次世代シーケンサは一度に数千万~数十億塩基という大量の配列情報を出力します。そこから意味のある情報を抽出したり、レポートの形にまとめたりするのは、一から行うと大変な作業です。そこで、ヒトのがんの遺伝子変異解析を例に、このプロセスを効率化するソフトウエアを紹介します。
▼こんな方におすすめです!
・これから次世代シーケンサによる変異解析を始める方
・データ解析や結果の評価でお困りの方
・臨床研究における変異解析データの処理を効率化したい方
▼もくじ
Ion Torrent 次世代シーケンサが提供する遺伝子変異解析の流れ
Ion Torrent 次世代シーケンサでは、データを出力してレポートを作成するまでの3ステップのソフトウエアを提供しています。Torrent Suite™ ソフトウエアはシーケンサを制御してランを行うところから、配列データを出力して次のIon Reporter™ ソフトウエアにデータを転送するまでの工程を自動的に行います。Ion Reporter ソフトウエアは変異を検出しアノテーションを付与します。Oncomine™ Reporter は変異に各種のエビデンス情報を紐づけてレポートを作成することができます。
Ion Reporter ソフトウエア
Ion Reporter ソフトウエアは塩基置換や挿入欠失、融合遺伝子を検出するだけでなく、タンパク質のアミノ酸配列に影響を及ぼさないsynonymous 変異や、健康な人が持つ多型などを簡単にフィルターすることができます。さらに、Oncomine アノテーションを使うと、がんのドライバー変異である可能性がある候補を絞り込むことができます。Ion Reporter ソフトウエアは、この結果を反映した変異のリストを、vcf ファイルと呼ばれる形式で出力します。
Oncomine Reporter
Ion Reporter ソフトウエアで検出された変異のデータをOncomine Reporter にアップロードすると、各種のエビデンス情報を変異に紐づけることができます。利用できるデータソースには、アメリカ食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)の医薬品添付文書、診療ガイドラインや、各国の治験の情報が含まれます。また、その結果をpdf 形式のレポートに出力することができます。下の動画では、Ion Torrent シーケンサによる変異解析の流れをまとめておりますので、ぜひご視聴ください。
まとめ
・Torrent Suite ソフトウエア、 Ion Reporter ソフトウエア及びOncomine Reporter を使うことにより、シーケンスデータの出力からレポート作成までのプロセスを簡便化できます。
・Oncomine Reporter は各種のエビデンス情報を含むレポートを作成できます。
NGSデータ解析でお悩みの方、より詳しい解析をご要望の方は次世代シーケンス(NGS)データ解析支援サービスを検討してみてください。
また、Torrent Suite ソフトウエアには必要に応じて追加の解析機能を組み込むことが出来ます。ご興味のある方は導入事例をご覧ください。
NGSの基本的なデータの取得の流れは、「今さら聞けない!Ion Torrentシステムの原理とは」や「知ってますか?全ゲノムリシーケンスとターゲットリシーケンス」の動画でも紹介しておりますので、ぜひ一度ご覧ください。
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