いよいよリアルタイムPCRの真髄に迫ってきましたね!今回は、リアルタイムPCRで良い結果を得るために必要な“プライマーの設計”がテーマです。
さてみなさんは、どのようにプライマーの設計を行っていますか?
これは結構、ラボや人によりますが、論文に掲載された配列を元に自分で考えている方や、市販やフリーのプライマー設計ソフトウェアを使うという方が多いようです。どちらにせよ、配列を凝視して頭を悩ませ、条件検討に時間を費やさねばなりません。
そこでおすすめしたいのが、弊社のリアルタイムPCR機器です。製品に付属するプライマー設計ソフトウェアPrimer Expressが、これまでプライマー設計に頭を悩ませてきた研究者のみなさまから、支持を得ています。
では早速、Primer Expressの使い方をみてみましょう。
増幅させたい目的の領域の配列を読み込み、ボタンを1回押します。すると、リアルタイムPCRに最適なプライマーの候補が自動でリストアップされます(図)。
図 Primer Expressのプライマー設計画面
リストアップされた配列を、テキストファイルから読み込むか、コピー&ペーストによって読み込みます。次に、Find Primers/Probes nowというボタンを押します。
ご覧のような結果が表示されます。
赤いマークの部分は、既知のSNP部位などプライマー・プローブを設定したくない場合につかいます。黒く反転している領域は、増幅産物です。この結果から、増幅産物の短さが分かります。
Primer Expressソフトウェアは、リアルタイムPCR用のプライマーを作成するために至適化されているのが、最大の特徴です。単なる付属ソフトウェアではなく、“リアルタイムPCRシステムの一部”と言えますね。もちろん、通常のPCR用プライマー、nested-PCR用プライマー、RT-PCR用プライマーの設計にも利用できるので、活用の幅はとても広いです。
解析の質・効率をさらに向上させるため、弊社ではリアルタイムPCR用試薬TaqMan® Gene Expression Assaysも開発しています。ヒト、マウス、ラットなど主なモデル生物を用いた遺伝子発現解析に対応し、リアルタイムPCR用プライマー、プローブセットが設計された試薬キットです。このキットを使えば、プライマーの設計やPCRの条件検討を省略して確実に結果を得ることができます。
プライマー設計や条件検討に費やしていた時間と労力を別の目的に活用すれば、新しいステージに研究を広げることができるでしょう。
ふう、便利な世の中になったもんだ…。次回は、リアルタイムPCRの原理を解説します。お楽しみに!
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