▼こんな方におすすめです!
・遺伝性疾患のNGS研究に興味がある
・NGSの研究をどのように進めようか迷っている
・研究にターゲット遺伝子パネルを導入したい
次世代シーケンシング(NGS)による遺伝性疾患研究
次世代シーケンシング(NGS)は、数十万から数千万のシーケンスを同時に実行することのできるハイスループットな解析方法です。心筋症などの多因子遺伝性疾患を研究している研究者は、NGSを使用して疾患関連遺伝子を迅速かつ効果的に分析しています。あなたがこのアプリケーションでNGSの使用を検討している場合、おそらく「ターゲット遺伝子パネルまたはエクソームシーケンシングのどちらを実行するべきか?」と疑問を持つでしょう。ターゲットシーケンシングは臨床研究でよく用いられていますが、これが研究ニーズに適しているかどうかをどのようにして知るのでしょうか?
ターゲットシーケンシング
ターゲットシーケンシングについて、もう少し詳しく見てみましょう。ターゲットシーケンシングは、単純なPCR反応と遺伝子パネルを使用して、特定の遺伝子または遺伝子領域を選択的に増幅する濃縮のステップを含みます。遺伝子パネルはオリゴヌクレオチドプライマーペアのプールで構成されています。各プライマーペアはPCRにより特定の領域を増幅する(DNAアンプリコンのライブラリを生成する)ように設計されていて、シーケンシングのための準備が整っています。1つのライブラリは1つのサンプルに対応し、複数のライブラリを一緒にプールして、1回のランで同時にシーケンス処理することができます。
適切なアプローチの検討
では、あなたの研究への適切なアプローチを決定する際に考慮すべきポイントは何でしょうか?まず、NGSは大量のデータを生成するため、大規模な「データセットの管理」の影響を考慮することが重要です。どの遺伝子を探索するべきかわからない場合は、何千もの遺伝子を調べて検出された変異を網羅的に把握することができるエクソームシーケンシングが役立ちます。ただし、これにより大量のデータが作成される可能性があります。疾患との関連が知られている、または疑いのある遺伝子を分析する場合、大規模なデータセットはバイオインフォマティクスを困難なものにし、コストを追加してもほとんど、もしくは全く良い結果を得られません。このようなアプリケーションでは、ターゲットシーケンシングの方が、特定の遺伝子に基づいた、より小さく管理しやすいデータセットを生成できるため、時間・コスト・データ分析の労力を節約できます。
次に小さなゲノム領域に注目してみると、ターゲットシーケンシングアプローチの方がはるかに深い「カバレッジ(読み取り深度)」を実現します。エクソームシーケンシングアプローチの100カバレッジに対して、最大5,000カバレッジです。これにより、ターゲットシーケンシングでは特定の疾患に関連する低頻度変異の同定が可能になり、遺伝子のサブセット内のすべての潜在的な変異が確実に検出されるようになります。一方で、エクソームシーケンシング アプローチではいくつかの重要な変異が検出されない場合があります。ただ、疾患の原因となる遺伝子が完全にわかっていない場合は、特定のゲノム領域 を見落とすリスクがあったとしても、研究を進めるためにこちらを選択する価値があるかもしれません。
もう1つの重要な問題点 は、「実際にどれくらいのことを知りたいか」です。重要な変異に注目している臨床研究者のために、ターゲット遺伝子パネルは関心のあるゲノム領域のみを含めたカスタマイズが可能です。また、多数の変異(そのかなりの割合が重要であるかどうかが未知)を生成するエクソームシーケンシング とは異なり、ターゲットシーケンシングはそのような変異に出くわすリスクを軽減するのに役立ちます。
以上のように、データ管理の労力・検出感度の高さ・重要な領域への的を絞った解析という点においては、エクソームシーケンシングよりもターゲットシーケンシングが優れています。
まとめ
Ion AmpliSeq™ ターゲットNGSパネルの詳細については、こちらをご覧ください。
NGSパネルを閲覧したり、独自にデザインしたりするには、Ion AmpliSeq Designerにアクセスしてください。
参考情報
・ターゲットシーケンシングのための Ion AmpliSeq On-Demand パネル
・製品や技術に関するお問い合わせ
次世代シーケンサ(NGS)入門
次世代シーケンスの原理や何ができるかがよくわからない、または自分の研究領域にどのように活用できるかわからないという方向けに、次世代シーケンスの基本や各研究領域に特化したアプリケーションをまとめました。リンク先から、それぞれの領域に応じたページをご覧いただけます。
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