スペック確認のポイントは…、検量線の「反復」|今こそ本気で徹底理解! リアルタイムPCR講座 第27回

前回に引き続き、リアルタイムPCR装置の実際のデータを見て行きましょう。今回は、納品時に行われる納品検収のデータです。

弊社では、リアルタイムPCR装置の納品時に、下記の図1のTaqMan® RNase P Instrument Verification Plateを使ってスペックの確認を行っています。

qpcr-basic27-fig1

図1 TaqMan® RNase P Instrument Verification Plate

さて、下記の図2は納品検収のデータです(7300システムを使用)。

qpcr-basic27-fig2

図2 RNase Pプレートのランの結果から得られた検量線

この検量線から、ウェル間のばらつきの程度を確認できます。図5ではN=4で、それぞれの濃度で各4点が収束しているのがわかります。

検量線の信頼度を判断する場合、R2値から相関を検討しますが、ただR2値を見るのではなく、必要な反復がされているか確認してください。N=1で検量線を引いている図がときどきありますが、統計学的に疑問があります。投稿論文執筆時には気をつけたほうがよいでしょう。機器購入前のデモの際には、上記のような厳密な希釈系列で正確な定量性が得られるかどうか、ご確認ください。


機器の性能を確認するにはいくつかのポイントがあるのですね。次回はリアルタイムPCR装置の機種を選ぶときのポイントをお伝えします!

リアルタイムPCRハンドブック 無料ダウンロード

このハンドブックでは、リアルタイムPCRの理論や実験デザインの設計など、リアルタイムPCRの基礎知識が掲載されています。リアルタイムPCRを始めたばかりの方やこれから実験を考えている方にうってつけのハンドブックです。PDFファイルのダウンロードをご希望の方は、下記ボタンよりお申し込みください。

ダウンロードする

リアルタイムPCRトラブルシューティング 無料ダウンロード

異常なS字状の増幅曲線、NTCでの増幅検出、増幅が見られないなど、リアルタイムPCRの実験中に困った際の手助けになる情報を紹介しています。PDFファイルのダウンロードをご希望の方は、下記ボタンよりお申し込みください。

ダウンロードする

 

研究用にのみ使用できます。診断用には使用いただけません。

記事へのご意見・ご感想お待ちしています

  • サーモフィッシャーサイエンティフィックジャパングループ各社は取得した個人情報を弊社の個人情報保護方針に従い利用し、安全かつ適切に管理します。取得した個人情報は、グループ各社が実施するセミナーに関するご連絡、および製品/サービス情報等のご案内のために利用させていただき、その他の目的では利用しません。詳細は個人情報の取扱いについてをご確認ください。
  • 送信の際には、このページに記載のすべての注意事項に同意いただいたものとみなされます。