈降でも一般的に使用される担体です。酸溶出におけるリガンドの滲出も少なく、さらに抗体を架橋することで抗体レジンは通常8-10回程度の再利用が可能です。レジン懸濁液(スラリー)をピペッターで取り扱う際は先端をカットして口径を広げたチップを使用することでクラッシュを防ぐことができます。

(共)免疫沈降では非特異吸着によるバックグラウンドノイズ軽減を目的に、BSAなどのタンパク質によるブロッキングやコントールレジンによるプレクリアー操作を行うこともあります。弊社では様々なスピンカップやスピンカラムをご用意しておりますので、製品の選択に関しては、弊社の技術資料Pierce Spin Cup and Columns dimensions and volumes(PDF)も併せてご確認ください。

磁性粒子は粒子径が小さい(1-2 um)ため単位重量あたりの表面積が高く、非特異的吸着の最小化を期待して担体に使用されます。さらに、Thermo Scientific KingFisherシリーズ等の磁性粒子プロセッサで自動化にも対応するため、ディープウェルプレートを用いたハイスループットスクリーニングでは最適な担体といえます。

また弊社では、凝集を抑えたブロッキング処理済みの安定な超常磁性粒子Pierce Magnetic Beadsをご用意しております。粒径分布が狭い単分散の磁性粒子は沈降速度が均一なため、自動化された磁性粒子プロセッサを用いたハイスループットスクリーニングに最適です。

最後に

アフィニティ精製では様々な担体を選択できます。従来のアガロースを用いたバッチ法から、アフィニティカートリッジを用いたクロマトグラフィ、磁性粒子を用いた自動化されたHTSワークフローまで、弊社の製品ポートフォリオからご用意できます。

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