はじめに
有機酸は、食品の風味や鮮度の維持・向上のために必要な添加物です。使用可能な添加物の種類や量は、人体に悪影響を及ぼさないための基準値が食品衛生法によって定められています。安全な食品の開発や品質管理のために、種類や含有量を迅速かつ正確に測定することは大変重要です。本記事では、食パンやハーブ飲料に含まれる有機酸の定量分析についてご紹介しています。
有機酸の分析の現状(例1:食パン)
食パンに含まれている食品添加物の中では、食感を改善する臭素酸カリウムや、保存剤として使われるプロピオン酸ナトリウムが、添加基準値が定められている有機化合物です。分析を行う際は、イオン種成分の分離・検出に特化したイオンクロマトグラフ、電気伝導度検出器を用いて、保持時間によって行われます。この場合、同じ時間に複数の成分が溶出したとき、誤認される恐れがあることが懸念されます。
有機酸の分析の現状(例2:ハーブ飲料)
ハーブ飲料に含まれている有機酸の分析は、有機酸が香りや味といった飲料の品質の決め手になるという点で重要な意味を持ちます。これまでは、ガスクロマトグラフィー(GC)、液体クロマトグラフィー(LC)、イオンクロマトグラフィー(IC)で分析されてきました。ただ、LCで分析する場合、ハーブ飲料は分析種以外に共溶出するイオンにより、イオン化抑制に代表されるマトリックス効果現象が発生するなど分析種の検出が困難になる場合があります。GCを使用した場合は、有機酸の分析にサンプルの誘導体化が必要で、より多くの労力と技量が必要とされます。
イオンクロマトグラフィーと簡単な前処理による一斉定量分析
食品、飲料中に含まれる有機酸の定量分析においても、イオンクロマトグラフ-質量分析計(IC-MS)、そして、検出器として電気伝導度検出器を使用した後にシングル四重極質量分析計Thermo Scientific™ ISQ™ ECを接続することで、より簡潔に正確な測定が可能となります。
有機酸の定量分析のワークフロー詳細はこちらから
有機酸の定量分析について、図解と共に手順をより詳しくご覧になりたい方は、下のリンクから資料をダウンロードしていただけます。
共溶出によって発生するイオン化抑制などのマトリックス効果強度損失の影響範囲などについても分析結果と共に解説しております。
食品の開発や品質管理などのビジネス拡大に、少しでもお役立ていただけますと幸いです。
研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。



